第2戦:さくら、ペアします!(24)
長らくお待たせしてしまい、申し訳ありません。
更新再開です。
さくらは弱点を克服できたのか?
その成果は?
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(2)
ログアウトし、部屋に戻った さくら はエルドメットを外し、車イスをリクライニングモードから通常モードに戻した。
「やっぱり、難しいんだよ。。」
呟きが漏れる。
さくら自身、ペア試合初戦でその事に気付いていた。
京姫と噛み合っていない事に。
それから4戦。
合わせようとすればする程、動きがぎこちなくなっていく。
それが隙になり、相手に狙われる。
相手に集中しようとすると、京姫の状態を把握出来なくなり、相手の連携に翻弄される。
結果、自分が先に倒されてしまい、京姫が1対2の状態になってしまう。
その繰り返しだった。
「ずっと1人で頑張ってきたのが、こんな事になるなんて。。」
長年、体操競技を続けてきて体に染み付いてしまった事を簡単には変えられない事は分かっていた。
短期間で変えるには、今の状態を活かしたままでの変革が必要だった。
”頼れる相手は1人しか居ない”
そんな事を考えていると、
「ただいま~!」
帰宅した妹の声が聞こえてきた。
その声に気持ちが揺らぐ。
新体操部で団体メンバーの中心選手の妹はまさに、うってつけの相手だ。
けれど、現実では普通に体を動かすことが出来ない状態でどうやって教えてもらえばいいのか?
その事で、ずっと悩んでいた。
だが、もう悩んでいる時間はない。
京姫と ひまわり に見捨てられない為に、
「とにかく、お願いしてみるしかないんだよ。」
声に出して呟き、覚悟を決めた。
その時、
「さくらー、ご飯よー!」
母の呼ぶ声が聞こえた。
「はーい!」
返事をし、
「よし。」
気合いを入れると、居間へと向かって行った。
(3)
そして1週間が過ぎ、運命の土曜日。
”UFT”内のさくら の部屋で、
「それで、どうなのですわ?」
京姫が切り出した。
「大丈夫なんだよ。」
さくら が自信に満ちた表情で力強く返した。
その言葉に、表情に、迷いは感じられなかった。
「分かったなのですわ。
なら、成果を見せてもらうなのですわ。」
そう言うと、パパッと無作為試合に登録した。
待つ間もなく、
┏━━━━━━━━━━━━━━┓
┃対戦チーム:ビーストマンズ ┃
┃対戦を承認しますか? ┃
┃ [はい][いいえ]┃
┗━━━━━━━━━━━━━━┛
対戦チームが表示された。
「”ビーストマンズ”、聞いた事ないなのですわ。
る~ねぇ、知ってるなのですわ?」
対戦チームに心当たりがない京姫が ひまわり に尋ねると、
「たしか~最近キャラの設定変更したチ~ムやで~。
2周年記念の~獣人キャラに当選して~チ~ム名が変わったんよ~。」
思い出しながら答え、
「けど~設定変更してからの~対戦は見れてへんのよ~。」
と続けた。
「なるほどなのですわ。」
京姫は少し考えてから[はい]に触れた。
「設定変更が最近なら、まだ慣れてないなのですわ。」
「せやな~、調整中って感じなんやろな~。」
「こちらの”試し”に良さそうな相手なのですわ。」
2人が意見を交わしている横で、
『獣人さんかぁ。
どんな姿なんだろう。
きっと、もふもふしてるんだよ。』
さくら が相手の姿を夢想していた。
「もっちゃん、聞いてる~?」
突然、ひまわり に声を掛けられ、
「き、聞いてるよ。
獣人ってもふも、ふ、、。」
思っていた事をぽろっと溢してしまい、2人にじと目を向けられた。
「にゃ~!?」
変な声を出して真っ赤になっている さくら の、
「もっちゃん、余裕あるな~。」
「その感じなら、期待できるなのですわ。」
緊張感のなさに逆に安心したようだ。
それから3人は開始までの時間を試合の打ち合わせに費やした。
そして、闘技場へと転移した。
(4)
「お出ましなんだよ。」
先に闘技場に来ていたビーストマンズのセコンド・ペトーナが可愛い声を発した。
「あれが前回の”Eランクトーナメント”のツートップってか。」
「けど、ペア戦はダメダメなんだろ?、ペトーナ。」
兄で獅子獣人のライーオと、弟で虎獣人のタイーガが、2人の姉でセコンドのペトーナに話し掛けた。
「そうなんだよ。
これまでのペア戦を全て観たけど、はちゃめちゃで面白なんだよ。」
「んじゃ、楽勝だな。」
「いい練習台になりそうだ。」
ハーッハッハッハー!
3人が高笑いしていると、さくら達が闘技場に上がってきた。
相手が3人居たので、今回は ひまわり も一緒に上がっていた。
「そっちも~セコンドが居るんやね~。
よろしゅ~お願いするわ~。」
ひまわり の声掛けに、
「オッケーなんだよ。
けちょんけちょんに負かすなんだよ。」
ペトーナなが眼鏡を人差し指でくいっと動かしながら、挑発的な言葉で返した。
「あんた、かなりムカつくなのですわ。」
京姫の苛立った声に、
「お子ちゃまがマジムカってるなんだよ。
チョウウケなんだよ。」
小バカにした言葉で返してきた。
ぐぬぬ、となってる京姫に、さくら が後ろからふわっと抱きつきながら、
「もふもふしてやるから、覚悟するんだよ!」
ペトーナに鋭い視線を向けて挑発し返した。
自信に満ちた さくら の目に何かを感じたペトーナはすっと眼鏡を外すと、
「面白れぇじゃねぇか。
てめぇら、びびって逃げ出すんじゃねぇぞ!」
顔付きが豹変し、荒い言葉を発した。
そして、
「弟達、負けたらどうなるか、わかってんな?」
獣人を睨み付けた。
2人はビシッと背筋を伸ばし、
「「はい、姉さん!」」
大声で返事した。
その様子にドン引きしながらも、
「ほな、よろしゅうな~。」
ひまわり がゆる~い声掛けで和ませた。
空気を変えらたペトーナの、
「ちっ!」
舌打ちを合図に配置に付くビーストマンズ。
さくら達も配置に付いた。
「チーム”デュアルスイーツ”対チーム”ビーストマンズ”戦を開始します。」
電子音声が対戦の開始を告げ、
5、4、3、2、1、ファイッ!
カウントダウンの終了と同時に、ビーストマンズが先手を取った。
「どやった~?」
「わたしの特訓の成果、期待してほしいんだよ。」
「それは~次回のバトルで見れんの~?」
「今回のバトルは、2~3更新分くらいあるらしいから、じっくり見てもらえるんだよ、たぶん。。」
「そっか~それは楽しみやな~。」
「そんな次回は」
「今日4/30の~22時に更新予定やで~。」
「大丈夫、なのかな?」
「どやろな~。」
「と、とにかくお楽しみに。」




