第2戦:さくら、ペアします!(9)
第2戦の9を公開します。
今回は謎の女、キャトネラの中の人の話。
いったいどんな人物なのか?
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(9)
「たっだいま~。」
元気な声を響かせ、少女が帰宅してきた。
お気に入りの黄色いくまさんスリッパに履き替え、ぱたぱた廊下を歩いていると、
「お帰り、せり!」
居間から大好きな兄の声が聞こえてきた。
その声を聞いた少女は大慌てで、満面の笑顔で居間に駆け込み、
「にいさま、ひっさしぶり~。
ずっと帰ってこないから寂しかったよ~。」
甘えた声で話し掛けながら、ソファー越しに兄に抱きついた。
「あれ以来、色々大変だったんだ。
ようやくひと段落付いたって感じかな。」
「そうなんだ~。
なら、これからは帰ってこれるの~?」
「休みは帰れるよ。
それで今日は、せり に頼みたい事があるんだ。」
「頼み?って、ぼくに?
にいさまの頼みだったら、なんでも聞いちゃうよ~。」
少女は兄に頼られた、とゆうのが嬉しくて考えもせず即答した。
これが”あんな事件”に巻き込まれるきっかけになるとは知らずに。
「それじゃ、2階に。」
立ち上がり、居間を出て行く兄に、
「おっけ~。」
軽いノリで付いて行った、のは今朝まで使っていなかった2階の空き部屋だった。
ノブを回し、扉を開く兄の後ろから、
「ここって使ってなかったよね~。
ここに何が、、!?」
部屋の中を覗いた少女は、そこに置かれている物を見て言葉を失った。
それは今、世間の注目度ナンバー1のフルダイブVR用の機器と、エルドメットだった。
少女はフルダイブVRにもの凄く興味を持っていた。
友人も何人か体験し、話を聞されて羨ましく思っていた。
けれど、これらの機器を作ったのは、兄の会社のライバル会社の社長で、大親友だった「真千夜黄烈」と、好意を寄せていた「壱御野愛好」。
「壱御野システムズ」に先を越され、兄の会社「武導コーポレーション」はかなり厳しい状況になっていた。
そんな状況なので「やりたい」なんて言えなかった。
「なんで、これが~、、!?」
驚き、機器を見つめる妹に、
「せり、これを使って中の世界を調査してきてほしいんだ。
武導コーポレーションで開発中の機器がこれを上回る為に。」
頼み事の詳細を告げた。
ようするに″UFT″内を偵察しろ、とゆう事だった。
「やる~。めっちゃやりた~い!」
妹は目を輝かせ、鼻息荒く意気込んだ返事を返した。
「そう言ってくれると思ってたよ。
せり の調査でわが社はトップに返り咲く事が出来るんだ。
しっかりやってくれよ。」
「まっかせて~。
それで、頑張ったら、欲しい物が、あるんだけど~、、。」
ちゃっかりお礼をせがむ妹に苦笑しつつ、
「いいよ、上手くやれたら何でも買ってやる。
じゃ、詳しく説明するぞ。」
お礼を確約し、内容を話始めた。
妹は 手近のイスに腰掛け、真剣に話を聞こうと兄の目をしっかり見つめた。
少女の名は武導瀬莉維、高校1年生。
武導コーポレーション社長、武導志宇栖の妹で、全日本空手道選手権大会の覇者。
この後、キャトネラとして、″UFT″内で京姫と出会う事になる。
「どないやった~?」
「急に場面が変わったから戸惑っちゃたんだよ。」
「それに~うちらの出番も~なくなってもた~。」
「で、予告担当になったんだね。」
「次回は3/3の22時更新予定なんだよ。」
「その時スフレは~!?」
「お楽しみにです。」




