第1戦:さくら、挑みます!(39)
第1戦の39を公開します。
さくらVSアギュリン戦、開始。
試合の序盤、そしてあの娘の秘密が!?
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(5)
『速度増加、レベル5!』
さくら が加速し、アギュリンに向かって行った。
〔MC〕「先に動いたのは さくらもち選手だー。
一気にアギュリン選手に突っ込んで行ったー!」
そんな さくら の速度を気にする事なく、
「イーツゥ、ショーゥタァァイムっ。」
アギュリンが声を上げながらウインク&投げっキッス。
それはアギュリンの幻惑ショーの始まる合図だった。
踏み込んだ さくら の右拳がアギュリンの顔面に当た、らなかった。
まるで蜃気楼のようにアギュリンの体が揺らいで消えた。
〔MC〕「さぁ、アギュリンの幻惑ショーの開幕だー!
この幻惑を見破れないと さくらもち選手に勝ち目はないぜー!」
消えたアギュリンはいつの間にか さくら の背後に移動していた。
気配を感じた さくら は右腕を引き戻しながら、
クルッ
と体を右に捻らせて、右肘をアギュリンにぶち込、めなかった。
またしてもアギュリンが揺らいで消えた。
消えては現れるアギュリンを追って攻撃を仕掛けるも、捉える事は出来ず、その攻撃は空を切るだけだった。
〔MC〕「さくらもち選手、完全にもて遊ばれてるぞー!
そしてぇー、アギュリン選手の攻撃が始まるぜー!」
『やっぱり、攻撃があたらない。
まるで影を攻撃してるみたいだよ。』
さくら の攻撃は通用しない。
それは分かっていた事。
これは作戦だった。
そして、アギュリンの攻撃が始まった。
シルクハットを取り、クルクルっと回してから内側を さくら に向けて、"種も仕掛けも"ない事を強調した。
シルクハットに目が惹きつけられる。
クルッ
と内側を自分に向けたアギュリンがその中に勢い良く右拳を突っ込んだ。
と同時に さくら の後頭部に衝撃が走る。
驚いて振り返るとアギュリンがシルクハットに突っ込んだ右拳から手首までが浮いていた。
『うう、実際に見るとすごくすっごくすごく気持ち悪いです。。』
〔MC〕「アギュリン選手の空間移動拳炸裂ー!
この技はいつ見てもホラーだぜー!
さぁ、さくらもち選手はこれをしのげるかー!」
しゃべ九郎の言葉に乗っかるように、
「受けてみなさぁーいっ!」
アギュリンが無駄に色気のある声を発した後、右拳をシルクハットの内側に素早く出し入れした。
空間移動拳ひとつひとつの攻撃力は強くないが、数で攻めてくる。
10、20とあらゆる角度から攻撃してくる拳が さくら のHPを少しづつ削っていった。
技を受けながら、
『る〜ちゃん、どうですか?』
さくら が脳内通話で ひまわり に話し掛けた。
「やっぱり映像より〜全然よく見えるわ〜。
やからごめんな〜もっちゃん。
もうちょっと〜耐えとってな〜。」
ひまわり がすまなさそうに返した。
『大丈夫、まだまだ耐えれるよ。
だから る〜ちゃん、任せたよ。』
さくら に支援を託された ひまわり が、
『まかされた〜、絶対に〜幻惑の秘密〜暴いたる〜!』
気合いの入った言葉を返した。
そして、さくら を支援する為のひまわり の闘いが始まった。
(6)
夏乃花ひまわり 14歳。
小さい頃から人見知りで、しゃべるのが苦手だった。
上手くしゃべる事が出来ず、笑われた経験が殻に閉じこもらせた。
友達も出来ず、1人で遊ぶようになった ひまわり は小学生になり勉強が始まった事で覚醒した。
知能指数の高かった ひまわり は日々、勉強と読書を楽しんだ。
特に勉強は知識を得られる事が面白かった。
そして、いつの間にか全国模試でトップ5に入っていた。
だが、その事で目立ってしまい、注目されるのが嫌で成績が真ん中くらいになるよう調整するようになった。
この頃、たまたまテレビで放送されていた"ジャッキー・チェン"の映画を目にした。
そのコミカルな内容と格好良いアクションシーンは ひまわり にはとても新鮮だった。
そして、見事にハマった。
ジャッキー映画からバトル物の作品にハマり、格闘技や関連作品を調べまくった結果、知識量がすごい事になっていた。
そうこうしている内に中学生になった ひまわり は さくら に出会った。
同い年で世界の頂点を目指す さくら は格好良く、そして可愛かった。
そんな さくら に惹かれ体操競技にもハマっていった。
そして さくら と友達になり、日常が一変した。
2人で過ごす時間は楽しくてたまらなかった。
そんな頭脳明晰の ひまわり が さくら を支援する為、その頭脳をフル回転させてアギュリンの解析を始めた。
当たらない さくら の攻撃。
離れたセコンドスペースから見ていると、的外れな場所を攻撃しているのが分かる。
何故、さくら はそんな的外れな攻撃をしているのか?
そして空間を越えて現れるアギュリンの攻撃の原理は?
ひまわり は目を凝らし、闘技場を見つめながら必死に考える。
「これはゲ〜ムや〜。
どんな事も〜現実に補正するくらいしか〜設定されてへんはずや〜。
あれは魔法やない〜、ただの手品や〜。
せやから〜"種も仕掛けも"あるはずや〜。」
ぶつぶつと呟きながら2人の動きを追う。
さくら が攻撃した時、何かが光ったような気がした。
「いま〜なんか光ったような〜。。」
さらに目を凝らす。
キラキラ
ほとんど分からないくらいのすごく弱い光が瞬いた。
「あれは〜まさか〜。」
何かに気付いた。
後は攻撃だ。
現れる腕を注視する。
腕が現れる瞬間、何かが見えた気がした。
さくら の周りの空間を注視する。
けれど、腕の出入りが速く、どこから現れるかが分からないので、気付いた時には消えてしまう。
そうしている間に さくら のHPが半分まで減っていた。
「あか〜ん、早せんと〜もっちゃんが負けてまう〜。
どないしたらええんや〜。」
焦り、悩む ひまわり は、
「ああ〜あかんて〜。
焦ったらダメや〜。」
焦りが思考を鈍らせている事に気付く。
一度、ゆっくり深呼吸して、
「出て来る場所を〜予想するんや〜。」
落ち着いて今までの攻撃を思い出す。
アギュリンの攻撃は さくら の後頭部を狙っている事が多かった。
ひまわり は さくら の後頭部付近を凝視した。
その時、空間にほんの一瞬、小さな円が現れるのを見た。
そして全てを理解した。
ひまわり はにっと笑うと、
『もっちゃん、お待たせや〜。
アギュリンさんの技〜、見切ったで〜!』
力強く さくら の脳内に伝えた。
如何だったでしょうか?
ひまわりが解き明かしたアギュリンの攻防の秘密とは?
次回、さくらの反撃が始まります。
そんな次回は金曜の13時更新予定。
よろしくお願い致します。




