第1戦:さくら、挑みます!(9)
第1戦の9を公開します。
戦闘体験前半です。
バトル初体験のさくらの実力は!?
当初考えてたのと全然違ったのですが、書いてるうちにさくらにこう書かされました。
さくらの活躍、楽しんで頂けたら嬉しいです。
(3)
概要説明が終わり、
「移動しますね。」
受付嬢の指示で壁の扉の前に移動した。
「この部屋と同じ仕組みのものが個室にも設置されてるの。
そこで戦闘訓練したり、技の練習したりしているわ。」
言いながら受付嬢は操作パネルを表示させて、扉の解錠ボタンに触れた。
「さ、入って。」
「はい!」
元気に返事して、さくら が扉を開けて中に入っていった。
スピーカー越しに受付嬢の声が聞こえてくる。
「これから戦闘人形と闘ってもらいます。
中央に描かれた円の中の青い線の所に立ってて。」
「わかりました。」
答える さくら の表情からわくわく感がだだ漏れて、期待感で目がキラキラ光っている、ように見えた。
「戦闘の結果でランクが決まるの。
高レベルと判定されたら、上位ランクに入れるわ。」
「それは、すごくすっごくすごいです。
私、すぺしゃるがんばります!」
張り切っている さくら を楽しそうに見つめながら、
「戦闘の経験はなし、でしたね。
年齢、運動能力を考慮して最初は”レベル20”で設定します。
それ程強くはないので、適当に攻撃してみて。」
対戦相手の設定を伝えた。
「”レベル20”ってどれくらいの強さなのですか?」
「そうねぇ、、ちょっと喧嘩が強い中学3年生の男子くらい、かしら。」
微妙に分かりづらい感じの説明だったが、
「そうなのですね、わかりました。」
答えた さくら は握った両手を顎の高さくらいで止める、ボクシングのファイティングポーズ的な感じの格好で構えた。
格闘漫画にハマり始めた頃、よく鏡の前でポーズをとったり、技の真似をしたりしていたので、割りと様になっていた。
程なく、少し間を開けて描かれた赤い線の所に さくら より少し体格の良い感じの戦闘人形が現れた。
完全に姿が現れると、
「戦闘、開始!」
受付嬢の掛け声と同時に戦闘人形が右拳を突き出した。
『右ストレートですね。なら、えっと、どうよけたら、、。』
なんて事を考えていると、
「みにゃっ。。」
見事に顔面で受け止めた。
衝撃で動きが止まる。
のを見逃さず、戦闘人形が さくら の頭をぽかぽか叩き出した。
まるで子供のような攻撃に、
「いた、いた、いたいですぅ。
ちょっとまってくださいぃ。。」
さくら は頭を抱えてうずくまってしまった。
「戦闘、停止!」
見かねて受付嬢が戦闘を止めて、
「う~ん、これは酷いですね。」
苦笑った。
戦闘人形の攻撃が止まり、亀が頭を解放し、顔を上げて、
「うう、漫画みたいになりません。。」
涙目になりながら呟いた。
さくら が格闘漫画から得ていた知識は、まったく役立たなかった。
どうやら、ちゃんと練習し、習得出来ていない事に対しては”ただのポンコツ”だったようだ。
「こんなの全然だめだめキングです。。」
落ち込みながらも、立ち上がった。
「まさか、ここまで格闘下手だとは思わなかったわ。」
受付嬢が少しがっかり気味の声を掛けた。
「ううう、すいません。。
もっと闘えると思ったのですが、スペシャルだめだめキングでした。。」
落ち込みまくる さくら に、
「とりあえず、もう1戦やりますね。
今度は”レベル5”、小学6年生の男子くらいの強さです。
これなら大丈夫、よね?」
受付嬢が大幅にランクを下げた。
「それなら大丈夫、だと思います。。」
語尾を濁しながら さくら が答えた。
気を取り直し、表情を引き締めて、構え直す。
「戦闘、開始!」
受付嬢が開始の声を掛けた。
『先手必勝、です!』
今度は さくら が先に仕掛けた。
ボクシングの要領で左拳を素早く動かし、機先を制するパンチ、”ジャブ”を放った。
シュッ
と、それっぽい風切り音がして、さくら の拳が戦闘人形の顔に当たった。
相手が怯んだ所に右の強パンチをぶち込もうとしたが、
ポコン
戦闘人形が怯まず突き出した右拳が さくら の顔に直撃した。
「うっ。」
と呻き声を漏らしながらも、今度は踏みとどまった。
ぱこん
突き出していた強パンチが戦闘人形に軽いダメージを与えた。
後は、
「この、この、この。」
さくら のめちゃくちゃなパンチとキックが炸裂??した。
戦闘人形も同じようなめちゃくちゃパンチキックで応戦し、子供の喧嘩状態になった。
今度は さくら も必死に頑張ったので、
「戦闘、停止!」
受付嬢が戦闘を停止した時、
「ぎりぎり、あなたの勝ちよ。」
と告げられた。
戦闘人形に一定量のダメージが蓄積されたので勝利となったようだ。
「はぁ、はぁ、はぁ。。
やり、ました。」
息を荒げながら さくら が笑顔で呟いた。
「でも、ランクは”E”ですね。」
「あはは、、そうですよね。。」
受付嬢の確定宣言に さくら が苦笑いで答えた。
如何だったでしょうか?
さくらの本性がかなり出てたかと思います。
ちゃんと練習すれば出来る娘、なんですよ。
ゼロからの成長を見守って頂けたら嬉しいです。
次回は金曜の12時更新予定。
戦闘体験の後半です。
よろしくお願い致します。




