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第1戦:さくら、挑みます!(23)

第1戦の23を公開します。

1日遅れになってしまい申し訳ありませんでした。

なんとか仕上がりました。

レイモンの卒業課題となるバトル。

さくらは宣言通り勝つ事が出来るのか?

楽しんで頂けたら嬉しいです。

(11)


待機室に転送された さくら は闘技場を見つめ、


『絶対に、勝ちます!』


心の中で気合いをいれた。

待機室を出て、闘技場に向かって歩き出すと、


「さくらもち、がんばれー!」

「今日こそ勝てよ!」

「さくらもち ちゃん、ファイトだよ~!」


観客席から声援が聞こえてきた。

負け続けてはいるものの、健気けなげに闘う姿に少なからずファンが付いていた。

声援に答えるように笑顔で観客に手を振る さくら の脳内にレイモンが声を掛けてきた。


『聞こえとるかの?』

『はい、聞こえています。』

『では、予定通りにの。』

『はい。

 よろしくお願いします。』


脳内会話を終え、闘技場に上がるとすでに対戦相手のゼンテスが待っていた。

金髪の長髪をうなじの所で結んで尻尾のように垂らし、何故か上半身裸の上に真っ赤なスーツを着ている。

いかにもホストとゆう感じの風体ふうていのゼンテスが、


「今晩は、さくらもち さぁん。

 わたくし、ゼンテスと申しまぁす。

 あなたの試合、何度か見ましたぁ。

 で、も、あなたの実力では、わたくしには勝てませぇん。

 なので、提案でぇす。

 わたくし愛人コレクションにおなりなさぁい。

 そうすれば勝たせてあげるぅ。」


おネエ口調で話し掛けてきた。

そんなゼンテスに、


『うう、ニューハーフ(にうはあふ)さんです。

 背中が”ぞわぞわマイティ”です。』


さくら は気味悪さを感じながらも、


「すいません、その必要はないです。

 実力で勝ちますから。」


言い切った。


「あら、強気ねぇ。

 顔は可愛いのに、性格は可愛くないわねぇ。

 それじゃ、、勝ってちからずくで俺のモノにしてやるよ!」


急に口調と顔付きが変わったゼンテスに、


「負けません、絶対に!」


さくら も強い口調で言い切った。

そして、


(ファイ)(フォー)(スリー)(トゥー)(ワン)、ファイッ!


カウントダウンが終わり、試合が始まった。


ゼンテスが先手を取り、仕掛けてきた。

足技を得意にしているゼンテスが、まず右足で さくら の頭を狙った。


『第二・腕と脚を曲げ伸ばす運動』


レイモンから指示が飛ぶ。

さくら が指示通り体を動かすと、上げた腕がゼンテスの足を防ぎ、曲げ伸ばした腕の拳があごに当たった。


グッ


攻撃を受け、ゼンテスがうめき声を漏らした。


「面白い動きするじゃねえか。

 そうでなけりゃ、屈服させる意味が無い、ぜ!」


言いながら左に回転ターンし、右回し蹴りを放った。


『第二・体を倒す運動』


指示に合わせ さくら が体を動かすと蹴り足をかわし、両拳がゼンテスの腹に突き刺さった。


ぐふぅ


バランスを崩し、うめき声を漏らしながらゼンテスが尻餅しりもちを付いた。


『すごいです。

 レイモン老師の指示通り動いたら当たります。』


さくら の攻撃でゼンテスのHP(ヒットポイント)が少し削られていた。

これまでは攻撃が当ってもほとんど減らなかった。

自分の攻撃が通用するのを感じ、さくら は上機嫌になっていた。


『これなら勝てます。

 ようし、やっちゃいますよ!』


レイモンの指示通りに動き、順調にゼンテスの攻撃をいなし、ダメージを与えていたが、


『レイモン老師、どうしたのですか?』


突然、レイモンの声が聞こえなくなった。

動きが止まった さくら のお腹にゼンテスの拳がめり込んだ。


さくら が派手に吹っ飛んだ。


能力値ステイタスを上げていたのでポイントの減少は少なかった。

けれど、精神的なダメージは大きかった。

今まで聞こえていたレイモンの指示がなくなり、動きがちぐはぐになり攻撃が当たらなくなった。


「さっきまでの元気はどうした、さくらもち。

 絶対に負けないんじゃなかったか?

