お出かけ①
むにゅむにゅ
自分の手を握ったり開いたりしているイザベラ。飽きないのか?横にいるたまちゃんは、まだ寝ているようだ。かすかに尻尾が動くと、それを見つけたイザベラは握ろうとする。寝返りで目を覚ましたたまちゃんは、尻尾を守りつつ身体を入れ替えてイザベラの方をむくと顔をひとなめして朝のご挨拶
「にゃぁ-にゃぁ-」
つられてイザベラも
「あーあー」
イザベラとたまちゃんが声をだすと、横のベッドで寝ているマーリンが目を覚ます。
「おはよう」
と、声をかけ身体を起こしひとつ伸びをする。
「今日の天気はどうかしら?」
と、つぶやきつつ窓の方に身体を向け、カーテンを少し開ける。いい天気ね… と、思いつつ横を向くと、窓辺でくつろぐプナちゃん。なあに?と、いう感じで顔を向ける。ベビーベッドから下りたたまちゃんはプナちゃんとも朝のご挨拶。
「イザベラ。今日はいいお天気だし少しお散歩行こうか?」
「うーうー」
「にゃぁ にゃぁ」
「もちろん、たまちゃんも一緒よ。プナちゃんどこがいいかしら?」
と、いうと、魔法で出した簡単な地図の二カ所を爪で指した。湖と北の集落だ。
「北の集落にしようか?イザベラの髪も伸びてきてるし、何かかわいい髪留めが欲しいわ」
と、いうと、たまちゃんがそわそわしてマーリンの周りを歩き
はやく-はやく-
って感じでせかしだす。たまちゃんの大好物があるのだ。
「あらあら、ご飯食べてからよ」
と、マーリンが言うと、嬉しそうに
「にゃぁ」
と、声をだすたまちゃんと、つられて
「あーあー」
というイザベラの声が愉しげに部屋中に響いた。