呪縛
次の日、拓巳の帰宅を陽子に委ねて出勤し、詳しい内情を把握するべく恍星に連絡を取った。けれどもお互いの時間調整がつかず、会える運びになるまでに二日を要した。
仕事を終えた夜の十時すぎ、待ち合わせ場所の喫茶店に行くと、まだたくさんの人で賑わう店内の奥の席で恍星は待っていた。
「待たせたね。ごめんよ」
「いえ、大丈夫です」
慌ただしくオーダーを済ませ、座席に落ち着くと、僕はさっそく切り出した。
「じゃあ、知っていることを話してもらえるかい?」
少し俯き加減でいた恍星は姿勢を正した。
「今の状況が出来上がったそもそものきっかけは、塾でのトラブルだったようです」
「塾で……というと、そこの先生が拓巳に乱暴しようとした時のこと?」
「はい。そのあともたびたび似たような事件があったようで、高橋オーナーが『どうせいつか他人に奪われるなら、店で活用したほうがましだ』と」
「―――」
―――バキッ!
僕の手の中で、メモを取るために握っていたボールペンが折れた。
「ごめんよ。話を続けてくれる?」
折れたボールペンを脇によけ、ほかに書くものがないか上着を探っていると、目の前にスッとペンが差し出された。
「どうぞ」
礼を言ってペンを受け取ると、恍星が深いため息を吐いた。
「そんな風に、拓巳のために憤ってくれる人がいてよかった……」
「君の周りには話を聞いてくれる大人はいなかったの?」
「俺の立場では彼の担任の先生くらいしか思いつきませんがしたが、内容が内容なのでうまく相談できませんでした」
無理もない。或いはもし真摯に聞いてくれたとしても、寄付が物を言う私立学校の一教師が、あの高橋に太刀打ちできるとは思えない。
「じゃあ、その塾の事件のあったあと、去年の春頃から今のように店に出されはじめたんだね?」
話を戻し、再びメモを取り出した僕に恍星は頷いた。
「そうです。ただ、拓巳はホストという仕事に対してかなり強い抵抗感があったようで、初日の店内でオーナーに面と向かって反抗してしまいました……」
テーブルの縁に置かれていた恍星の手が僅かに震えだした。黙って待っていると、彼は手を握りしめ、意を決したように続けた。
「ご自分が築いてきた世界を拒絶し、ホストを侮辱した拓巳をオーナーは許しませんでした。『接客でもてなす気がないのなら仕方がない。別のもので補ってもらおうか』と言って、その場で数人の常連客の中から希望者を募り、拓巳を買わせたんです」
恍星はそこまで話すとたまりかねたようにうなだれた。
「俺はすべてを見ていながら、暴れて嫌がる拓巳が警備役の男たちに押さえられ、連れ出されるのを止めることもできませんでした……」
掠れた声でつぶやく彼の目には光るものがあった。
「それから二週間ほど経ったあと、オーナーから従業員にあのプラチナのシステムの説明がありました。店に出てきた拓巳はもうオーナーには逆らいませんでした。店で過ごす三時間、ガラスのような虚ろな目をして、じっと座っていました」
「…………」
想像を上回る過酷な経緯に息が詰まりそうだ。
「真嶋さん。あなたはすべてを知ってなお、拓巳を手元に置いてくれてますね。この前、話してくださった気持ちに変わりはないと思っていいんでしょうか」
「もちろん。拓巳は一刻も早く〈バードヘヴン〉から解放されるべきだ。いくら父親の職業を否定したからって、こんな仕打ちが許されていいものか」
「どうすればいいですか。何か打つ手があるんでしょうか」
今まで誰にも言えずに辛かったのだろう。恍星は大人びた態度を捨て、すがるように訴えてきた。僕は慎重に答えた。
「最初は父親にホストクラブで働かされていることを家庭裁判所に通報すれば、役所の人間が動くだろうと考えていたんだ」
「家庭裁判所に」
「でもこれはだめだった。拓巳はホストとして働いてないので言い逃れされてしまう」
高橋要はやはり切れ者なのだ。重大な違法行為は巧妙に隠されている。
