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序
流血注意のドロドロ愛憎ものです。
残酷な描写が苦手な方・心臓の弱い方は注意してください
「春になったら、桜を観に行こう」
月のない晩に、降りそそぐ雪が僕の血で鮮血に滲む。
意識が途切れ倒れ行く僕の側には彼女がいる。
「澪・・・っ・・・・」
だが、彼女は何語らない。彼女の持つ刀が妖しく輝く
僕自身が発している声は僕の耳へ届かない、それでも僕は彼女に語り続ける。
僕の意識が途切れようと、伝えてなくては僕の思いをたとえ僕らが過ごした日々がどんなに罪深きことだとしても、鳥居下の石段で彼が叫んでいる。
僕の耳は届かない。
ただ、空から雪が降り注ぎ僕の血で染まっていく。
僕の体に積もる雪がまた、ひとつ、ひとつ染まっていく。
意識が遠くなっていき、倒れる。
僕の視界には、
ただ・・・
染まっていく雪しかはいらない。
僕の頬が濡れて、これは涙?
それとも雪?
僕には・・・わからない。
僕は、何も知らなかった