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~姫の救出~

 丸はルナールのことを『ルー』と呼んでいる。それだけ長い付き合いということだ。ククールスとは、尻尾が長い特徴的な姿した鳥で、丸のもとによく遊びに来ている。どうやら、今回の遠征についてきてしまったようだ。


 丸は動物と会話をすることが出来る能力を持っている為、馬やドラゴン、自然の中にいる動物たちとよくお話をしては遊んでいる姿を目にする機会が多い。そんな彼女が機転を利かしてルナールに現状を伝え、助けを求めたことは現状を打破するうえでとても大きい。


「丸、ルー君に現状をよく知らせてくれたね! 増援が来るまで何とかしてこの敵襲を突破しないと……。とにかく、他の仲間を助けに向かおう」


 丸はさくちゃんから渡されていた緑色の液体が入った瓶を一気に飲み干した。するとたちどころに受けていた傷が回復し、力が身体中にみなぎってくるのを感じて目を丸くする。


「すごい! さくちゃんが作ってくれた回復薬、普通のやつより効果が高い気がする」

「確かに、彼女の魔力には精霊の力が混ざっていると聞いたことがあるからその影響かもね。まあ傷が治ったからと言って無理だけはしないように!」


 柚月と丸の二人は傷が完治したことを確認し、音の聞こえる方へ急いだのだった。






 暗闇の中、眩い閃光と銃声を轟かせながらフィンは銀の装飾が施された筒の長い狩猟銃に似た形の魔法銃を肩に押し当てながら敵めがけて必死に放っていたのだが、敵の動きが速すぎて一瞬の差でよけられてしまっている。

 

 フィンの出自ははっきりとしていないが、どうやら魔族と人族との混血のようだ。それが証拠にこの世界の人族ではほとんど見かけない褐色の肌をしていて、ブロンズ色の髪を短く切りそろえている。瞳は魔族の血が流れていることの証である紋がうっすらと浮き出て見えるため、その紋をごまかすために、普段は色付きのサングラスをかけている。


 遠距離攻撃を得意とする銃では、相手が振るっている刀とは相性があまり良くなく、近接戦闘になれば“死”は確実に免れないだろう。それが分かっているからこそ、そんな彼の少し後ろで必死な形相をしながら錬金で創り出しておいた小さな火炎石を片手に、敵をフィンに近づけまいといつでも投げられるように牽制しているさくちゃんの姿があった。


 この世界に火薬はない。だがその代わりに火炎石という石を媒介に、魔力と反応する爆弾のようなものが存在する。それを創り出せるのはこの世界において錬金術師だけなのだ。


「くそ、あたらねえ。こいつら早すぎ! さくちゃんのおかげで何とか近接戦闘にはならなくて済んでいるが、それもいつもまでもつか」


 フィンは後ろで少し怯えた表情を見せながらもしっかりと敵を見据えているさくちゃんをちらりと確認し、命に代えてでもこの子だけは逃がしてあげなければと心に誓う。だが、それを見透かしたのかさくちゃんは自身の意をあらわにする。


「大丈夫です! 私もリッターオルデンのメンバーとして、こういう時の覚悟もしてきたつもりです」


 そう言いながらさくいちゃんはダメもとで、右手に持った火炎石を敵に向かって思い切り投げつけた。投げつけた……はずだったのだが、日頃、錬金窯とばかり対峙していることがあだとなったのか、投げ損ねた火炎石は思いのほか飛ばず()()()()()()()()()()()()た《・》。


 銃を構えて牽制していたフィンだったが、思いもよらない見方からの奇襲攻撃に必死の形相でさくちゃんの方に身を投げダイブすると同時に、火炎石が盛大な爆音を上げて爆発し、土砂をまき散らした。


「あわわわ! フィンさんごめんなさい」

「いてて。俺、生きてる?」


 慌てふためくさくちゃんが見えるということはどうやら爆発は回避できたようだ。だが、自身が生きていると確認できたのもほんの束の間で、敵の凄まじい殺気が背中に襲い来るのを本能で察したフィンは、脱兎(だっと)のごとく起き上がり、目の前のさくちゃんをかばうような形で突き飛ばした。


 フィンのその判断は正しかったようで、二人まとめて切り捨てるかのように振るわれた刀が、フィンの背中をとらえるに止まる。切り裂かれた感覚はあったものの思ったよりも痛みはない。脳から分泌されるアドレナリンが痛みを緩和してくれているのだろう。


 痛みはそれほどなかったが、切りつけられた部分が焼けるように熱く、どくどくと自身の血が流れ出ていくのを感じながら、フィンはさくちゃんの安否を確認する。突き飛ばしてしまったため尻もちをついたようだったが、これといった怪我はないようだ。


 しかし、斬りつけられたということはすぐそこに敵がいるということなのだが、力を入れようにもそれ以上動くことが出来ずにフィンは薄れいく意識の中、必死に声にならない声でさくちゃんに逃げろ逃げろと必死に訴えかけたのだった。

~おもちろトーク~

けいてぃ「フィンが斬られた!」

ユンボ 「ふぁっ!? 斬られただと? 鬼斬!」

かっち 「フィンに懸賞金かかってないかな~」

ルナール「いや、みんな心配してやれよ」



いつもお読みいただきありがとうございます。

さてさて、今回のお話いかがだったでしょうか? 少しずつ物語が進展していってはいますが、この先の展開どうなっていくのでしょうか? わくわくが止まらないですね!

私事になりますが、Ⅴライバー配信アプリ・リアリティにて、本日からスタートの喫茶店壁紙獲得できるように頑張っていきたいと思っております! 夜九時ごろ「喫茶ルナール(雑談など)」開店予定となっておりますので、出来る範囲で構いませんので応援していただければと思います(o*。_。)oペコッ


いつも、いいねや評価、ブックマークやご感想などありがとうございます。

執筆していく上での励みとなっており、心強い限りです。また、小説以外での質問なども受け付けておりますので、気軽に感想覧へご記入いただければ、お応えできる範囲でお応えいたします。


今後とも「リアプロ」をよろしくお願いいたします。

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