表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

第3話:なぜか好感度が上がっていくんですが!?

──死亡フラグをへし折るには、婚約破棄が最短ルート。

なのに、王太子に媚びを売ってもいないのに好感度が爆上がりしている気配がする。


「はぁ……なんであんなセリフ言うかな、あの王子……」


お茶がぬるいって文句言っただけなのに、「君らしい」とか「どんなに振り回されても構わない」って、どこの恋愛ルートだよ!?

こっちは生き延びたいだけなのに、なぜ本編開始前から好感度イベが連発してるの!?


「……次は、アレイン騎士団長ね」


アレイン・グリード。銀髪碧眼の騎士団長であり、筋金入りの堅物。

乙女ゲーム本編では、ヒロインが一生懸命近づいても、心を開くのに時間がかかる難攻不落タイプだ。


よし、彼にヒロインを引き合わせて、「私は応援するだけのモブ」でいれば……!


* * *


作戦は完璧だった。

ヒロイン(ゲームの主役)であるマリアとアレインが出会えるよう、私はあえて「お忍びの護衛をお願いしたい」と依頼し、マリアを同行させた。


「アレイン様、私の護衛はこの娘に任せたいの。将来、王子妃になる娘ですもの。貴族社会を見ておくといいわ」


あえて“私は身を引く”というポジションを強調。これでいい、ヒロインに光が当たって、私はフェードアウト──


「……断る」


「……へ?」


「セリーナ様の護衛は、私以外に任せられません」


えっ、ちょっと待って!? その台詞、原作でヒロインに向けて言うやつじゃないの!?


「それに、王子妃の座は……誰にも譲る気はありません」


え、え、何その意味深発言!?

しかも今、アレインの頬がわずかに赤い!?


ああああああああ!!!


この世界、フラグが歪んでる!!


* * *


その夜。私は日記に叫びを書き殴っていた。


《失敗。完全に失敗。むしろ好感度が逆に上がっている。死亡フラグ加速中。》


ゲームのルールが通用しない。

いや、通用しないどころか、私の行動が新しいルートを作っている可能性すらある。


もういっそ、森の奥で一人で暮らしたほうが安全じゃない?


「でも……それじゃただの逃避よね。私がここにいる理由が、何かあるのかもしれないし」


私は机の上に置かれたゲームのシナリオメモ──いや、記憶を頼りに書いた全イベント表──を睨みつける。


「次は……学園パーティ。ここが勝負所!」


死亡フラグをへし折るための嫌われ作戦、まだ諦めない!


だがその頃、すでに学園内では“セリーナ様推し”の生徒たちが密かに増えはじめていたことを、彼女はまだ知らない──。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