「問題の虐待行為は外部、それもおそらくは密室。しかも対価を取ってないとあっては店の法律違反を問うのも難しいし、ホストをさせてないのだから、父親としての立場で『家では危ないので店に連れてきてます』と言われたら役人には踏み込めない」
恍星は食い下がった。
「よく歌舞伎町で売春行為の摘発をするように、現場に踏み込んでもらうというのはどうですか?」
僕は首を横に振った。
「未成年の性犯罪が即、警察を動かしての逮捕に結びつくのは女子に限るんだ」
「えっ! 男女で違うんですか⁉」
「女子は、子を産む性だから。男子にその被害はないから、余程の暴力行為が認められないとすぐには……」
「そんな……」
僕もそれを知った時は驚いたのだ。もし自分が被害を受ける立場だったら、そこに差がつけられることに納得できそうにない。
「他に何か手だては……」
恍星の悲痛な声が耳にこだまし、僕は正面から彼を見た。
「君はどこまで僕に協力できるの? お店での立場もあるんでしょう? 何か事情があってあの店で働いてるならそこもよく考えないと」
恍星は遮るように言った。
「心配はいりません。俺はプロのピアニストになるのに必要な費用を稼ぐために、仕事内容を承知して店に飛び込んだ身です。立ち回りはうまいほうです」
「そうか」
おそらくあの有名な私立学園の学費を自力で賄っているのだろう。彼も何らかの理由で親からの援助が見込めないのだ。しかし強い意志の力が彼には窺える。黒部オーナーとのやり取りを見る限り、頭の回転も早そうだ。
「わかった。当てにさせてもらうよ。話を続けよう。次に僕は拓巳の様子から、店の中で辱しめを受けていると思ったんだ。それなら君や他の人が証言してくれればなんとかなる、と考えていたんだけど……」
実際は密室で、証言者は相手か本人しかいない。犯罪に問われるのだから相手が口を割るはずもなく、とてもじゃないがこれを拓巳本人に人前で証言させるのは酷だ。へたをすれば心が壊れてしまうだろう。
「悔しいけど、今はあらゆる可能性を探って調べるしかない。ひとつ考えていることがあるから君にはそれを手伝ってほしい。ただ――」
僕が言葉を切ると、恍星が顔を上げた。
「それまで拓巳が無事なのかが心配なんだ」
あの日、震える体を支えながら鏡と壁の間に立ちすくんでいた拓巳の姿が脳裏をよぎる。
「僕からも聞くけど、さっき話した拓巳の様子で、手足がふらふらしていたというのは……」
探るように言葉を濁すと、恍星は目線を伏せた。
「教えてくれるかい?」
さらに促すと、伏せたまま彼は早口に言った。
「拓巳は抵抗して暴れるので……外出の時は手足の自由を一時的に奪う薬を使われることが多いと聞いています」
――やはり。
関口から不自然なという話を聞いた時、何か作為的な感じがしたのだ。拓巳の頭の傷跡は十中八九、その時のものに違いない。動きにくい体で逃げようして、倒れたりぶつけたりしたのだ。この前のように。
「………」
心構えしていたにもかかわらず、僕はしばらくの間、全身を駆け巡る怒りを押さえなければならなかった。
「……クロロフォルムかなにか、揮発性の高い薬剤を吸わされているんだね?」
「わかりますか」
「暴れるなら、それが一番手っ取り早いんだろうからね……」
握りしめた手を震わせると、恍星が共感の眼差しを寄こした。
「そんな状態でいるのに、調べている間、拓巳が持つのかが心配で……」
すると恍星は少しだけ顔を明るくした。
「真嶋さんの安心になるかわからないんですが、先週、ようやく強力な助っ人を拓巳に紹介できました」
「助っ人?」
「同じピアノ科の後輩なんですが、ちょっと特殊な生い立ちをしていまして。拓巳の置かれた立場をよく理解できる人物です。拓巳の顔にも性格にも頓着せずに話ができます」
「へえ……」
拓巳の美貌に怯まないのなら、かなり強い精神の持ち主だろう。
「俺では拓巳の相談相手にはなれないので、今までは手をこまねいているしかありませんでしたが、後輩を介することでアドバイスが伝わるようになりました」
