第1戦:さくら、挑みます!(14)
第1戦の14を公開します。
バトル後さくらとスフレは、な話です。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(7)
自室に戻った京姫は姉に文句を、と思っていたら、それを予想していたかのように、
ピリリ、ピリリ、ピリリ
個人通話の着信音が室内スピーカーから聞こえてきた。
「通話開始!」
すぐさま通話を開始する指示語を発すると、
「京姫ちゃん、お疲れ~。」
接続と同時に明るい姉の声が響き渡った。
「うるさい、なのですわ。」
京姫が鬱陶しそうに苦情を発したが、そんな事は気にせず、
「面白い試合だったわぁ。
あの”顔面受け”はめっちゃ面白かったわぁ。」
姉がテンション高く話し掛けてきた。
「あれは油断なのですわ。
黒歴史認定なのですわ。
ってゆうか、”特殊タイプ”の事、隠してたなのですわ。」
「あれ、言ってなかったっけぇ?」
「白々(しらじら)し過ぎなのですわ。」
「それで、さくらもち ちゃんはどうだったのぉ?」
「そうね、ちょっとは気になったかもなのですわ。」
ど素人に体に触れられたのは初めてなのですわ。」
「そう言えば試合の後に何か言ってたわねぇ。」
姉の突っ込みに、
「なんだか、不思議な雰囲気を感じたなのですわ。
強くなる、かもなのですわ。」
少し嬉しそうな声で答えた。
「あなたがそう言うのなら、面白くなりそうだわ。
こちらでも少しアプローチしておくわ。」
突然、普通モードに変わった姉に、
「やり過ぎないようにするなのですわ。」
釘を刺しつつも、
『たしかに、ちょっと面白くなりそうなのですわ。』
京姫は内心、ちょっとワクワクしていた。
「わかっているわよ。
それじゃ、またリアルでねぇ。」
「来なくていいなのですわ。。」
心底嫌そうな京姫の返事に満足しながら、姉は通話を終わらせた。
「やれやれ、なのですわ。
さて、それじゃもう2~3戦やるなのですわ。」
闘い足りなく感じていた京姫は”無作為試合”に参加登録した。
それから、3戦3勝でとりあえず満足し、この日のゲームを終わりにした。
(8)
戦闘が終わると、攻撃された痛みが瞬時に消えた。
どうやら痛みを感じるのは戦闘の間だけのようだ。
起き上がった さくら は自分の待機室の方に向かって歩き出した。
その背中には観客から健闘を讃える声援や拍手が送られた。
闘技場を下りる前に観客にお辞儀し、そそくさと待機室に戻ると、
「”バックホーム”!」
指示語を発し、自室に戻った。
部屋に戻った さくら はソファーにぐで~っと倒れ込んだ。
何だかものすごく”疲労感”を感じていた。
実際に体を動かした訳ではないのだが、脳が相応の体の疲労感を作り出しているようだ。
「初日から、頑張り過ぎたみたい、です。
まだ時間はありますけど、今日はこれくらいに、しておきましょう。」
これ以上は脳への負担が大きくなると判断し、
「サーフェス!」
フルダイブVR世界から出る指示語を発した。
ゲーム内での意識が途切れ、ゆっくり目を開くと、目の前にエルドメットのバイザーが見えた。
「戻ってきたのですね。」
ほっ、とひと息ついて、
「切断!」
と発すると、ネットの接続が切れた。
エルドメットを外し、車イスを元の形態に戻すと、
ふぁぁぁっ
大きな欠伸と共に、すごい眠気を感じた。
これはダメだと思い、机の上にメモを残してベッドに移動した。
体を冷やさないように布団を被ると、あっという間に眠ってしまった。
(9)
18時頃、母が様子を見に来ると、さくら がベッドで眠っていた。
「戻ってたのね。」
呟き、部屋に入っていくと机の上にメモが置かれているのに気付いた。
疲れてしまったので少し眠ります。
夕飯が出来たら起こして下さい。
さくら
メモにはそう書かれていた。
ベッドに近付き、さくら の頬を軽くつんつんっとつっ突いて見たが反応がなかった。
気持ち良さそうに寝息を立てている さくら に、
「ゆっくり休みなさい。」
優しく声を掛け、部屋を出た。
それから1時間後。
再度呼びに来て、同じように頬をつっ突くと、
う~~ん。。
可愛い声を漏らし、ゆっくり目を開けた。
少し眠そうに目をこすりながらも、
「お母さま、おはようございます。
すいません、眠ってしまいました。」
しっかりした声で話し掛けた。
「おはよ。
だいぶお疲れのようね。
ゲームは楽しかった?」
「はい。
すごくすっごくすごく楽しかったです。」
「そう、それは良かったわ。
それじゃ、その話を聞きながらご飯にしましようか。」
そう言って、さくら と居間に移動した。
食卓にはすでに父と妹が着いていた。
そして、さくらの話で大いに盛り上がった楽しい晩餐のひと時が過ぎていった。
如何だったでしょうか?
今回で2章が終わり、次回から3章に入ります。
さくら修行編となる3章では何が起こるのか?
楽しみにして頂けたら嬉しいです。
次回は水曜12時更新予定。
よろしくお願い致します。




