第1戦:さくら、挑みます!(13)
第1戦の13を公開します。
さくらVSスフレのバトル回。
初の本格バトルになります。
バトルの雰囲気はこんな感じになります。
自分的にはかなりいい感じに書けたと思っています。
さくらのデビュー戦。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(6)
対戦を承認してから、5分の準備時間が設けられている。
この間なら、対戦をキャンセルする事も出来る。
試合用のコスチュームに着替えたりする選手も居る。
さくら はとにかく攻撃しなければ始まらないと、相手をイメージして攻撃の練習に時間を費やした。
そして5分後。
試合会場となる闘技場の待機室に転送された。
待機室と言っても、ただの転送ポイントなので、目の前に闘技場が見えている。
さくら はゆっくりと数回深呼吸した。
そして闘技場に向かって歩きだすと、
「がんばって!」
「いい試合しろよ!」
と、まばらな声援が聞こえてきた。
闘技場は高さ1メートル、直径50メートルの円形で、待機室に面した部分に階段が作られている。
さくら は声援を聞きながら、
『うわぁ、結構見ている人いるのですね。』
なんて事を思いながら、ちょっと照れ臭そうに闘技場に上がり、待機線の所で立ち止まった。
反対側の待機室に小さな人影が見える。
その人影が待機室から出てくると、
うぉぉぉぉぉ!
観客席から怒号が巻き起こった。
そして、
「スフレ、やっちまえ!」
「スフレちゃん、可愛い!」
「スフレ、そんな無名の奴に負けんなよ!」
観客席から多くの声援が聞こえてくる。
どうやら有名な選手のようだ。
笑顔で手を振って観客の声援に答えながら、妹と同じくらいの背丈の小学生と思われる女の子が闘技場に上がってきた。
待機線まで来ると、
「あなたが”さくらもち”なのですわ。
私はスフレなのですわ。
5分間攻撃しないであげるから、ありがたく思いなさいなのですわ。」
横柄な言葉を掛けてきた。
『なんだか私より小さいのに態度がでかでかビッグです。
でもスフレさん、有名選手みたいだし、絶対勝てそうにないです。。』
そんな事を考えていると、何か重要な事を忘れている気がした。
頭の端に引っ掛かっている何か。
を思いだそうとしていたら、試合開始のカウントダウンが始まった。
5、4、3、2、1、ファイッ!
電子音声によるカウントダウンが終わると、上空20メートルくらいの所にそれぞれのHPバーと10分計が観客席のどの位置からでも見えるように四面表示で現れた。
「さぁ、掛かってきなさいなのですわ。」
スフレが握った右手を突きだし、人差し指をちょいちょいと動かして挑発してくる。
さくら はひとつ深呼吸して、
「てぇりゃぁぁぁ!」
叫びながら最大スピードで突っ込んでいき、右拳で殴り掛かった。
が、あっさりかわされた。
なんとか踏み止まり、
「うぉりゃぁぁぁ!」
体を反転させながら右回し蹴りを放ったが、それも余裕でかわされた。
右拳、左拳、右脚、左脚を駆使して、がむしゃらに攻撃を続けるが、その全てをスフレはまるでダンスをしているかのように余裕でかわしていた。
そんな優雅な動きのスフレの姿に観客も大いに盛り上がっている。
さくら は攻撃を止め、スフレと対峙した。
時間はまだ2分しか経っていなかった。
「あら、もう終わりなのですわ?
