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ロボットリーグ

 ロボットリーグの舞台は、本来、技術と魔法が交錯する魅力的な場所だ。

 様々な団体が自慢のロボットを駆使し、様々な形式で競い合う。

 

 中でもロボットバトルがメイン会場で行われる最大のイベントだ。

 今夜は、決勝でサザランガ商会と商業ギルドが戦う。

 準決勝を勝ち抜いた商業ギルドのロボットは、サザランガ商会に強奪されてしまった。

 勝ち目がないと見たサザランガ商会が強硬手段に出たのだ。


 許せないほどの蛮行だ。


 商業ギルドの勝利そしてロム万能薬の宣伝の機会のために、あたしは、全力で勝つ決意を固めた。


 ロボットリーグのメイン会場は、世界強者決定戦の予選のために作られた闘技場で行われる。

 その光の輝きと壮大さに圧倒される。高い天井が開放感を演出し、無数のスポットライトが昼間のように舞台を照らす。

 観客席は広々としている。多くの観客が集まり、熱狂的な雰囲気が漂っている。


 会場内は彩豊かな魔法の光が舞い、カラフルなペイントが床面を彩っている。

 巨大なスクリーンが設置され、試合の様子がリアルタイムで映し出される。観客席には様々な種族の亜人たちが集まり、彼らの歓声や声援が会場を埋め尽す。


 闘技場の中心にある鉄でできた円形の舞台で試合が行われる。


 ロボットがその中を自在に動き回り、戦略や技術を駆使してバトルで相手を打ち負かすのだ。


 試合開始が近づくにつれて、緊迫感が漂い、観客たちは息を飲むように舞台を見つめる。


 ロボットリーグの試合は、技術と魔法の融合したスペクタクルな世界を生み出して、観客たちにこの街最大のエンターテイメントとなっている。


 サザランガ商会のロボットが登場すると、観客席からドヨメキが起こった。


 二足歩行の滑らかに動くロボット。素早さとバランス感覚に優れている。

 機動力で相手に近づき、手先についたドリルで対戦相手のロボットを葬ってきた。

 商業ギルドが開発したレッドスコーピオンそのままの姿。


 観客たちは、ロボットを見て、サザランガ商会が商業ギルドからロボットを奪ったと分かった。


 そのロボットが準決勝を勝ち抜いた商業ギルドのロボットそのままだったからだ。黒と黄色に塗り替えているが、形はそのままだ。そもそも強奪を隠す気がないらしい。


「卑怯だぞ!サザランガ商会!それは商業ギルドのロボットだろ?!」


 当然のように観客席から野次が飛ぶ。

 側に立つサザランガ商会のロボット操縦者は、野次など全く気にしていない様子だ。


 あたしは、ラトタスを連れて反対側から舞台に向かう。


 ラトタスの背中には、ロム万能薬の名前が大きく書かれている。

 宣伝効果は、バッチリだ。


 あたしに向かって、サザランガ商会の操縦者がバカにしたのように大口をたたく。


「骨董品のようなダサい甲冑ロボットか?

 見たこともない初心者の小娘に何ができる?

 私は、サザランガ商会のラディリスだ。

 今夜もサザランガ商会の勝ちに決まりだな。

 我がロボット、キラービーのドリルの餌食になるがいい」


「何がキラービーよ。レッドスコーピオンを塗り替えただけじゃない?」


「勝てばいいのだよ!勝てば!

 それにお前の遠隔操作コントローラーは、どうした?持ってきないようだが?家に忘れてきたのか?」


 どこまでも馬鹿にしたような言い方だ。嫌というほど後悔させてやる!


