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リグ・ヴェーダ 詩訳 ― 火の神が歌う世界の始まり  作者: はまゆう


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1巻 第6讃歌 インドラ賛歌

1. 彼が動くときに

周囲に立つ者たちは、明るく

赤らんだ馬を繋ぐ、

空に光たちが輝いている。

2. 両側から彼の愛する褐色の駿馬を

車に繋ぐ、大胆で褐色の、

首長を運ぶ者たち。

3. あなたは、

光がなかったところに光を作り、

形がなかったところに形を、

おお人々よ、

ウシャスたちとともに生まれた。

4. その後、彼らはいつものように、

生まれぬ幼児の状態を捨て、

供物の名を身に着けた。

5. あなた、インドラよ、

嵐の神々(マルト)とともに、

堅固なものを打ち砕く者たちとともに、

洞窟の中ですら

牛たちを見つけた。

6. 彼らが望むままに礼拝し、

歌い手たちは

富を見いだす者を讃える、

遠くに名高い、力強い者を。

7. あなたが確かに見られるように、

無畏のインドラの

傍らに寄り添って来るのを

両者とも喜びに満ち、

輝きにおいて等しい。

8. インドラの最も愛される軍勢とともに、

咎なき者たちとともに、

天へ急ぐ者たちとともに、

犠牲を捧げる者は大声で叫ぶ。

9. この場所から来てください、

おお放浪者よ、

あるいは天の光の下から

下って来てください

私たちの讃歌は

すべてこれを慕い望んでいる。

10. インドラを、

私たちに助けを与えるために求めます、

ここから、

地上の上にある天から、

あるいは広大な虚空(堅固な天蓋)から。



※この第6讃歌は、インドラの戦士的・宇宙的な側面を強調しつつ、嵐の神々(マルト)やウシャスとの関連を描いたものです。インドラ讃歌の連続の中で、少し神話的・宇宙論的な色が強くなっています。

• 1-2節:インドラの戦車と馬の描写。褐色の馬(bay coursers)はインドラの象徴で、戦場での疾走を連想させる。空に光が輝くのは、勝利の予兆や神の到来を表す。

• 3節:インドラの創造的な力。光と形を生み出す行為は、宇宙の秩序(ṛta)を作り出す神話的役割を象徴。ウシャスとの同時誕生は、夜明け=勝利のイメージ。

• 4節:少し謎めいた表現。マルト(嵐の神々)や他の神々が「幼児状態」から「犠牲の名」を得て成熟する、という神話の断片。ヴェーダでは神々が儀式を通じて「完成」するとされる。

• 5節:有名なインドラ神話の核心――ヴリトラを殺し、洞窟(牢獄)に閉じ込められた牛(水・富・光)を解放した話。マルト(嵐の神々)と共闘する姿が描かれる。

• 6節:歌い手たちがインドラを讃える理由――富を与え、名高い存在だから。

• 7-8節:インドラの軍勢マルトたちと一緒に天へ向かう描写。儀式の参加者(犠牲者)が神々の到来を大声で呼びかける。

• 9-10節:インドラの居場所を広大に想像――地上から、天から、虚空から――どこにいても来て助けてほしい、という切実な祈り。インドラの遍在性と即応性を強調。

全体として、インドラを単なる戦士ではなく、宇宙の秩序を回復し、光と富をもたらす創造神として描いています。マルトとの共闘や牛解放神話が出てくることで、リグ・ヴェーダの神話的深みを感じられる一曲です。

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