「えっ? 君は拓巳の相談相手じゃないの?」
驚いて尋ねると、恍星は苦いものを呑み込んだような笑みを浮かべた。
「拓巳はホストを嫌ってます。それはもう……心の底から」
「―――」
「それでも、俺のことは他の仲間たちよりは許容してくれていますが、触れることはできません。たとえ具合が悪くても身を捩って拒否します」
「……それは」
「ホストに限らず、彼にとって〈男〉という存在は、もう許容する余地もないのでしょう」
心から嘆息する恍星の姿に、無念と、幾ばくかの悔しさが滲み出ているのが感じられた。
「僕の知る唯一の例外が真嶋さん、あなたです。そしてその後輩と、二人いれば、今までよりはだいぶ心強いと思います」
その言葉に、今はただ頷くしかなかった。
恍星と会った次の日の夜、泊まりに来た拓巳と居間で食事を摂ったあと、僕は自分の意思を伝えた。
「あの店と高橋要から君を引き離してみせる」
部屋の真ん中に置かれたローテーブルを回り込み、夏用に敷いた藺草マットに膝を抱えて座る拓巳の隣に腰を下ろすと、不安げにこちらを見ていた彼は顔を伏せた。
「ごめんね。今日まで何も言わなかったから不安に思ってたでしょう」
「………」
前髪の間に覗く横顔が内心を言い当てたことを語っていた
「ずっとね、君のためにどうすることが一番なのか、僕に何ができるのかを考えていたんだ」
「……?」
顔を上げた拓巳の目を僕は正面から捉えた。
「恍星君から、お店での拓巳のことをすべて聞いたよ。それで決めたんだ。どんなことがあっても君を支えようって」
僕は諦めないよと告げると、拓巳のけぶるような眼差しがだんだん滲んできた。
「どうして……そんな風に言ってくれるんだ……?」
こらえ切れなくなったように両手で顔を覆い、肩を震わせながら拓巳は言葉を吐き出した。
「俺には、芳弘にそこまでして助けてもらうような価値なんてない」
「拓巳……」
背中をさすると彼は膝の上に突っ伏した。
「どうせ俺なんて、大人どもの玩具になるくらいしか役に立たないんだ」
「………っ!」
――一体、どんな仕打ちを加えれば、こうも悲しい言葉を吐く子どもが出来上がるのだろうか――。
強烈な反発心に胸を焼かれながら、僕は拓巳の頭を両手でそっと持ち上げた。
「あの人に言われたんだね?」
「芳弘……」
「ホストとして使えない君を、そう言って蔑んだんでしょう」
途端、薄い色をした二つの瞳から涙がどっと溢れた。
「うまくできたらと思うんだ。他のみんなみたいに。これ以上、父さんを怒らせたくないから。でもできないんだ!」
顔を歪ませる拓巳を胸に抱きしめると、彼はすがりついて泣いた。
「どうしても嫌なんだ! 楽しく喋るなんてできないんだ! うまくかわそうと思っても、相手が目の前に来ると体が勝手に逃げて……っ」
喘ぐように息を継ぐ音を聞きながら、僕は言葉もなくその慟哭を受け止めた。
「……結局最後はいつも薬を嗅がされて、気が遠くなって……その繰り返し……」
そうこぼす拓巳の背中をさすりながら僕は呻いた。
「間違ってる」
拓巳の肩が揺れた。
「絶対間違ってる。そんなの親のやることじゃない。僕は断固として認めない。君が正しいんだ」
「芳弘……」
「君の感覚こそが正しいんだ。嫌であたりまえだ」
すると拓巳は首を横に振った。
「でも父さんは、店の新人ホストは自分の成績を上げるために、みんなそれを受け入れてちゃんとやってると」
「なんだって?」
「そうやって努力して、すぐに接客だけでちゃんともてなせるようになって自分の身を立てている。俺は甘えてるんだと……」
「そんなバカな。そんな常識から外れた言い分、世間に通用するもんか!」
我慢しきれずに声を上げると、拓巳は腕の中に身をすくめた。
「で、でも『おまえは私の息子なのだからできるはずだ』と」
「………」
そうして拓巳は父親から吹き込まれた言葉を取り出しては紡いでいった。内面に溜め込まれたそれらの歪んだ考えが彼を縛りつけ、結果、今の束縛を実現させたのだと知れた。
悔しい――!
