第2戦:さくら、ペアします!(22)
第2戦の22を公開します。
いつもながら大幅に遅れてしまい、申し訳ありません。
更新タイミング見直さんとあかんかも。
さて、今回は第二章締め回です。
愛好が語る最後のピースとは?
楽しんで頂けてたら嬉しいです。
「この事は、私にも責任があるの。。」
愛好は暗い表情で語り始めた。
”UFT”は世界初のフルダイブ技術を利用したゲーム。
開始当初は機器の製造台数も少なく、高価な事もあってセキュリティを緩くしていた。
多くの人に体験してもらいたい、そんな思いから1つのユーザーIDを複数人で使えるようにしていた。
その結果、武導瀬莉維をこんな状態にしてしまったのだ。
「けれど、1番の失態は、直ぐにこの事に、気付けなかった事、なの。」
愛好が言葉を詰まらせる。
心許し、信頼していたキャトネラに裏切られ、一方的に叩きのめされた京姫は”メンタルブレイク”を起こし掛けてしまった。
いろいろな事が一気に襲いかかり、”UFT”は2週間システム停止する事になった。
「それって~1周年記念のイベント準備の時やんね~?
あの時、そんな事が~あったんや~。」
「もともと何日かは準備で停止する予定だったわ。
でも、その直前に瀬莉維ちゃんの事で志宇栖から連絡があったのよ。」
それは武導志宇栖の脅迫だった。
瀬莉維が意識不明状態になったのは、壱御野システムズのフルダイブシステムに欠陥があるからだ、と。
それを公表されたくなければ、フルダイブシステムの仕組みを教えろと言ってきたのだ。
「私は、瀬莉維ちゃんを預かる事を条件にして、仕組みを教えたわ。
でも、そのお陰で光が見えた。」
今まで暗い顔していた愛好の表情が明るくなった。
「なにがあったんですか?」
さくら の問い掛けに、
「瀬莉維ちゃんを目覚めさせる方法が分かったの。」
愛好が力強く答えた。
「え、そうなんですか?
でも、瀬莉維さんはまだ。。」
さくら が最後まで言う前に、
「そうなのよ。
この前やっと完成したのよ、瀬莉維ちゃんを起こす為の装置とプログラムが。」
愛好が話を進めた。
「瀬莉維ちゃんを預かって調べたら、ログインしている状態のままだと分かったの。
ちょうど1周年メンテの時期だったから、直ぐに利用者がログイン出来ないようにして調べた。
そして見つけたの、”UFT”の中に取り残された瀬莉維ちゃんの意識データを。」
それを聞いて、ひまわり が、
「それで~なんでキャトネラを~自由にさせてんの~?」
疑問を口にして。
「それはキャトネラが今使っている機器が必要だからよ。」
「なるほどな~混線してもうたんか~。」
「だからあいつ、姫野登音良を”UFT”に縛り付けているの。」
「なるほどな~。
せや、ひとつ気になってたんやけど~武導コーポは~フルダイブの新しい機器を~売り出さへんの~?」
ひまわり が疑問に思っていた事を尋ねた。
「それは渡した資料だけで出来るほど、フルダイブシステムが簡単じゃないからよ。
だから志宇栖はキャトネラに、”UFT”のメインコンピュータに接続する為の穴を開けさせようとしているの。」
「クラッキングして~情報を盗む気なんやね~。」
「その通りよ。
そして、その為に必要なアイテムを京姫ちゃんが持ってるの。」
全ては瀬莉維を救う為に計画されていた事だった。
だが、京姫には、もうひとつキャトネラを引き留める理由が、思いがあった。
「私と瀬莉維にした事をキャトネラに謝らせたいなのですわ。
ち~ねぇ、る~ねぇ、こんな事に巻き込んでごめんなさい、なのですわ。
私は、キャトネラが、許せ、、。」
京姫が頭を下げ、2人に心から詫びた。
大粒の涙がテーブルにこぼれ落ちている。
そんな京姫の気持ちが痛いほど伝わっていた。
「京姫、謝ることないんだよ。」
「せやで~、うちらかてあんなん見たら~黙ってられへんわ~。」
「みんなで力を併せて瀬莉維さん助けよ。」
「うちら~仲間なんやで~。」
2人の言葉に、
「あいがと、なにょ、でしゅわ。」
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、京姫がお礼を言った。
「せや〜、重要な事忘れてた〜。」
突然、ひまわり が声を上げた。
「ど、どうしたの る〜ちゃん。
何を忘れてたんだよ?」
「もっちゃん と京姫のチーム名や〜。
登録せんと〜ペア戦にエントリー出来ないで〜。」
「そ、そうなんだ。京姫考えてる?」
「まだ、なの、ですわ。」
少し落ち着いてきた京姫の返答に、
「だめやな〜2人とも〜。
ま、そうやろ思て〜うちが考えといたで〜。」
ひまわり が自慢気に返した。
「なになに、どんな名前なんだよ?」
「教えるなのですわ。」
詰め寄られ、ふふんって感じで、
「"デュアルスイーツ"や〜。」
言い放った。
「2種のお菓子、なのですわ。」
「そうなんだ、なんだか"かっこ可愛い"感じなんだよ。」
「いいと思う、なのですわ。」
「気に入ってもらえて〜良かったわ〜。」
2人の同意を得て、ひまわり がにっこり微笑んだ。
「それじゃ、"デュアルスイーツ"で登録しておくわ。」
「任せたなのですわ。」
「よ〜し、瀬莉維さんを助けて、キャトネラをぶっ飛ばすチーム"デュアルスイーツ"、がんばるんだよ!」
「お〜!」
「お〜なのですわ。」
こうして3人の快進撃が、当然始まったりはしない。
さくら に致命的な欠点がある事を3人はまだ気付いていないのだから。
「どやった〜?」
「そっか、キャトネラってあの人だったんだね。」
「名前で〜バレバレやったけどな〜。」
「そして次回から新章だよ。」
「もっちゃんの〜欠点は〜。」
「そ、それは次回のお楽しみ、だよ。」
「次回は〜4/16の22時の予定やで〜。」
「お楽しみに。」




