第1戦:さくら、挑みます!(17)
第1戦の17を公開します。
さくらの修行が始まります。
レイモンが出した課題は。。
結構前に考えてた要素を組み込みました。
あの人も再登場で、どうなるのか?
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(4)
翌日。
さくら は5時に起きて朝の用事を済ませ、支度をすると、5時40分に”UFT”にログインした。
個室から森林公園に移動し、少し散策する。
朝の森林公園は清々しさが演出されていた。
空気がキラキラしているように見える園内は、人もまばらでとても気持ちが良かった。
さくら は指定の場所に10分前に到着していた。
昨日、レイモン老師と会った場所。
そこでストレッチしながら、待っていた。
6時の鐘がなる。
と、時間通りにレイモン老師が姿を現した。
「おはようございます、レイモン老師!」
気付いた さくら が元気に挨拶をした。
「おはようさん。
ちゃんと来とるな。」
「はい、もちろんです。
昨日から”どきどきライジング”で、あまり眠れませんでした。
でも、元気は”ふるふるマキシフル”です。」
元気さを猛アピールしてくる さくら の言葉の中に解析不能な単語あったので、
「言語ライブラリに登録されとらん言葉があるのう。
”どきどきライジング”と”ふるふるマキシフル”はどうゆう意味じゃな?」
レイモンが問い掛けた。
「えっと、ですね、
”どきどきライジング”は、楽しみで気持ちのどきどきが膨れ上がってるって感じです。
”ふるふるマキシフル”は、これ以上ないくらいに沢山って感じです。
うう、なんだか説明すると恥かしい、です。。」
さくら は自作単語の説明をさせられ、気恥ずかしくなってしまった。
顔を赤らめ、照れ照れしている さくら に、
「なるほど、そうゆう意味なのじゃな。
ライブラリに登録しておくかの。
そうゆうのは他にもあるんかのう?
あるなら教えといてくれんか。」
レイモンが追い討ちを掛けた。
「えっと、あの、いろいろ、あります。
けど、使った時に、聞いて欲しい、です。」
さくら はもにょもにょしながら答えた。
その時の気分で口にしている感じなので、すべてを覚えている訳ではなかったりするのだ。
「そうかそうか。
では、そうするとしよう。
それでは始めるかの。」
納得したレイモンの目がキラっと光った。
少し雰囲気が変わったのを感じ、
「はい、よろしくお願いします!」
気持ちを切り替え、表情を引き締めて、元気にお願いし、勢い込んでお辞儀をした。
「やる気満々じゃな。
その元気がいつまで持つか、楽しみじゃわい。」
レイモンは不適な笑みを浮かべ、
「”音楽操作板”、オープンじゃ。」
”音楽操作板”を出した。
曲を選択し、[プレイ]に触れると、縦10センチ横5センチの小さなスピーカーがレイモンの頭の左右斜め上にひとつづつ出現し、
「ラジオ体操第一〜。」
タンタンタタン、タタタ、タンタンタタン、タタタ♪
と聞き慣れた音楽が流れてきた。
「え、え、ラジオ、体操!?」
「知っておろう?
ほれ、始まるぞ。」
「腕を前から上に・・・。」
「は、はい。」
戸惑いながらも、やり慣れたラジオ体操を始めた。
そして、一通りやり終えると、
「まったくもってなっとらんな。
それはお遊戯かの?」
レイモンがこれまで見せた事のない厳しい表情で窘めた。
そんなレイモンに気圧され、
「えっと、あの、その、、すいませんでした。」
取り敢えず、あやまった。
「では、もう1度やってもらおうかの。
今度は真面目にやるんじゃぞ。」
「はい!」
しっかり返事し、再挑戦。
したものの、
「ダメじゃな。
どいつもこいつも、なっとらん。
これまでの弟子で完璧じゃったのは1人だけじゃ。」
ダメ出しされてしまった。
「そもそも、ラジオ体操とはじゃな、、。」
レイモンの蘊蓄話が始まった。
さくら は慌てて正座し、背筋を伸ばしてレイモンの話に耳を傾けた。
>ど~も~ふたたび登場の~謎の解説さんやで~。
>おひさしぶりや~。
>なんかレイモンはんが~面倒くさそうやから~うちがさくっと解説すんで~。
>ごっつい昔に~やれば健康になる~体操が流行ってたんや~。
>それが戦争で~近接戦闘用の~拳法に発展したんや~。
>でもな~戦争が終わったら~また体操の形に戻って~ラジオで放送するようになったんやて~。
>せやから~ラジオ体操は~拳法の修行に~通じてるんや~。
>と、レイモンはんが~語ってはるんや~。
>なんて言うのんは~この世界での常識やで~。
>ふぃくしょん、やから~突っ込みなんか~入れたらあかんねんで~。
>おっきな心で~受け止めたってな~。
>謎の解説さんとの~お約束やで~。
>ほなな~。
そして30分ほど語り尽くしたレイモンが、
「どうじゃ、これがラジオ体操の由来じゃ。
理解出来たかの?」
問い掛けた。
さくら はさっと立ち上がり、
「はい。
まさかラジオ体操にそんな秘密があるとは思いませんでした。
勉強になりました。
レイモン老師、ご指導、よろしくお願いします。」
頭を下げた。
さくら の目がキラキラ光っている、ように見える。
格闘漫画好きの心をわくわくさせる、そんなレイモンの話にすっかり感化されていた。
「わしの指導は甘くないぞ。
ついてこれるかのう?」
「大丈夫です。
キツい練習には慣れていますから。」
「頼もしいのう。
では、始めるぞ。」
「はい。」
元気に返事した さくら だったが、それから20回連続で細かく注意されながら繰り返され、へろへろになった。
如何だったでしょうか?
ラジオ体操を拳法にする話は、大分前に考えていたネタです。
主人公がラジオ体操拳で世界を救う、的な話を考えようとして、挫折。
そのネタを復活させました。
この修行がさくらをどう変えるのか?
今後の展開にご期待下さい。
次回は水曜の12時更新予定です。
よろしくお願い致します。