全然、物足りないなのですわ。」
「まだまだ、です。」
さくら は答えると、スフレの懐に一気に踏み込んだ。
体がぶつかりそうな位置まで近付き、
『10センチの爆弾!』
>ここで解説やで~。
>10センチの爆弾言うんは~さくら の大好きな格闘漫画「B.B」の主人公の必殺技やで~。
>瞬時に相手の懐に飛び込んで~、相手の体と拳の隙間が10センチの距離から放たれる必殺拳は~近すぎてよけれへんのや~。
>超すごいパンチ力と~腰の回転が産み出す威力は~当たった瞬間に~爆弾が爆発したような衝撃を相手に与えるんやで~。
>だから「10センチの爆弾」なんや~。
>も~めっちゃすごいパンチやねんで~。
>え、うち~?うちは謎の解説さんやよ~。
>もうちょっと先に、ばば~んって登場するから~まっとってな~。
>ほなな~。
好きな格闘漫画の技を真似た超近距離攻撃を放った。
ぽこ
当然そんな技が実際に使える訳はないのだが、スフレのお腹に触れる事は出来た。
「へぇ、当たったなのですわ。」
スフレの気が一瞬、逸れた。
のを見逃さず、さくら が下から思いっきり飛び上がりながら、右拳で顎を狙った。
「甘いなのですわ。」
スフレが体を反らせて、余裕でかわした。
勢いにのった さくら の体はスフレの頭上まで上がり、空中でふわっと一瞬、止まった。
「何なのですわ!?」
『なんなのですか!?』
さくら もスフレも突然の出来事に戸惑い、動きが止まった。
そして、スフレの頭上から さくら の両膝が降ってきた。
ゴゴン!!
スフレは完全に無防備な状態で落ちてきた さくら の両膝を顔面で受け止めてしまった。
「痛いなのですわ。」
スフレが顔を押さえてしゃがみ込んだ。
さくら はバランスを崩し、
ゴン!
ゾリゾリ!
見事に顔面で着地した。
「いたいたマックスです~。」
顔を押さえ転げ回る さくら。
そんな2人の姿に観客席から笑い声が響いた。
「くっ、屈辱なのですわ。。」
スフレは顔を赤らめ、呟きながら立ち上がると、転げ回る さくら の頭を踏みつけた。
「あなたのせいでいい笑い者なのですわ。
ちょっとイラっとしたなのですわ。
残り5分を切ったし、終わらせるなのですわ。」
その言葉に反応しようとした さくら の頭をスフレがガンガンと立て続けに踏み蹴った。
『いた、いた、いたい、です。』
スフレの蹴りはかなり力が入っているようで、さくら のHPが少しずつ減っていく。
さくら は足が上がる隙になんとか転がってかわしたが、立ち上がろうとした目の前にスフレが立っていた。
バキッ!
立ち上がる途中の さくら の顎が蹴り上げられた。
「がはっ!」
体がのけ反り、無防備にさらされた腹部を蹴られ、吹っ飛んでいく。
すでにHPは半分まで減っている。
スフレは吹っ飛び転がる さくら を追い越して、サッカーボールを扱うように足の裏で止め、
「これで最後なのですわ。
ほんのちょっとだけ、本気を見せてあげるなのですわ。」
宣言した。
その時、さくらは思い出した。
受付嬢の言葉を。
『現在、Eランクで1番強いのは小学生の方で、あなたより小さいですよ。』
さくら は、
『この子が”Eランク”最強、なのですね。』
その強さを体で理解した。
そして、スフレの必殺技で さくら のHPは0になった。
WINNER、スフレ!
電子音声がスフレの勝ちを宣言した。
うぉぉぉぉぉ!
観客の怒号が響きわたる。
「あなた、”特殊タイプ”なのですわ?
不意を突かれましたが、あれにはやられたなのですわ。
強くなったら、今度は本気で相手してあげるなのですわ。」
そう言い残して、観客の声援に答えながら闘技場を下りて行った。
こうして、さくら のデビュー戦は相手の圧倒的な強さの記憶を焼き付けて、終わった。
これが初めてのライバルとなる、スフレとの出会いだった。
如何だったでしょうか?
さくらVSスフレのバトル。
今回は必殺技の描写はカットしましたが、今後大きな試合の時にはしっかり書きます。
そして突然の現れた謎の解説さん。
彼女はもうちょっと先にキャラとして登場します。
どんな役どころかは出てのお楽しみとゆう事で。
楽しんで頂けていたら嬉しいです。
次回は月曜12時更新予定。
よろしくお願い致します。




