第1巻 第11讃歌 インドラ賛歌
1. すべての聖なる歌が
インドラを高めました、
海のように広がる者を、
車に乗る戦士の中でも最良の者、
主よ、まさに力の主を。
2. あなたの友情において強く、
インドラよ、
力と威勢の主よ、
私たちは恐れを知りません。
私たちはあなたを
讃歌で栄光づけます、
決して征服されぬ征服者を。
3. インドラの古来からの贈り物、
彼の救いの助けは
決して欠けることがありません、
讃歌を歌う者たちに、
牛に富む物質の恩恵を与えるときに。
4. 要塞を砕く者、
若く、賢く、測り知れぬ力を持つ者として
彼は生まれた、
各聖なる儀式の支え手、
インドラよ、
雷鳴の者、
多大に称賛される者。
5. 雷の主よ、
あなたはヴァラの洞窟を裂きました、
牛に富むものを。
神々はあなたの側に押し寄せ、
恐怖から解放されて
あなたを助けました。
6. 私、英雄よ、
あなたの恵みによって、
あなたに語りかける洪水に到達しました。
歌を愛する者よ、
ここに歌い手たちが立ち、
それについてあなたに証言します。
7. 狡猾なシュシュナを、
インドラよ、
あなたは驚異の力で打ち倒しました。
賢者たちはあなたのこの業を見ました
今、彼らの称賛を超えて進んでください。
8. 私たちの讃歌が
インドラを栄光づけました、
彼の力によって支配する者を、
彼の貴重な贈り物は数千に及び、
いや、それ以上に豊富に。
※この第11讃歌は、インドラの不敗性・古来からの贈り物・神話的な勝利(ヴァラの洞窟、シュシュナの打倒)を強調し、詩人たちの「恐れ知らず」の信頼と称賛を強く表現した短めの力強い内容です。インドラ讃歌の連続の中で、儀式の成功と神の永遠の助けを再確認するような位置づけです。
• 1節:インドラを「海のように広がる」「力の主」と宇宙規模で讃え、戦士の最上位に置く。
• 2節:「友情において強い」=インドラとの絆が最大の安心。決して征服されない征服者という逆説的な表現で、無敵性を強調。
• 3節:インドラの贈り物(特に牛=富)は古来から変わらず、讃歌を歌う者に確実に与えられるという信頼。
• 4節:インドラの誕生と役割――要塞砕き、儀式の支え手、雷鳴の者として多角的に描写。
• 5節:ヴァラ(Vala)の洞窟を裂く神話。ヴァラはヴリトラの兄弟的存在で、牛(水・光・富)を隠した悪。神々がインドラを助ける描写は、連帯感を表す。
• 6節:詩人(ṛṣi)が「洪水(讃歌の奔流)」に到達し、歌い手たちが証言する。儀式の現場で神に直接語りかける親密さ。
• 7節:シュシュナ(Suṣṇa、旱魃の悪魔)の打倒。賢者たちが目撃した業を「称賛を超えてさらに進む」よう促す挑戦的な呼びかけ。
• 8節:締めくくりは讃歌がインドラを栄光づけ、贈り物が「数千以上」豊富にという豊かさの強調。
全体として、インドラを「永遠の救済者」「不敗の戦士」「讃歌に応える友」として、詩人たちの絶対的な信頼と熱意が凝縮された讃歌です。第1マンダラのインドラ連続讃歌がここで一旦落ち着きを見せつつ、まだまだ続く流れを感じさせます。