 そんなんじゃ、あっさり勝っちまうぞ!」


嬉々(きき)として攻撃してくるゼンテスに、さくらは体を丸くし防御体制で耐えるしかなかった。

少しづつHP(ヒットポイント)が削られていき、ついに残り半分になってしまった。

その時、


『いつまで、翼を畳んどるつもりじゃ?』


レイモンの声が聞こえてきた。


『レイモン老師、どうして指示してくれないのですか?』

『わしの指導は終わったんじゃよ。

 次はお前さん自身のちからで闘うんじゃ。

 体の動かし方は叩き込んだ。

 後は飛べばいいんじゃよ。』

『わたし、飛び方なんて、わかりません。。』


ごとう さくら に、


『そんなに”怪我けが”をするのが怖いかのう?、幻の女王、守道さくら。』


レイモンが本名リアルネームで呼び掛けてきた。


『どうして、そのことを。。』

『それは後じゃ。

 まず、わしの質問に答えるんじゃ。』

『はい。怖い、です。

 あんな思いは、もう、したくないんです。』

『はぁぁ、ほんに情けないのう。』

『怪我を怖がるのが、どうして情けないのですか?!』


感情が爆発し、さくら の目から涙があふれだした。


「なんだ?泣いてやがるのか。

 ま、泣こうが手加減はしない、ぜ!」


ゼンテスが さくら を蹴り飛ばした。

吹っ飛ばされるも、今度はしっかり地面を踏みしめ、踏みとどまった。


『前に言ったはずじゃ。

 ここに実体はないと。

 その痛みもシステムによって作られておるだけじゃ。

 ならば逆もしかり。

 飛びたいと思えば、飛べるんじゃよ。

 さくら、翼を広げるのじゃ。』


レイモンの言葉が さくら の心に突き刺さった。

ここは現実ではない。


『わたしはここに、何をしに来たの、、?』


さくら は思い出した。

あの日観た動画を。

ここなら”自由に動ける”とゆう事を。


顔を上げ、ゆっくり体を伸ばして直立姿勢になった。

体の自由を奪うほどの大怪我は”体操競技に対する恐怖心”を さくら の心に植え付けていた。

けれど、それは現実リアルの体が壊れる事に対するおそれ。

UFT(ここ)”に必要のない感情。

勝てない焦りから さくら は大事な事を忘れていた。

それは、


”全力でゲームを楽しむ”


とゆう事。


さくら から焦りが消え、晴れやかな表情に変わった。

両手でほっぺたを、


ぱん


はさむように軽く叩いて気合いを入れた。


『全力で、楽しんじゃいます!』


心の中で力強く宣言した さくら は、後方ブリッジ回転をやってみた。


『動けます。

 ちゃんと、思い通りに。』


ついに”翼が解放”された。


さくら はちょんちょんと2回跳ね、


はぁ~、ふぅ~


一度いちどゆっくり深呼吸し、気迫のみなぎった目をゼンテスに向けた。

嫌な気配を感じ、攻撃しようとしているゼンテスの動きを封じるように さくら が先に動いた。

脳内にはしっかり攻撃の流れが出来ている。

後は決めるだけ。


正面から(ツー)ステップで無防備に近付いてくるのをゼンテスが迎え撃とうと身構えた。

瞬間、さくら が仕掛けた。


(ツー)ステップからの側方倒立回転(ロンダ)1/4捻り(ート)でゼンテスの間近にせまり、


タン


両足で床を蹴って飛び上がるとゼンテスの遥か頭上で、後方伸身宙返りの回転を始めた。

白鳥スワン宙返りと形容されるこの技が、さくら の綺麗きれいにのばした体と発動した飛行能力で、本当に白鳥が空を舞っているように見えた。


ゼンテスが、全観客が さくら の動きに魅了みりょうされ、見惚みとれ、動きを止めた。

さくら は半回転(頭が下、足が上)した所で体を1/2ひねり、腰を曲げて屈伸姿勢に変化させ、左足を曲げた。

そのまま前方に回転しながら伸ばした右足のかかとに回転力と重力落下の勢い乗せて、


ゴス!


ゼンテスの脳天に落とした。

その状態から曲げていた左足のひざを振り上げ、後ろに宙返りし(まわり)ながら、


ゴッ!


前のめりに倒れようとしていたゼンテスのあごひざで蹴り上げた。

あごへの衝撃でゼンテスの体がのけ反る。


クルッ


と回り、


ふわっ


と着地を決めた さくら は、今の二撃にげきで勝利を確信し、優雅にお辞儀をした。

それが合図になったかのように崩れ落ちたゼンテスのHP(ヒットポイント)ゲージの残量が、消えた。


WINNER(ウィナー)、さくらもち!


電子音声が さくらもち の勝ちを宣言した。

初めて呼ばれた自分の名前を聞いて、


「勝ちました~!」


さくら は目に涙をにじませながら両手を突き上げ、かわいい叫び声を上げた。

如何だったでしょうか?

さくら、見事に初勝利です。

ついに手に入れた翼はどんな羽ばたきを見せるのか?

これからのバトルに注目して下さい。

でも、簡単には。。

次回は水曜の12時更新予定。

よろしくお願い致します。

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