第1戦:さくら、挑みます!(19)
第1戦の19を公開します。
前回を受ける形での閑話になってます。
朝の修練を終えたさくらは。。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(6)
「ありがとう、ございました。。」
へろへろになりながら頭を下げる、さくら に、
「うむ。
お前さん、なかなか筋がいいのう。
何かスポーツでもやっておったかな?」
レイモンが問い掛けた。
「えっと、特にはない、です。」
さくら は言葉を濁して誤魔化した。
その雰囲気にレイモンは何かを感じとっていたが、
「そうなのか?
おかしいのう、わしの見立てに間違いはないはずじゃが。。
ま、ええじゃろう。」
訝しみながらも詮索はしなかった。
「さて、朝の修練はこれで終わりじゃが、今日の予定はどうなっとるかの?」
「今日は学校休みなので、午後は14時から18時、夜は20時から21時なら大丈夫です。」
「では、14時にするかの。」
「はい、わかりました。
それでは14時に来ます。」
「うむ、待っておるぞ。」
そう言うと、にこやかな笑顔のレイモンが姿を消した。
消えゆくレイモンにお辞儀をしていた さくら は、
「つ、疲れ、ました。。」
消えると同時にへたり込んだ。
「まさか、ラジオ体操がこんなに、過酷だなんて、思いませんでした。。」
子供の頃に見よう見まねでやっていたラジオ体操はたしかにただのお遊戯だと感じた。
動きのひとつひとつに意味があり、正しい動作をすると体のいろんな部分に負荷が掛かっているのが分かった。
「これがほんとうに格闘技の修行になるのでしょうか?」
レイモンの蘊蓄を聞かされ、理解は出来た。
けれど、ラジオ体操で強くなれるのかは疑わしかった。
「それでも、今はレイモン老師が強くしてくれると信じます。」
言い聞かせるように呟くと、
「サーフェス。」
”UFT”からログアウトした。
自室に戻った さくら は、
「そう言えば”黄色い髪の娘”、いつの間にか居なくなってました。
ずっとにこにこしながら見ていたようですが、私そんなに変だったのでしょうか?」
ベンチに座って見ていた少女の事を思い出し、顔が赤らんだ。
「でも、黄色い髪がひまわりみたいで可愛かったです。
あれ?そう言えばあの顔、似てる、気がする。
まさか、そんな事ないですよね。」
頭に過ぎった疑問を振り払った。
「もし、また来てたらお話ししてみたいです。
でも、ちょっと恥ずかしいのでお昼からは場所を変えて貰いましょう。
うん、そうしましょう。」
そんな事をぶつぶつ呟いていると、
コンコン
と音がして、
「おはよう、さくら。」
母が挨拶しながら部屋を覗き込んできた。
「あ、お母さま。
おはようございます。」
「朝食の時間よ。」
「わかりました。」
母は返事を聞くと、キッチンに戻っていった。
後を追うように さくら も付いていっていると、
「お姉さま、おはようございます。」
追いかけるように小走り近付いて来た妹が声を掛けてきた。
「おはよう、たんぽぽ。
今日は朝練ないの?」
いつもこの時間には出掛けている妹に問い掛けた。
「今日は入学式なので練習は午後からなのです。」
「そっか。
たんぽぽも今日から中学生だね。」
「はい、これからまた同じ学校になります。」
「頼りにしちゃうよ。」
「任せて下さい。」
そんな事を話ながら居間に向かった。
さくら はこの4月から学年が上がり中学3年生になった。
約半年学校には行っていなかったが、やる事がなかったので自習だけはしっかりやっていた。
出席日数の関係で留年の可能性もあったが、テストの結果が良かったので進級が認められたのだ。
昨日は久しぶりの登校だったが、クラスメイトは歓迎してくれた。
皆にはすごく心配させてしまっていたようだったが、笑顔で迎えてくれたのだ。
お陰で質問攻めにあってしまったが。。
朝食を終え、午前中は自習の時間に費やし、合間に”ラジオ体操”のイメージトレーニングを行った。
体操競技をやっていた頃は技のイメージをつかむ為によくやっていたので、動きひとつひとつをしっかりイメージし、脳に覚えさせていった。
「まさか体操をやっていた事が役立つとは思いませんでした。」
そんな事を思いながら、イメージトレーニングと勉強であっとゆう間に時間が過ぎていった。
昼食を終えると、少し早かったが13時過ぎに”UFT”にログインした。
自室の戦闘部屋でイメトレの成果を確認する為、3回程ラジオ体操をこなした。
「うん、いい感じだと思います。
これならレイモン老師も認めて下さります。」
出来に納得し、13時45分頃に森林公園に向かった。
「朝見ていた娘は、居ない、ですね。」
自分と同い年くらいの少女だったので話してみたいと思って探してみたが、見つからなかった。
そうこうしている内に14時になり、
「ちゃんと来ておるの。」
レイモンが現れた。
「はい、準備は万全、元気”ふるふるマキシフル”です。」
答える さくら の元気さに、
「では、ラジオ体操から始めるぞ。」
レイモンがラジオ体操5連続で答えた。
「ふむ、かなり良くなっておる。
これならば、すぐに次の段階に行けるじゃろ。
では、ラジオ体操はこれくらいにして、トレーニングを始めるぞ。」
「はい、がんばります。」
元気な返事と共に さくら の地獄の特訓フルコースが幕を開けた。
如何だったでしょうか?
今後の伏線張りつつ、ひと息ついたさくらの午後は!?
次回は月曜の12時更新予定。
よろしくお願い致します。




