第1戦:さくら、挑みます!(12)
第1戦の12を公開します。
今回は新キャラが登場します。
気に入って頂けたら嬉しいです。
新キャラの試合前のひと幕。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(5)
「ああもう、全然ダメなのだわ。
倒すのに時間が掛かりすぎなのだわ。
もっと手数を減らさないとなのだわ。」
個室の戦闘部屋で戦闘人形との1戦を終え、その戦闘の記録を再生しながら少女は不満を口にした。
対戦相手に設定したのは”Cランク”の標準くらいだったが、そこそこ簡単に倒せた。
けれど満足のいく結果ではなかったようだ。
「ここは蹴り技で削る方がいいなのだわ。
その後、1パンチからの連携で、、。」
戦闘記録を見ながらブツブツ言っていると、
ピリリ、ピリリ、ピリリ
個人通話の着信音が部屋のスピーカーから聞こえてきた。
「はぁ、なのだわ。。」
少女は相手に心当たりがあるようで、ため息をつき、嫌そうな表情で、
「通話開始。」
通話を許可する指示語を発した。
接続とほぼ同時に、
「京姫ちゃん、元気ぃぃぃ!」
ハイテンションの女性の声が室内に響き渡った。
「やかましいなのですわ、バカ姉。
それと”UFT内”でリアルネームで呼ぶんじゃないなのですわ。
切るなのですわ。」
ものすごく嫌そうな声で返す京姫に、
「ごめんごめん、切らないでぇ。
久しぶりだから嬉しくなっちゃっただけなのよぉ。」
少し声のトーンを落として女性が答えた。
「どこが久しぶりなのですわ。
昨日、さんざん家でうざ絡んできたなのですわ。。」
「だから昨日振りで、久しぶりなんじゃないのぉ。」
「うざいなのですわ。
用がないならほんとに切るなのですわ。」
「だから、切らないでよぉ。
ちゃんと用事あるからぁ。」
「なら、早く言うなのですわ。」
ぶっきらぼうな京姫の言葉に、うざ絡みモードから普通モードに戻り、
「ちょっと相手してほしい娘が居るのですよ。
その娘が”無作為試合”に参加登録してきたら相手があなたになるよう細工しておいたので。
お願い、出来るわね。」
「相変わらずの職権濫用なのですわ。
運営7の1人だからって勝手過ぎなのですわ。」
「あら、ランク落ちした京姫ちゃんが”強い人と闘いたい”って泣いて頼むから試合設定してあげている、優しい優しいお姉ちゃんに、そんな事言うのですね。」
「うう、それを言われると弱いなのですわ。
って、”泣いて頼んだ”覚えはないなのですわ!」
弱味を握られている京姫(プレイヤーネーム:スフレ)が頭を抱えつつ、言い返した。
「それで、闘ってくれるのですよね。」
姉の有無を言わせない、とゆう雰囲気に、
「はいはい、わかったなのですわ。
闘うなのですわ。」
まったく気持ちの籠っていない声で返事し、
「それで相手はどんな娘なのですわ。
当然、強いなのですわ?」
京姫の問い掛けに、
「そうね、言うなれば”未知数”ですよ。
すごく強くなります、、多分。。」
姉が力説した。
・・最後は小声で。
「はぁぁぁぁぁ、、。
それって”ど素人”って事なのですわ。。」
京姫から力強いため息と、あきれ気味の呟きが漏れた。
そんな話をしていると、
「あら、参加登録してきましたね。
そっちにも承認画面出ていますよね?」
姉が尋ねた。
京姫の目の前に、
┏━━━━━━━━━━┓
┃対戦者:さくらもち ┃
┃対戦を承認しますか?┃
┃ [はい] [いいえ]┃
┗━━━━━━━━━━┛
対戦承認のパネルが現れた。
「相手は、”さくらもち”なのですわ。
これじゃ、和洋のスイーツ対決なのですわ。」
京姫はくすっと笑い、
「それじゃ、そのお気に入りちゃんと遊んであげるなのですわ。
こてんぱんにしちゃっても文句言わないでほしいなのですわ、お姉ちゃん。」
横柄な言葉と共に、[はい]に触れた。
それから5分の準備時間の間、うざ絡みモードに戻った姉の話をいなしながら試合の準備を整えると、
「それじゃ、行ってくるなのですわ。」
と言い残して京姫が待機室に転送された。
「あれが発動すれば面白い事になりますね。
さくらもちちゃん、期待していますよ。」
誰も居ない部屋のスピーカーから受付嬢の言葉が流れ、通話が切れた。
如何だったでしょうか?
まさかあの人が、そんな地位に!?
では、なぜあんな事をしているのか?
は、なんとなく察して頂けるのでは、と思います。
次回は金曜12時更新予定。
さくらVSスフレの1戦。
楽しみにして頂けたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。




