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リグ・ヴェーダ 詩訳 ― 火の神が歌う世界の始まり  作者: はまゆう


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第1巻 第5讃歌 インドラ賛歌

1. おいでください、

ここへお座りください

インドラに、あなたがたの歌を歌いなさい、

仲間よ、讃歌の賛美を携えて。

2. 最も富める者の中でも最も富める者へ、

優れた宝の主へ、

注がれたソーマの汁をもって、

インドラへ。

3. 彼が私たちの窮乏の時に、

豊かさの時に、

富のために傍らに立ってくれますように

彼の力とともに、

私たちに近づいてくれますように。

4. 褐色の馬の双頭を戦いに繋ぎ、

敵が挑戦することのできない者へ

彼へ、インドラへ、

あなたがたは歌を歌いなさい。

5. ソーマを飲む者の近くへ来なさい、

彼の楽しみのために、

これらの清らかな滴が、

凝乳と混ぜられたソーマたちが。

6. あなたは、

一瞬で完全な力に成長し、生まれた、

ソーマの汁を飲むために、

強いインドラよ、卓越のために。

7. おおインドラよ、

歌を愛する者よ、

これらの素早いソーマが

あなたに入りますように

それらがあなた、賢者に

至福をもたらしますように。

8. 私たちの讃歌が

あなたを強めました、

おおシャタクラトゥよ、

そして私たちの称賛が、

そうして私たちが歌う歌が

あなたを強めますように。

9. 助けが決して欠けないインドラよ、

これらの千倍の供物を

どうか受け取ってください、

その中にすべての男性的な力が

宿っています。

10. おおインドラよ、

歌を愛する者よ、

誰にも私たちの体を

傷つけさせないでください、

殺戮を私たちから遠ざけてください、

あなたにはそれができるのですから。



※この讃歌はインドラを戦士・富の与え手・歌の愛好者として多面的に呼びかけ、ソーマを捧げて加護を求める典型的なインドラ讃歌です。

• 1-2節:儀式の開始。インドラを「座らせ」、ソーマを捧げて招く。

• 3節:日常の苦難と繁栄の両方で守ってほしいという、現実的な願い。

• 4節:インドラの象徴である「褐色の馬(bay horses)」を挙げ、戦場での無敵さを強調。

• 5節:ソーマに凝乳(カード、ヨーグルト状の乳製品)を混ぜる当時の実際の供養法を反映。神の「楽しみ」を重視。

• 6節:インドラの神話的核心――生まれた瞬間に成人し、ソーマを飲んで力を得るという誕生譚。

• 7-8節:ヴェーダ独特の「相互強化」の思想。人間の讃歌が神を強め、神はさらに人間を助ける循環。

• 9節:「千倍の供物」は豊かさの象徴。「男性的な力(manly powers)」は勇気・活力・勝利を意味。

• 10節:締めくくりの保護の祈り。インドラの「守護者」としての役割を直接的に求める。

リグ・ヴェーダの初期部分でインドラが連続して登場するのは、彼がヴェーダ社会で最も人気の神だった証拠です。特に「歌が神を強める」という考え方は、詩人(ṛṣi)たちの自信と信仰の深さを表しています。

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