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リグ・ヴェーダ 詩訳 ― 火の神が歌う世界の始まり  作者: はまゆう


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第1巻 第9讃歌 インドラ賛歌

1. 来てください、

インドラよ、

すべてのソーマの宴で

汁に喜びを得てください、

守護者よ、

あなたの力において強大な者よ。

2. インドラに汁を注ぎなさい、

活発に喜ばせる汁を彼に、

喜ばせる者、全能の神に。

3. おおすべての人の主よ、

頰の美しい者よ、

喜ばせる讃歌に喜びを得てください、

これらの飲み物の供物に臨在する者よ。

4. 歌たちがあなたに注ぎ出されました、

インドラよ、強い者、守護の主よ、

そして満足することなく高められました。

5. 私たちに多様な富を送ってください、

おおインドラよ、

私たちの願いにふさわしいものを、

至上の力はただあなただけのものだから。

6. おおインドラよ、

私たちをそれへ刺激してください、

富を熱望して競い合う者たちを、

そして栄光ある者よ、

おお最も輝かしい者よ。

7. 与えてください、インドラよ、

広く高い名声を、

牛に富み力に富んだものを、

私たちの生涯続くものを、

欠けることのないものを。

8. 与えてください、

高い名声を、

おおインドラよ、

数千を与える富を、

美しい大地の果実を、

荷車に載せて家に運ばれるものを。

9. 称賛に値する者を歌で讃え、

私たちの助けに来る者を、

私たちは呼びます、

インドラを、

富の宝の主を。

10. 高きインドラに、

各供物のそばに住む者に、

敬虔な人は、

力を強める讃歌を

大声で歌い上げる。



※この第9讃歌は、インドラを「ソーマの喜びの主」「富と名声の与え手」として呼びかけ、儀式の中心に据え、個人的・集団的な願いをストレートに表現した内容です。インドラ讃歌の連続の中で、ソーマ供養と讃歌の相互作用が特に強調されています。

• 1-2節:冒頭からインドラをソーマの宴に招き、「喜びを得る」ことを繰り返し。インドラはソーマを飲むことで喜び、力を発揮するという基本構造。

• 3節:インドラを「すべての人の主」「頰の美しい者」と美しく描写。供物に「臨在」する神の親しみやすさを表す。

• 4節:歌が「注ぎ出され」「満足せず高められる」=人間の讃歌が尽きることなく続き、神をさらに引きつけるイメージ。

• 5節:富の多様性を願い、「至上の力はあなただけ」とインドラの独占性を強調。ヴェーダの神々の中でもインドラの優位性を示す。

• 6節:富への競争心(emulously fain)を認め、インドラに「刺激」を求める。栄光と輝きを求める積極的な姿勢。

• 7-8節:名声(fame)と富(牛・力・数千の富・大地の果実)を具体的に祈る。牛や荷車は当時の富の象徴で、現実的な願いが色濃い。

• 9節:インドラを「称賛に値する者」「富の宝の主」と呼び、助けを求める呼びかけ。歌が神を呼ぶ力を持つ。

• 10節:締めくくりは「各供物のそばに住む」インドラに、敬虔な人が「力を強める讃歌」を大声で歌う描写。儀式の現場感が強い。

全体として、インドラをソーマで喜ばせ、讃歌で引きつけ、富・名声・保護を求める「実利的で熱烈な」讃歌です。インドラ讃歌群の初期部分で、彼の人気の高さと、詩人たちの願いの直接性がよく表れています。

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