6話
昼休みになり今日は流星と飯を食う予定だったが、流星がメールでこんな事を送ってきた。
『今日、俺と食うのはやめとけ。優しい俺からの助言だ。』
流星の言っている事がわからず、俺もメールを送った。
『はっ?どう言う事だ?』
『俺の所に来ると遊ばれるぞ』
………遊ばれると言うワードで全てを把握した。というかしてしまった。あれだ。谷先輩もいるんだ。
『……わかった。今日は別々で食べよう。』
そう送った後、スマホをポケットに入れた後、体を横に向け、隣にいる瑠夏に話しかける。
「今日もあそこで食べるぞ。」
「えっ?今日は流星君と食べるんじゃないの?」
「理由があって食えなくなった。どうする。行くか?行かないか?」
「……わかった。行く。」
それを聞いた後、俺は席を立ち、昨日と同じ場所に向かった。
「––––相変わらず埃っぽいな。食べるん前にちょっと掃除するか。」
「そうだね。」
俺と瑠夏は近くにあったロッカーからほうきとちりとりを取り出し、埃を掃き出す。
しばらくして、なんとか少しだけ居心地が良くなった気がするほどまでに綺麗になった。
「掃除するのに時間が掛かったな……。ちゃんとここも掃除しろよな。」
「それもそうだけど、早く食べよ?」
「ああ。俺も腹が減ってやべぇよ。」
バッグから弁当を取り出し、蓋を開ける。
「いただきます。」
「いただきます。」
箸を持ち、箱に入った料理を口に入れていく。
「んん〜。動いた後に食う飯はうまいな。」
「動いたって言っても少しだけどね。」
「まぁ、いいじゃん。美味い料理が更に美味しく感じるのは最高だからよ。」
「えへへ。そんな事を言われると照れるよ〜。」
「あっ……。」
瑠夏の反応で気づいた。何恥ずかしい事を言っているんだ。俺は。
……いや、待てよ?ラブコメの主人公ってのは女の子が喜ぶ言葉をさらっと言える凄い奴らだ。まぁ一部例外もあるが、俺はラブコメの主人公に近づいてきているのではないか?
俺がそんな事を考えてると瑠夏が俺の顔を覗き見る。近い。近いって。
「何考えてたの?」
「えっ?」
「光真君。変な顔してたから、何か考えてるのかなーって。」
「……俺、そんな変な顔してた?」
「うん。」
「まじか……。」
「まじ。」
「そこは返えさんでいい。」
俺、もしかしたらさっきみたいに主人公の考え事してたら変な顔になるのかもしれん。今度からは気をつけないとな。
その時、昼休み終了のチャイムが鳴る。
「やべっ、早く食べねぇと。」
「うん。そうだね。」
非常に勿体ない気もするが、俺は料理を一気に流し込み、弁当をバッグに入れた後、急いで教室に戻った。
***
「はぁ……。」
放課後になり、俺は流星と帰っていたのだが、流星が突然大きなため息を吐いた。
「どうした?」
「昼休み、お前を誘わなかったから姉貴に腹パンされてよ……。」
「………なんか、すまん。」
「こんなんだったら庇わなかったらよかったわ。」
「おまっ……。それは人としてどうなの?」
「いいだろ?山本光真という人間が犠牲になるだけだし。」
「てめ……っ、俺をなんだと思ってるんだよ。」
「あっ?馬鹿だろ?」
「それはお前だろうが。」
「あぁ?」
流星がガン飛ばしてくる。人の事を言えないがこれだから短気は……。
「まぁ、今日は助けてもらったし許してやるよ。」
「何で俺が許してもらう必要があるんだよ?」
「それぐらい自分で考えろ。」
流星は頭を傾ける。こいつ、本当に考えてるのか。
「––––わからん。」
「ならそれまでだな。」
悩んでいる流星を無視して歩いていると、流星の家に着いていた。
「おい。教えてくれよ。」
「いやだね。少しは自分で考えろ。」
俺はそう言い残した後、一人で家に向かって歩く。
数分歩いた後、家の前に着き、ポケットから鍵を取り出す。
……本当は一個隣にあるのが俺の家なんだけどな。
「はぁ」とため息を軽く吐いた後、玄関のドアを開ける。
「……まだあいつは帰って来てないのか。」
昨日とは違い、家の中は静寂で電気も全て消えていた。
「まっ、そんな時もあるか。」
俺は自分の部屋に向かい、一人でメイクラをする事にした。