今すぐにでも拓巳を連れてしかるべき役所に駆け込み、あの店から、あの男のもとから引き離したい――。
いくらそう望んでも、僕の立場では太刀打ちできないのだ。相手は父親、たとえ一時、役所に保護されたとしても、すぐにまた連れ戻されるだろう。そしてさらに過酷な扱われ方をされるに違いない。――あの時のように!
ふいに心の奥底に焼き付いた過去の残像が目の前をよぎった。
(ありがとう。芳弘だけだよ、気にかけてくれるのは)
失われた過去。救いたかった彼。僕を粉々にしたあの衝撃の日々。
(いいんだ。うまくできない僕がいけないんだよ)
――そんなはずはない、春樹。校長先生に言おう!
(もう少し頑張ってみるから)
――だめだ! あいつはおまえを嬲っているだけだ!
(そんなことはないよ。きっと僕を鍛えようとしてくださってるんだよ)
――嘘だ! このままじゃおまえの身が持たなくなる。心配なんだ。
(大丈夫。でも本当に困ったら、その時は言うから――)
(大変だ! 真嶋、梶野が!)
「……っ!」
「芳弘……?」
思わず腕の力を込めた瞬間、拓巳の声が届き、一瞬さらわれそうになった心が現実に引き戻された。腕の中を覗くと、睫毛を濡らした瞳がこちらを不安そうに見上げている。
――焦ってはだめだ。どんなにそれが間違っているのだとわからせたくても、一度染み込んだ呪縛はなかなか解けないことを僕はあのとき学んだはずだ。
救えたはずの命はあっけなく散った。だからこそ、空っぽだった僕に再び力を与えてくれたこの魂を、今度こそ確実に解き放つためにやり方を誤ってはならない。
「君がそう感じてしまうのは君のせいじゃない。だから、今はこれだけ頭に入れておいてほしい」
僕は少しでも拓巳の心に届くよう祈りながら言い聞かせた。
「僕は、ある事件でひどく……傷を受けた。正直なところ、君に出会うまでの一年半はただ息をしていただけだったと思う」
「助けることに失敗したって言ってたやつか……?」
「そう。それを君が救ってくれた。君自身にはきっとそんな自覚もなかったと思うけど、本当にそうなんだ」
だから、と僕は頬に手を添えた。
「少なくとも僕にとっては、君は大切な価値ある存在になっているんだよ」
拓巳の切れ長の瞳が少し細められた。
「それだけは心に留めておいてね」
そのまま手を頭に滑らせてなでると、彼は小さく頷いた。
やがて季節は夏本番を迎えた。
夏休みに入っても拓巳の生活に変化はなく、平日は僕のもとに来て、土日は〈バードヘヴン〉に出勤する日々が続いてた。
そして日中は恍星から紹介されたという〈助っ人〉なる生徒が使う、ピアノ科の個室で安心して過ごしているようだった。
「へえー。毎日学校にいるんだ、その人。見学させてくれるの?」
すると拓巳はナゼが困惑した様子になり、ポソッと意外なこと言った。
「個室に通いたければ理由を作れと言われて……秋の音楽会の有志部門のオーディションを受けることになった」
「音楽会のオーディション?」
「ユニット組んでやるからボーカルをやれとかいって、ボイストレーニングをやらされてる……」
拓巳が歌? 意外すぎる。
「君はそれでいいの?」
「家にはいたくないから……」
