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仮定の未来  作者: とにあ
13/22

 仮定の未来 夜遊び

 

「月華ちゃーん。夜のお散歩れすかー」

「ハロちゃん」

 月華ちゃんは人間の女の子。ハロちゃんよりおねーさんなのれす。

 赤い髪を夜の風に揺らす姿はなんだか大好きれすよー。

 お日様苦手な月華ちゃんはお月さまがよく似合っているのれす。お月さまの魔力でハロちゃんも遊べるようになるのれす。お喋りできるって楽しいのれす。

「ハロちゃんと遊ぶれす!」

「うん!」

 後ろからついてくる気配は蛇の気配。

 いつものことなのでハロちゃん気にしないのれす。

 お喋りしながらジャングルジムに登る。

 人間が誰もこない、いないスキマの公園。

「とーさんが町に帰ってきたのれす。ハロちゃんいっぱいいっぱい遊んでもらって、色んなことを習うれす。月華ちゃんともっと遊びたいのれす!」

 月華ちゃんがふわりと笑う。

「おとーさん帰ってきてよかったね」

 ハロちゃんはおもいっきり頷くのれす!

「ねーさんやにーさんたちにも教えてあげるれすよ!」

 ジャングルジムの高いところに並んで座る。

 ブランと揺れる足は四本。

 月華ちゃんの赤い髪は長い。ハロちゃんは短い白い髪。

 月華ちゃんはいつだってかわいいふわんとしたワンピース。暑い日だってカーディガンは欠かさない。

 ひらひらフリンジにうっとりうずうずきゅんきゅんれす。

 ハロちゃんはいつだって白い服白いキュロットで活動的。白いブーツに黒手袋。

 動くのは大好きれすけど、殴るのも噛みつくのも得意じゃないのれすよ。

「そろそろ送る時間えしよぅ」

 ハゲ親父の声が聞こえてきたのれす。

 ハゲ親父は蛇が怖いんれす。臆病なんれすから!

「またね。ハロちゃん」

「あいれす。ちゃんとお家の近くまで送るれすよ!」

 笑って、いつものように月華ちゃんは目を閉じてくれるのれす。

「はろーん」

 魔法の呪文を唱えれば夜の空、スキマを駆け抜け月華ちゃんのお家の近く。

 なぜかとーさんが抱きとめてくれるのれす。

 なんでいるれすか?

「月華ちゃん、またねれすよ!」

「また、遊ぼうね。ハロちゃん」

 ぱたぱたとお家に帰っていく月華ちゃんを見送ってとーさんにもたれるれす。

 さぁ、ハロちゃんをいっぱい、たくさんあーまーやーかーすのれすー。

「帰るぞ。白露」

「帰るのれすよ! のせて帰ってほしーのれすー」

「自力で走れ」

 ぶーっ!

 とーさんがきびしーのれすぅ。


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