十三
ボクを捕らえて捕食しようと襲いかかる背中の触手は、血毒を染み込ませた岩の刃で根元から斬る。
触手は再生しようとするが毒の効果で焼け爛れ中々再生が出来ない。
奴がもたついてる間に、ボクは続けて血毒の岩槍を造り根本深く突き刺した。
{縺ゅ≠縺ゅ≠縺ゅ≠縺ゅ≠縺ゅ≠縺!!!!}
『王』は毒と岩槍で突き刺された痛みで絶叫を上げる。
「(……予想以上だ!)」
突き刺した触手の根本は、再生する気配が無い。
それどころか、その箇所を中心に毒の巡りが早くどんどん皮膚が焼け腐敗していく。
さっき同じ様に放ったボクの術で直接創った岩の剣と槍(血毒付)とは雲泥の差だ。
「(というか、この地面と岩ボクの血毒に反応して効果を大幅に上げている。どういう仕組みか分からないけど、これならいける!)」
『虚』の大地を使った攻撃が奴に有効と知ったボクは、最初に厄介な触手と羽の骨と下の蜘蛛の足を潰す。
触手はさっきと同じ岩の剣と槍を使って斬り落とし、根本を刺し潰し、毒の効果で根ごと全て焼き腐らせ再生不能にさせた。
ボクを撃ち落とそうとする羽の骨の弾丸を火球で焼き落とし、近くまで接近したらそのまま岩の大槌で全て叩き折った。
それと同時に蜘蛛部分も攻撃したんだけど、こっちが面倒だったな……。
コイツは地面を槍の形に隆起させ身体に至る所に付いている大口ごと串刺しにした後、足を全て切り落とし動きと声を封じた…
…んだけど、ここまでやるのに百年以上も掛かった。
こんなに時間が掛かったのは、奴の蜘蛛の方が予想以上に身体能力が高かったからだ。
上のヒト型よりデカくて重そうな身体の割に動きは早く攻撃の半分はその足で避けられた。
その上、岩壁に飛び移ってそこからその足で壁を抉って岩を投げてくるし、同じ要領で大きな土埃を作っては視界を遮り撹乱もしてきたし。
あとは触手ほどでは無いけれど、鎌のような前足の部分を伸ばしてボクを捕えてそのまま大口に持って来ようともされるし、こっちから急接近して岩の剣で足を切り落とそうとしたら、口々のデカい咆哮の衝撃波で遠ざけられたよ。
……他にも色々あったけど説明するときりがないから省略する。
絶え間ない攻撃、抵抗、回避の繰り返しの百年。
やっとのこと厄介な三つは再起不能に出来た。
機動力をなくした『王』にボクは更に攻撃を続ける。
ここまででボクの血は半分を失っていた。
これ以上血を失うと流石のボクも命が危うくなる。
もう既に軽い貧血状態になって判断力も鈍ってきているし、ここで一気に終わらせようと必死だったんだ。
魅了の幻惑を魅せ動きを封じようとする眼は、巨大な岩石をそのまま使って、頭ごと叩き潰した。
幾重もの魔術を編み出した腕は、触手と同じ様に斬り飛ばし使えないようにした。
最後に『王』の核があるであろう胸の部分を血毒をたっぷり含ませた岩剣で切り裂き大きな穴を開けた。
「(見えたっ!!)」
穴から見えたのは禍々しく光る赫い『王』の核。
それを視界に捉えた瞬間ありったけの力を込めて、岩剣を投擲し───
─────────にやり
頭を潰したハズの『王』が嗤った気がした……。




