第1巻 第16讃歌 インドラ讃歌
1. あなたの褐色の馬たちが、
あなた、
強い者をここへ連れてきてください、
ソーマの飲み物を飲むために
――おおインドラよ、
太陽のように輝く馬たちを。
2. ここに油で湿らされた
穀物があります
褐色の駿馬たちがインドラを
最も乗りやすい車に乗せて
ここへ連れてきてください。
3. 朝早くインドラを呼びます、
供物の進行の中でインドラを、
ソーマの汁を飲むためにインドラを。
4. ここへ来てください、
長いたてがみの馬たちとともに、
おおインドラよ、
私たちが注ぐ飲み物に。
汁が注がれたときに
あなたを呼びます。
5. この私たちの讃歌に
ここへ来てください、
あなたのために注がれた供物に。
渇いた鹿のように
それを飲んでください。
6. ここに聖なる草の上で
絞られたソーマの滴があります
それから飲んでください、
インドラよ、
あなたの力を増すために。
7. この私たちの讃歌が
あなたに歓迎されますように、
あなたの心に届き、
最も優れたものとして
それから絞られたソーマの汁を
お飲みください。
8. 絞られた汁のすべての飲み物に、
ヴリトラの殺戮者インドラは来ます、
喜びのためにソーマを飲むために。
9. シャタクラトゥよ、
私たちの願いを
すべて成就してください、
馬と牛とともに
聖なる思いをもって
私たちはあなたの讃美を歌います。
簡単な解説(全体の流れとポイント)
この第16讃歌は、インドラを朝の儀式に招き、ソーマを捧げて彼の力を増し、富(馬・牛)と願いの成就を求める内容です。インドラ讃歌の連続に戻り、馬の描写やヴリトラ殺しの言及が再び登場して、彼の戦士的・活力的なイメージを強調しています。
• 1-2節:インドラの象徴である「褐色の馬(bay steeds)」が太陽のように輝き、最も乗りやすい車でソーマを飲みに来るよう呼びかける。油で湿らされた穀物(供物)の準備描写。
• 3節:朝早くから儀式の進行中、そしてソーマを飲むためにインドラを繰り返し呼ぶ。日常の儀式のルーチンを示す。
• 4-5節:長いたてがみの馬とともに来て、注がれた汁を「渇いた鹿のように」飲むよう。インドラの貪欲さと親しみやすさを表現。
• 6節:聖なる草の上で絞られたソーマを飲み、力を増すよう。ソーマが神の力を直接的に強化するというヴェーダの信仰。
• 7節:讃歌がインドラの心に届き、歓迎されるよう願い、ソーマを飲むよう促す。歌と供物の相互作用。
• 8節:ヴリトラ殺しの称号を挙げ、すべてのソーマに喜んで来るインドラのイメージ。ヴリトラ戦の勝利者が今もソーマを求めて来る。
• 9節:締めくくりはシャタクラトゥ(百の知恵を持つ者)に、馬と牛(富の象徴)の成就を願い、聖なる思いで讃美する。現実的な繁栄の祈り。
全体として、朝のソーマ儀式の現場感が強く、インドラを「力の増す者」「富の与え手」として親密に呼びかける讃歌です。第1マンダラのインドラ讃歌群の典型で、ソーマを飲む喜びと人間の願いの成就が密接に結びついています。




