星のランタンと、くじらの瞳と、夕紅葉の宙
ふりかえる
頬に映りゆく季節は
紅葉衣を
まとい始めた木立を
吹き抜ける
律の風に色づいて
赤実果の
あたたかな彩りが
映える道の先に
コキアは丘を紅く染めて
見上げた空には
青い海原と、くじら雲
夕紅葉に
かざす手のひらの向こうに
太陽はまるで
南瓜のランタンのように
景色と心に
あたたかな色をして
宙のくじらの
胸には煌めくミラの星
南の彼方の
遥かな宙の大海原へと
浮かび上がる
くじら座の星々
三百光年の
銀河の海を泳いで
胸に輝く
ミラは夜空に
星のランタンを燈すように
宙のくじらを
見つめる瞳に未来の星
星がめぐるたび
季節もめぐりゆくように
くじらの瞳は
未来の宙を映して
彼方に浮かぶ
秋北斗の七つ星は
七つの海を
越えて季節に煌めいて
時雨月の
街角に咲いた
オレンジバラの
花びらは心にあたたかに
歩みゆく先には
いくつもの道があって
時にふと
立ち止まることも
あるかも知れないけれど
見つめる景色は
それぞれだとしても
見上げた宙の
星の光は
きっと、同じと信じて
未来という
大海原に
描く自分だけの
地図を握りしめながら
やさしく見守る
くじらの瞳とともに
ふりかえる
頬に映りゆく季節が
紅葉衣を
まとい始めた木立を
そっと
吹き抜ける律の風に
見上げる彼方の
青い銀河を
宙のくじらが泳ぎながら
煌めくミラの
光はまるで夕紅葉のように
星のランタンが
景色と心に、あたたかな色を燈して
10月下旬から見頃のくじら座は、胸にあるオレンジの星・ミラ(ラテン語で「不思議なもの」)が時に強く、時にやさしく輝く変光星とされます。秋北斗は、北斗七星です。
コキアは丸い形で10月下旬に紅く葉が色づきます。カボチャには「広大」「ささやかな幸せ」、オレンジバラには「絆」「幸多かれ」の花言葉があります。
「赤実果」はカキの別名で、初夏に咲く花には「優しさ」の花言葉があります。時雨月は10月、「律の風」は秋らしい風のことです。
季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。




