プロローグ
真夜中…といってもそこまでではない。
…明るい月が城を照らし出している―――――
「どうされたのですか、お父様?こんな夜遅くに呼び出して」
その国の第1王女であるシェリーは小さく息を吐いて、目の前の王座に座る父親を真っ直ぐに見つめる。意思の強そうな目、迫力がある。―――少し怒っているからかもしれないが。
だが王は戸惑いもせずむしろ、穏やかに答えた。
「まぁ、お前たちを呼んだのは他でもないんだが………立ち話も疲れるだろうからとりあえずそこに座れ」
そう言われて、少女3人がゆっくりと近くの椅子に座り、その従者であろう少年4人が壁の近くに立った。先ほどの少女とはまた違う少女が少し焦るように王を促す。
「で、本題は何ですか?」
そこに王の妻である王妃がその少女――第2王女のレインビアを嗜めるように少し笑いながら口を挟んだ。
「そんなに急かさないの、レイン。お父様困っちゃうわよ?」
「お母様、レイン姉様はお父様が私達を呼ぶの珍しいからその理由を知りたいんですよ」
今まで何も言わなかった少女――一番下の妹で第3王女のリフィルが声をあげる。―――――そこに王がいきなり笑いだし、その"本題"という名の爆弾を解き放った。
「いや、うん、実は………」
「………………は?」
その瞬間、姉の少女2人とその従者達は一斉に眉をしかめたのだった。
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