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~姫の救出~

 薄暗く湿った土の感触を足で感じながら、こはくとたまちゃんはカンテラに照らし出された木々の間を進みながら、何か変わった事やかっちへの手がかりになるものがないか探していた。振り返っても先ほど入ってきた入り口は闇に飲み込まれてもう見えない。


 人間不思議なもので、暗闇にいると自覚するだけでどこからか恐怖が湧き上がってくる。怖いものが苦手なこはくは特にそうで、いままさに茂みから飛び立った鳥にさえ「うぎゃーっ」と瞳に涙を浮かべながら、声にならない悲鳴を上げていた。


 一方、たまちゃんはと言うと、幼いころから幽霊やそういったものが見える体質であるため、見えてもそこまで怖いとは思わないらしく、こはくの反応を見てはわ


「飴ちゃんは相変わらずやね。実はさっきからついてきているゆ」


 たまちゃんが「幽霊」と言いかけたのを察したこはくが、めちゃくちゃ慌てた様子で両手をバタバタさせてたまちゃんの口を塞ぎに行く。琥珀色の綺麗な瞳には涙が滲んでいる為、本気で怖がっていることが伺える。


「たまちゃん、それ以上言わないで!」


 こはくは今なお涙を浮かべた瞳で呪文でも呟くように「幽霊なんていない、幽霊なんていない」とただひたすらに呟いている。たまちゃんは内心で笑いながらも、顔には出さないようにして片手で何かを払うような仕草をしながらこはくをなだめる。


「ごめん、ごめん、飴ちゃんを怖がらせよう思うて言った軽い冗談や。それより、ここはいつ敵が出てきてもおかしくない場所やから、気引き締めていこう」


 話を振ってっ来たのはそっちだろと言わんばかりに、こはくは涙がにじんだ目で必死に抗議したがたまちゃんは意に介さぬといった雰囲気だ。彼はいつもこんな感じで掴みどころがない。


 正直まだ怖いという思いが強かったが、騎士である自分が前を進まないわけにはいかない。こはくは意を決し森の奥へ奥へと進んでいったのだった。


 


 


 エクウスに跨った柚月は、すぐに異変に気が付いた。自分たちがキャンプしていた廃墟と化した遺跡のある方角がやけに明るいのだ。それに所々から煙が上がっているのが分かる。いったい何があった!? 遺跡まではまだもう少し距離がある。柚月は、焦燥を胸にひたすらに急ぐ。


 しばらくエクウスを走らせ、キャンプ地がもう目の前に迫ってきたときに、仲間たちの怒声や金属同士のぶつかり合う高い音が耳に入るようになった。柚月がただ事ではないと確信したところへ狐耳を生やしたまだあどけなさの残る少女『丸』が、魔法使いのローブを閃かせざまに両手杖を敵に向け呪文を詠唱し風魔法を発動させる。


 それは小さな円錐状の竜巻で、丸の周りを取り囲むようにいくつも生成される。まるが両手用の杖を振ると同時に、それは敵に向かって飛んでいく。だが、敵の動きが速すぎて避けられてしまい、地面を大きく穿って土煙をあげた。


 敵は先ほどこはく達を襲った敵と全く同じだ。あいつらの動きは速すぎて、魔法使い一人では歯が立たないことは明白だ。案の定、丸の側面に一気に詰め寄ったそいつは、自分の身長ほどもある真っ黒い刀を振り上げ、今まさに襲い掛かろうとしていた。


 丸もとっさに気が付いているようだったが、詠唱はとてもではないが間に合わない。柚月はエクウスに跨ったまま矢をつがえ、敵の頭部めがけて勢いよく放つ! 敵の刀が、今まさに丸の首をとらえようかという瞬間に、柚月が放った矢が敵の後頭部から額へと貫通。動きを止めた敵は黒い煙となって消えていく。



 馬から飛び降りながら丸に駆け寄った柚月が様子を確認しながら声を掛ける。見た所服が所々切り裂かれているようではあったが、これといった大けがはしていないようだ。


「丸、大丈夫かい? 一体何が起こった?」


 助かったという実感と安堵がこみあげてきたのか丸はその場にぺたんと座り込み柚月の顔を見上げる。その瞳にじわりと涙が浮かぶのを、ローブの裾で拭いながら柚月の質問に必死に答えた。


「何があったのか正直分かってない。ただ、気が付いた時には皆襲われてた」


 そこで はっ! っとした顔をした丸は慌てた様子でほかの仲間も交戦中だということを伝える。それはそうだろう。なんせ皆の姿こそここからは見えないが、戦う音が絶え間なく今なお聞こえてきている。


「丸、立てるかい? 他の者達を助けに行かないと」


 丸は「うん!」と言いながら元気よく立ち上がる。子供っぽい仕草にどこかほほえましいものを感じながら、この状況をどうしたものかと一考する。すると丸が、少し不安げな表情で口を開いた。


「あ、あのね、襲われたとわかった時点で、友達のククールスに頼んでルーに救援要請をしたんだけど……勝手なことしてごめんなさい」

~おもちろトーク~

はちゃ 「こはくが幽霊苦手? そうなん?」

あくあ 「実は僕もにゃ」

ユンボ 「わしも!!!!!」

全員  (いや、あんたは普段話す側なんよ!)



いつもいいねや評価、ブックマークやご感想などありがとうございます。


今回いかがだったでしょうか? 疾走したかっちの捜索は難航し、助力を願った仲間も敵の急襲を受けるなか捕らわれの姫救出作戦は無事成功させることは出来るのか!? 続きが気になるところですね! 

仲間の登場ペースが速いため、どこかのタイミングで登場人物紹介を書けたらいいなと思ってはいるのですが……


私事になりますが、私、USBを買いに行ったんですよ。そこで、な、な、なんと! 大好きな「スパイファミリー」のデザインをしたUSBが某有名メーカーから出ており、迷わずそれに決めたまではよかったのですが、入れたデータをUSBごととある方に渡すということを失念しており、渡すのが少し恥ずかしい今日この頃です(笑)(ノ∀`)アチャー


いつもお読みいただきありがとうございます! また、いいねやご感想、評価など執筆していく上で大変励みとなっており、心強い限りです。また、小説以外での質問なども受け付けておりますので、気軽に感想覧へご記入いただければ、お応えできる範囲でお応えいたします。


今後とも「リアプロ」をよろしくお願いいたします。

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