 試合開始のドラが鳴り響いた。


「行け!キラービー!」


 遠隔操作ロボットのキラービーと自律思考ゴーレムのラトタスが会場の中央で激しくぶつかり合う。


「ラトタス、ドリルが危険よ!気をつけて!」


 キラービーが機敏な動きでラトタスを翻弄し、ドリル攻撃を繰り出す。

 ドリルが強力すぎる。ラトタスの装甲がガリガリと削られていく。


 ラディリスのロボット操縦者としての技術が思った以上に高い。

 強奪したロボットとはいえ、ジューケイで開発されるロボットの操縦方法は、共通している。

 ラディリスは、ジューケイでも有名なロボット操縦者だ。


 キラービーは、足についた車輪を使った高速移動でラトタスに接近し、ドリルでラトタスの装甲を傷つけては、距離を取る。

 円形の舞台の上を高速で動き回るキラービーの動きに、ラトタスが対応できていない。


 ガキィィンッ


 ラトタスが激しいドリル攻撃によって右腕を破壊された。


 あたしは、思わず悲鳴のように叫ぶ。


「ラトタス!」


 観客たちはその展開に息をのむ。


 しかし、ラトタスがレゴレを使って右腕を自己修復した。


 おぉ、と観客から驚きの声が上がる。

 ラディリスも驚く。


「じ、自己修復だと?そんなロボット聞いたことがないぞ。しかも、遠隔操作じゃなくて、自律思考しているのか?

 信じられない。。。

 まぁ、いい。キラービーのスピードについてこれないなら怖くない。

 行け!キラービー!」


 ラトタスが再び戦闘に備える。


 ラトタスがその場で二体のアイアンゴーレムを呼び出した。


 観客が興奮して、立ち上がり出す。


「魔法が使えるロボットなんて!聞いたことがないぞ!」


「ラトタス!いいぞ!やっちまえ!」


 ゴーレムたちは、巨大な鉄の身体をを持ち、ドシンドシンと縦横無尽に駆け巡る。


「3体とも動いてる!しかも、やはり自律思考だと!?」


 ラディリスの顔が引きつり始めた。


「商業ギルドめ、どうやってこんなロボットを開発したんだ?

 10年、いや100年先を行く技術だ。。。

 いや、だからどうした!

 ドリルで破壊するだけだ!

 いけ!キラービー!」


 ラトタスがドリルで傷つくところをもう見たくない!

 ピッケルに教えてもらった作戦を開始する時だ!


「ラトタス!やり返して!

 ジェットトリプルアタック!」


 ラトタスがゴーレムたちと連携してキラービーを追い込み始めた。キラービーの左右にアイアンゴーレムを置いて、機動力を殺した。


 ラディリスが叫ぶ。


 「だからどうした?正面からドリルで攻撃してやる!」


 アイアンゴーレムが左右の逃げ道を塞ぐように座り込んで停止した。


 それからラトタスが更に2体の土のゴーレムを作り出した。


 ラディリスが焦りながら、なんとか冷静に分析しようとしている。


「いくつでも作れるのか?

 しかし、同時に動けるのは、3体までのようだな。。。」


 キラービーに向かって二体縦一列に並べた。


 観客がざわめく。


「一列に並んで、何を始めるつもりだ?」


 ラトタスと土のゴーレムが背中からゾゾファイガスを噴出して3体ともジェット加速の準備を始めた。


 土のゴーレムを戦闘にして、キラービーに3体1列の連携突撃だ。


 観客が絶叫する。


「飛んだ!」


 最近の土のゴーレムがジェット加速でキラービーに接近し、パンチで一撃を加える。


 ゴキィン


 土のゴーレムに対して、よろめきながら反撃するキラービーの右手のドリル。


 ゴリゴリゴリッ


 土のゴーレムがドリルを受けとめて、左に避けた。キラービーのドリルが土のゴーレムの身体を削りながらめり込んでいく。


 ゴキゴキィンッ


 すぐさま後ろの土のゴーレムがキラービーの頭部をパンチで破壊。

 そして、攻撃を終えた後、右に避けてキラービーの左手ドリルを身体で受け止める。


 最後にジェット加速して頭上に飛んだラトタスがキラービーの胴体を剣で真っ二つに切断した。


 ザンッ


 加速しながらキラービーを貫通して、鉄の舞台に火花を散らしながら着地する。


 バチバチッ


 キラービーが火花を散らして機能停止。


 ドドーンッ


 そして、爆発炎上。


 その様子を見て、周囲の人々は驚嘆の声を上げる。


 「おぉ!!!!」


 ラトタスが剣を持った右手を誇らしく高く上げ、勝利をアピールした。


 ゴォン

 ゴォン

 ゴォォン


 試合終了のドラが鳴って、ラトタスが勝利した。


 その瞬間、会場中の歓声が爆発し、紙吹雪が舞い散った。

 観客席があたしとラトタスの勝利の熱気に包まれた。

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