確かに、夏休みの昼間中、家であの男と顔を付き合わせていられるより、僕も安心できる。それに、霞ヶ丘学園の音楽コースの生徒のレッスンなら拓巳の無駄にはならないだろう。
「そう。じゃあ、もし受かったら教えてね。聴きにいくから」
頑張ってね、と声をかけると、その乏しい表情が僅かにほころんだ。
一方で、僕の練習は一気に進んでいった。
本来、練習用の模型で訓練を積むようなヘアアイロンやピンワークまで本物の髪で練習させてもらったので、テクニックは速い速度で上達した。とはいえ最初の頃は拓巳のサラサラした髪が仇になり、うまく形にならずに何回もやり直して髪を痛め、見かねた関口に「少しは加減してやれ!」と怒られもしたのだが。
夜の練習に関わるスタッフとは後日、話し合いを持った。
拓巳の美貌がバレた以上、そのまま練習を続けるのは不可能と判断し、紺野由梨花、赤堀夏希の二人に、あの日には来ていなかった松沢樹里を加えた三人を味方につけ、深澤瞭を牽制してもらった。
「一目見るくらいならいいじゃんか。もう追いかけないからよ~」
「だめっ! 信用ならないわ。少なくとも二ヶ月は、拓巳君のいるカウンセリングスペースの半径二メートルに接近することは禁止よ!」
赤堀や紺野に噛みつかれては深澤もそれ以上は踏み込めないようだった。
代わりに三人には僕の練習時間に一人ずつ順番で立ち合い、技術チェックをしてもらうことにした。
拓巳の扱いを巡って起きた家政婦事務所事件や数々のトラブル、そして父親との確執を僕からかいつまんで聞かされた彼女らは、僕が何を願うより早く、自分たちで話し合ってルールを作った。
「あくまでも指導トレーナーとしてモデルに接すること。それができないなら彼には近寄っちゃダメよ」
どうやらお互いを戒めることで抜け駆けを牽制しようというアイデアらしい。そうすることで、なんとかこの稀なる美貌を持った少年を店に留め、少しでも気持ちよくともに過ごせるようにと努力してくれた。
拓巳も、女性スタイリスト一人が指導のために立ち合う分には何の問題もなかった。問題があるのは常に相手の態度なわけで、普通に接してくれる分には構わないのだからあたりまえだ。
もっとも、練習が終わると、それまでカンペキな指導者に徹していた先輩が途端に平常心をかなぐり捨て、
(キャ~ッ)
と声なき声を上げながら、フロア奥で深澤を監視しつつ練習する他の仲間のもとへと駆け去り、何やら興奮した様子でコソコソとその感動を表すのまでは止められなかったが。
黒部オーナーもあれ以来態度が変化した。
夜の練習時間に顔を出す機会が増えた気がするが、直接拓巳の前に姿を見せるのは避け、「よっちゃん、ちょっといらっしゃい」と言っては少し離れた場所で指導した。
「あの、それでしたらモデルで実演していただければ……」
あまりの遠慮ぶりに一度申し出てみたが、黒部は少しだけ考える素振りを見せたあとで、
「そうね。いずれあなたがコンテストに出る時が来たらそうするわね。でも今はまだよしましょう」
と言い、深澤や紺野らのもとへ僕を連れ出してはそのテクニックを披露するのだった。
そんな風にして日々が過ぎ、夏もピークに達した頃、次の試練が拓巳を襲い、僕はそこで〈助っ人〉なる人物と顔を合わせることになった。




