三
予告にあった通り、ここからは主人公の語りになります。
やぁやぁ♪はじめましてコンニチハ。
ボクは景黒。
最初の冒頭にあった、神々が広めた嘘っぱちな物語に登場した白龍の少女さ。
そう、さっき斬り飛ばした、金色の女神の番()を奪ったって語られてる、悪役の雌龍だよ!
でも、その本当の正体は───
とっても可愛いホワイトドラゴン&黒龍の本当の番だよ♡(※今は全身返り血で真っ赤に染まってる)
決して略奪系悪龍じゃないからね?
もう二千年前以上から、既に番になってるからね??
そして、もう一つ。
この世界に空いた穴『虚』を監視し、そこから沸いて出てくる異形ノ者共を殺す役割を担う元『番龍』さ。
ただ、二千年前に『番龍』を辞めて、今は『虚』から阿婆擦れと神々に、絶望と恐怖と苦痛と異形ノ者共をプレゼントしに舞い戻ってきた、怒れる復讐の嫁龍にジョブチェンジしてるけどねっ!
うん、ボクの自己紹介はここまでにしようかな。
次は................
「.........(ぐりぐり)すー、はー......(ぐりぐり)すーーーー.....」
「..........」
.....今ボクをガッチリホールドして、首筋にぐりぐり顔埋めて、ボクのナニかを吸いまくってるこの龍。
さっきまで不愉快極まりない金の装飾の鎖で繋がれ、死んだ顔していた黒鬣・碧眼・真っ黒な角、そしてボクの腰に尻尾を巻き付けた美少年の龍。
この絶世の美少年がボクの愛しの旦那様さ。(※今は満身創痍のボロボロ)
もう言っちゃったけど、彼の名前は白朧ね。
冒頭の...以下略の阿婆擦れクソ女神の番()って語られてる龍だ。
一応、もう一度言うけど、ボクが本当の白朧の番、お嫁さん、奥さんだよ?
うんうん。もう一度言っても、これだけでボク達が本当の番だとは、信じないだろうね。
あの物語にも、ボクが下法な術を〜って語られちゃってるからなおさらか。まぁ、使ってないけど。
ふふふ、本当に使ってないから、ね??
そもそも、白朧は呪いや魅了の耐性が、龍の仲間達の中では一番強い個体だから、阿婆擦れクソ女神のチンケな魅了なんて全く効いてなかったし。
このボクを吸ってくるヘンタ.....、甘える行為するのはボク限定で、他の奴にはしないよ。
.....まぁ、信じる信じないは別にいいさ。
旦那様と再会もできたし、龍達も安全な場所に移したから、この世界でやることは殆どない、未練もゼロ!
さぁて!白朧の希望通り、新婚旅行しながら新しい住居を探そうか!
阿婆擦れクソ女神共の処理は.......もうどうでもいいや。
勝手に全部終わるからね。
えぇ.....情報多すぎて何がなんだか理解らない?
物語の本当の話が気になる?
面倒臭いなぁ、話さなくちゃ駄目??
はぁ...分かったよ話すよ。
でも最初に言っておくけど、かなり重くて胸糞悪い話だから気をつけてね?
さてと、どこから話そうか...。
…ていうか、白朧そろそろ吸うのもぐりぐりするのも止めて欲しい。
特に首ぐりぐりされる度、角が顔に当たって痛いんだけどっ!
用語その二
『番龍』
『虚』の監視し、そこから出てくる異形ノ者共を殺す役目を担う龍で一体しか存在しない。
景黒が現在の番龍。