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第1戦:さくら、挑みます!(3)

第1戦の3を公開します。

さくらの心に火をつけた日、それはさくらにとって大切な日でもあった。

そんな特別な日の話しです。

楽しんで頂けたら嬉しいです。

(5)


「待たせてごめんなさい。」


あやまりながら さくら が部屋に入ってきた。

そこに たんぽぽ がるのに気付き、


「どうしたの、たんぽぽ?

 今日は遅くなるって言ってませんでしたか?」


朝、母にそう伝えていたのを聞いていた さくら が不思議そうにたずねた。


「ちょっと用事があって、早めに上がらせてもらいました。」


何故かにこにこしながら答える たんぽぽ に、


「何だか嬉しそうですね。」


笑顔で声を掛けた。

さくらが事故の前と同じ優しい笑顔で話し掛けてくれる。

それだけで たんぽぽ は目頭が熱くなった。

が、涙をこぼさないようにグッとこらえ、


「そ、そんな事ないですよ。」


可愛くはぐらかした。


「ええ、何で隠すのですか?

 教えて下さいよぉ。」


笑顔でぷんすかしながらたんぽぽに甘がらむ さくら の雰囲気は今朝までと全然違っていた。

事故以前の明るさに戻った さくら の様子に3人は心から安堵あんどし、これでやっと止まっていた”時間とき”が動き出す。

そう感じられ、自然と3人共笑顔になっていた。


「はいはい。

 おしゃべりはそれくらいにして食卓に着きなさい。」


母の号令でそれぞれの席に腰を下ろし、さくら は定位置に移動して車イスの車輪を固定ロックした。

テーブルの上の豪華な料理に、


「お母さま、どうしたのですか?

 お料理がすっごく豪華なのです。」


さくら が驚きの声を上げ、たずねた。


「「「はぁ、、。」」」


そんな問い掛けに3人のため息がかさなった。


「姉様、今日が何日か知っていますか?」


たんぽぽ の問い掛けに、


「えっと、、あれ、、今日って、、何時いつ??」


さくら が困惑こんわくの表情で、しどろもどろに問い返した。


「今日は”3月27日”ですよ、姉様。

 何の日か、分かりますよね?」


2人が話している間に母は席を立ち、冷蔵庫に仕舞っていた物を持って戻ってきた。


「3月、27日、、。

 それって、、。」

「そうだよ姉様。

 こんな大事な日、忘れてたらダメなんだよ。」


そんな言葉に合わせるように母が さくら の目の前に手作りのデコレーションケーキを置いた。

それは、さくら の好きないちごとチョコレートクリームでデコられ、真ん中に


”HAPPY BIRTHDAY SAKURA”


と書かれたチョコプレートが飾られた誕生日ケーキだった。

それを目にして、さくら の目から涙があふれた。


「すん、、今日きょ、、あっし、、すん、、誕生日たんじょび、、すん、、だったのですね(らったおれしゅえ)、、。」


鼻をすすり、しゃくり上げ、言葉をまらせながら泣き笑った。

流れる涙と共に さくら の止まっていた”時間とき”も流れ出した。

涙でぐしゃぐしゃになった顔を たんぽぽ が取りに行ってくれたタオルでぬぐい、落ち着いたところで、


「それじゃ、いただきましょうか。」


母が声を掛け、久しぶりの笑顔の晩餐ばんさんが始まった。

みんなでいろんな事を話し、大いに盛り上がった。


けれど、さくら が元気になった理由を聞こうとはしなかった。

それに触れると、また”戻ってしまうのではないか?”とゆう不安感があったのかもしれない。


そんな、おしゃべりしながらの食事は食を進ませ、料理がすごいいきおいで無くなっていった。


「こんなに美味しく感じた食事は久しぶりです。」


そんな さくら の思いは、みんなも同じだった。


「ほんと、美味しかったです。」


たんぽぽ も同意し、


「それで姉様、何かい事があったのですか?」


意を決して、食事の時にけていた話題に切り込んだ。

その問い掛けに さくら の表情が引き締まった。

どう切り出そうか?と考えていると、母と一緒に食器を下げていた父が仕舞い直していたケーキを持ってきてテーブルに置いた。

母も用意した紅茶をテーブルに並べ始めた。

父はケーキにローソクを14本刺して、火をつけていく。

母が席に着き、父が電気を消して席に着くと、


「まずはお祝いしましょ。はい。」


母の号令で誕生日の歌の合唱が始まった。

さくら は聞きながら去年の誕生日を思い出していた。

あの時はこんな事になるなんて思ってなかったな、と。

そして人生の転機てんきとなった大事故をて、やっと光が見えたのが誕生日の日。

今日は忘れられない誕生日になるだろう。

そんな事を思いながら さくら は心の中で決意を固めていた。


歌の終わりに合わせて、


ふぅ~~~っ!


ローソクの火を一気に吹き消した。


「さくら、お誕生日おめでとう!」

「さくら、お誕生日おめでとう!」

「姉様、お誕生日おめでとうございます!」


3人の祝福の言葉を聞き、満面の笑顔で、


「ありがとうございます。」


お礼の言葉を言った後、


「お父さま、お母さま、お願いがあります。」


さくら が真剣な表情で切り出した。

如何だったでしょうか?

決意の日はさくらの誕生日。

そしてさくらの思いは。。


少しづつ話しは進んでいきます。

楽しんで頂けましたら、感想など頂けると嬉しいです。


次回、金曜12時更新です。

よろしくお願い致します。

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