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第1戦:さくら、挑みます!(52)

第1戦の52を公開します。

ちょい遅れ、申し訳ありません。

今回はスフレVS肆戦の締めの話。

そして試合を観ていたさくらは。

楽しんで頂けたら嬉しいです。

(24)


ジジ


京姫スフレ容赦ようしゃない攻撃を目にした さくら は胸の奥に一瞬、違和感を感じた。


『なんだろ、今の?』


さくら はほんの一瞬しか現れない違和感を、感じ取れるようになっていた。

その時、


〔MC〕『お、お、お、おーーー、解説を忘れていたぜー!

     よん選手のー、意識消失でー、ウィナー、スッフレー!』


スピーカーから京姫スフレの勝利を告げる しゃべ九郎くろうの声が響いた。

部屋で観戦していた さくら は画面に釘付けになっていたが、ひまわり は、


「あの分身は〜あかんわ〜。」


あきれ声でよんの攻撃を否定(けな)した。


「分身、ダメなの?

 すごい攻撃だと思うんだけど。」

「分身はええんよ〜。

 けど〜さっきのようなの(のん)はダメなんよ〜。」

「何がダメだったの?」

「もっちゃんは〜分身のやり方(しかた)知ってる(しっとう)〜?」

「わたしが知ってるのは、たしか"速く動いて残像を見せる"だったかな。」


※分身:忍者が使うとされる体術で、相手に残像を見せる事で複数人居るように見せかける技

 よんがやったのも原理は同じで、残像が残る程速く動き、3つの残像と実体で攻撃を仕掛ける。

 4体がほぼ同時に攻撃しているように感じさせる速さで動いているが、それ以上の速さで動ける者には通用しない。


「せやな〜そんな感じやな〜。

 せやから〜より速く動ける相手には〜やってる事が見え見えなんよ〜。」

「なるほどなんだよ。

 それじゃ、わたしだとどうなの?」

「もっちゃんの〜レベル6くらいの速さやから〜余裕で勝てるで〜。

 ま〜そんな話はええんよ〜。」


ひまわり が話を、


「やっぱり〜京姫スフレちゃんは〜すごいわ〜。

 少ない攻撃で〜確実に倒してる〜。」


京姫スフレの事に切り替えた。


「うん、そうだね

 あれくらいやらないとダメ、なんだよね。」


ジジ


言いながら、また違和感を感じた。

さくらの表情に違和感を感じた ひまわり が、


「もっちゃん、なんかあった〜ん?」


問い掛けた。


「なんか胸の奥の方に違和感みたいなのを感じる事があるんだよ。」


さくら は隠さずに答えた。


「それって〜どんな感じな〜ん?」

「うまく説明出来ないんだけど、なんか"じり"って感じかな。」

「そうなんか〜。

 それ〜いつ頃から〜感じてる〜ん?」

「さっきの試合が終わったくらいから、だと思う。

 る〜ちゃんの事や、フィナスさんの試合の事で、気持ちが疲れてるのかもだよ。」


苦笑にがわらいながら話す さくら に、


「ああ〜、それは〜ほんまにごめんな〜。」


ひまわり がすまなさそうに頭を下げた。


「ごめんごめん、その事でもうあやまらないで。

 る〜ちゃんが悪いわけじゃないんだから。」

「わかった〜。」

「違和感はずっと、ってわけじゃないし、とりあえず置いとくよ。

 まだ少し時間あるし、練習しよ。

 る〜ちゃん、チェックお願い。」

「りょうかいや〜。」


さくら はもやもやした気持ちを吹き飛ばそうと新技の練習を始めた。

"切り札"となる新技の完成度は50%。

残された時間は少なかった。


(25)


あんた、あの程度で勝ち上がってきたなのですわ?

 ほんと、がっかりだったなのですわ。」


試合が終わり意識を取り戻したよんにきつい言葉を投げ掛けた。


「うう。。」


自信を木っ端微塵(こっぱみじん)に砕かれたよんは言葉が出なかった。


「もっと速度値スピード上げて、やり方考えるなのですわ。

 4人残像で、本体が最速で攻撃するとかなのですわ。」


それだけ言って、よんに背を向けた。

京姫スフレからアドバイスされた事に驚き、一瞬の

の後、慌てて立ち上がり、


「ありがとうございました。

 強くなって、挑戦させて貰います。」


お礼を言って、頭を下げた。

京姫スフレは小さく手を振って答え、そのまま観客の声援に答えながら闘技場を下りていった。


〔MC〕「おおーっと、しまったー!

     まった、スフレ選手のインタビューのー、タイミングを外しちまったー!」


しゃべ九郎くろうの絶叫が響き渡った。

既に京姫スフレの姿は待機室から消えていた。


闘技場に残ったよんには、


よん様ー、おしかったですー!」

「今度は勝って下さーい!」

「もう10人くらいに分身しろー!」

「もっと頑張れよー!」


色々な声が掛けられていた。

苦笑くしょうしながらも、観客の声援?に答えるように右腕を突き上げ、


「次はーーーーー、かーーーーーつ!」


雄叫びを上げた。

盛り上がる観客の声を背に受けながら、よんは闘技場を後にした。


こうして準々決勝は、


京姫スフレ

メルメ・ルル

タンクタートル

さくらもち


の4選手が勝ち上がり、準決勝は、


第1戦:タンクタートルVSさくらもち

第2戦:京姫スフレVSメルメ・ルル


の対戦となった。

そして、10分の休憩の後、準決勝第1試合が始まった。

如何だったでしょうか?

これで準々決勝が終わり、次回から準決勝です。

さくらの相手は第2シードのタンクタートル。

どんなバトルになるのか?

次回は月曜の13時更新予定。

よろしくお願い致します。

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