第2戦:さくら、ペアします!(10)
第2戦の10を公開します。
1時間強遅れてしまい、申し訳ありません。
ちょっと書き直しに時間が掛かってしまいました。
初バトルを引きずる京姫が出会ったのは!?
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(10)
「はぁ、暇なのですわ。」
京姫は現実の自室で暇を持て余していた。
今日は学校の創立記念日で休みだった。
なので、1日"UFT"の街区をぶらぶらしようと思っていた。
なのに運悪く"UFT"はメンテナンスの為、今日1日ログインする事が出来なかった。
"UFT"が稼動してから2ヶ月。
今回が10回目のメンテナンスだった。
ゲームシステムは動かせば良い、とゆうものではない。
不具合の修正や、選手からの早急に対応が必要な要望の組み込み等。
常にプログラムがちゃんと動いているか?
選手が不満に感じている事は何か?
そうゆう事をチェックしつつ、新機能を追加しなくてはらない。
そうやってゲームを快適に楽しんで貰えるよう日々考えている。
そんな今回のメンテナンスは特別だった。
まず、ついに"観客"用の仕組みが導入される。
これで今までネット観戦していた人達が"UFT"内で直接観戦出来るようになる。
そしてもうふたつ。
調整に時間が掛かっていた"負荷運動"機能と"無作為試合"機能が導入される。
これまでは能力値が初期値のままだったが、”負荷運動”機能の導入で値を増加させる事が出来るようになる。
個性に合わせた方法を見つけ出せば、どんどんと強さを増すことが出来るのだ。
さらに”無作為試合”にはHPによる勝敗判定機能があるので、今までのエキシビションマッチのような体験試合にはなかった、本格的な試合が出来るようになる。
「ちょっとは、楽しくなるなのですわ?」
”UFT”の事をぼんやり考えていた京姫がぼそっと呟いた。
あの初試合以来、京姫は”UFT”での試合を楽しめていなかった。
姉の話では、すもう丸は京姫と試合した後から、ログインしなくなったようだ。
原因は不明だが、京姫に実質負かされた事が大きな要因なのは間違いないだろう。
その事から”試合は楽しい”と思えなくなり、ログインしている時間のほとんどを街区の散策に費やしていた。
たまに運動がてら”試合”する、といった感じになっていた。
「こうやって”UFT”の事とか考えていてもだめなのですわ。
ちょっと気分転換に行くなのですわ。」
家でうつうつしていても気が滅入るだけなので、近所の自然公園まで出掛けることにした。
外は快晴。
強い日差しが夏が近いんだぞ、と言っているようだ。
「もうすぐ夏なのですわ。」
車の窓から差し込む日差しを浴びながら、京姫が呟いた。
自然公園は壱御野財閥が管理しているので、セキュリティもしっかりしている。
※どれ程しっかりしているかは想像で補完して下さい。
そしてこの公園は、”UFT”内の森林公園のモデルになっている。
「1時間ほど散歩してくるなのですわ。」
「かしこまりました。」
駐車場に車を止めた運転手に告げて、京姫は1人で公園に入っていった。
生い茂る木々が日差しを和らげ、吹き抜ける風が心地いい。
そんな散歩するにはちょうど良い暖かさが、京姫の気持ちを少しだけ和ませていた。
「はぁ、気持ちが安らぐなのですわ。」
そんな穏やかな雰囲気を壊すように、
ドン!
ドン!
とゆう音が聞こえてきた。
「そういえば、この奥に相撲道場があったなのですわ。」
自然公園にはいろいろな施設も設置されていた。
陸上競技場や体育館、この道場もそのひとつだ。
音に引かれ近付いて行くと、少年がひとりで黙々と柱に体をぶつけていた。
何かに取り付かれたように強く、激しくぶつかっていく少年には見覚えがあった。
たしか1つ上(小学6年生)の先輩で、相撲部の熊野中次郎だ。
けれど、それだけではなかった。
「あの人まさか、なのですわ。」
京姫は直感で、彼が”すもう丸”だと気付いた。
さらに近付くと中次郎が何かを呟いているのが聞こえてきた。
「あいつには負けないんだぞ。
打倒、スフレなんだぞ。」
その言葉で京姫の気持ちが一気に楽になった。
すもう丸は”UFT”が嫌になってログインしていないわけではなかった。
負けた悔しさをバネに現実で鍛えていたのだ。
いつの日か、京姫と戦う為に。
「いつかまた戦えるのを楽しみにしているなのですわ。」
不適な笑みで呟いた京姫はその場をそっと離れ、散歩に戻った。
「そういえば熊野中次郎って、下級生にも勝てない相撲部最弱だったなのですわ。
ふふ、”UFT”なら強くなれるかも、なのですわ。」
楽しげに呟き、上機嫌で散歩を終えた京姫は翌日、気持ち新たに”UFT”にログインした。
そして、出会った。
彼女と。
「如何だったでしょうか?」
「れっちゃん、元気になって良かったわ~。」
「だね。すもう丸くん、戻ってくるといいね。」
「そんな~ちょい上げのれっちゃんが~。」
「ついに出会っちゃうんだよ。」
「どうなるんやろな~。」
「楽しみだよ。」
「そんな次回は~。」
「3/5の22時更新予定です。」
「お楽しみにやで~。」




