第7話 グルラモア
お久しぶりです。
少しづつ書けたらなと思っています。
なんでも意見等あればお願いします。
「あー疲れたー」
そう言ってヒカルは家に着いた瞬間に呟いた。
「越級か....とんでもねえなあ」
越級は他の冒険者とは一線を画した存在。
言わば人外と言うべきだろう。
「そんなすごい人がいるとは、自分が世間知らず過ぎて呆れるな」
独り言をボソボソ呟きながら料理の支度をする。
独りでいるのは寂しい。そうヒカルは心の奥底で思うが普段は出さないようにしている。
(胸を張って、明るく生きなきゃな)
自身の父親がそうであったように、できるだけそうあろうとしている。
そうこうしている内に夕飯が完成した。
「鳥の軟骨焼きに、白ご飯、あとはサラダだ!我ながら出来は良いな」
そう自我自賛して料理を食べ、風呂も終わらせ、就寝するヒカル。
今日はいつものように普通の夜であった。
〜対抗戦の返事まであと5日〜
「眠い...」
起きて寝癖がカブトムシのようになったヒカルが、歯磨きをしながらつぶやく。
いつものように支度を終え、学園へ向かう。
いつものように授業を終え、ルアと共にクエストに赴く。
その時だった。
「依頼者 グルラモア....」
「またなんかしたのかあの爺さん」
クエスト内容をしっかり見てみるとまた猫の捜索だった。
「はぁぁ.......」
ヒカルは深いため息をつくとルアが横で顔を伺う。
「ヒ、ヒカル..まあ人は間違う生き物だし」
そうフォローを入れるが
「ありえねえ!あのクソジジイ!!」
ヒカルは動物好きのため、こういった不注意にはとても厳しい様である。
「おい!やるぞ!」
そう言って足早に受注カウンターに持って行き、クエストを受ける。
「もーこうなったらこいつは一直線だからなあ」
「なんか言った?」
ルアがそう言うとヒカルが半ギレでそう返す。
「あ、はいすいません」
〜1時間後〜
「自分のペットは大事にしろ!」
「すいません...」
とてつもない分厚い体を持つ老人がまだ幼い少年に怒られる図が、そこにはあった。
ルアはヒカルの雷が落ちるのが分かっていたので、猫を捕まえた後に逃げ帰った。
「はー頼みますよホントに」
「すまんなあ、少し立てこもる用事があって」
「立て込むな」
そう無意識に訂正するヒカル。
「それはそうとヒカル君、少しお礼をしたいのだが、お礼をする為に家に来てきれないかね?」
「さっき報酬は貰いましたが」
そこでヒカルは考える。
(越級ともなると良いものが貰えるかもしれない、それと少し聞いてみたいこともあるしな)
「良いですよ」
「おお!なら良かった、じゃあ向かおうか」
そう言って冒険者ギルドを出て、しばらく歩くと
「あそこが私の家だ」
グルラモアが指を指した先には城下町の地下水道の入口があるだけで何もない。
「え?何も無いですけど」
そうヒカルが聞くと
「ああ言い直した方が良いかな、あそこが家に繋がるゲートがある場所だ」
「え?」
そう言ってグルラモアが魔導書を取り出し呟く。
「空間魔法、発動」
瞬く間に目の前に空間の歪みが生じ、人一人が通れるような扉になった。
「さあ、行こうか」
言われるがままヒカルは彼に着いていく。
ゲートを通った先にあったのは。
「屋敷だ....」
立派な屋敷が目の前には存在した。
「まるでどこでもドアだな..」
そう言葉を発するが、グルラモアには全く通じていないようだ。
「なんだねそれは」
「ああ、僕迷い人でして」
ヒカルは自身が迷い人である事を話し、どこでもドアについて一応説明した。
「そんな便利な物ではないよ」
軽く笑いながらグルラモアはそう答える。
そしてその後にまた言葉を発する。
「実は、私も迷い人でね」
第7話[完]




