ネコと
「ぁーぅー」
「にゃぁーにゃぁー」
「ぁ ぁ ぁー」
「にゃぁ にゃぁ」
数日後の賑やかな朝
イザベラのベビーベッドの横で寝ていたマーリンがうっすら目を開ける。まどろむ中イザベラの頭を撫でながら
「あらあら賑やかさん達ねー起きたの。おはよーイザベラ たまちゃん」
「ぁー」「にゃぁ」
身体を起こしベッドのふちに腰掛ける。そこへ柔らかなノックの音が聞こえた。「どうぞ」
入ってきたのはダイロスだ
「おはようマーリン」
「おはようあなた」
「ぁー」「にゃぁ」
「ははは…おはようイザベラ たまちゃん」ダイロスの召喚獣 くろちゃんが続いて入ってくる。マーリンはひと撫でする。くろちゃんは目を細めるとイザベラとたまちゃんのベッドに顔を近づける。ぽすっ…という音とともに肉球が鼻に当たる。ダメージは皆無だ。ふんふんと匂いを嗅ぐと、もともと部屋にいたマーリンの召喚獣ぷなちゃんの横に移動する。ぷなちゃんは部屋の隅日当たりの良い窓のそばでカーテンから顔だけ出してこちらを伺っていた。鼻と鼻で挨拶をかわすと同じように横に伏せる。と、
ドタドタすってーん
((こけたな))
5秒後ノックの音が「おはようございます。皆様お食事の準備が整いました」
「おはようアーニァ。では食堂に向かおうか。今日はオレの抱っこの番だったな?」
そう言って嬉しそうにイザベラを抱き上げる。
「きやっ きやっ」
イザベラも嬉しそうに声をあげる。のっそり立ち上がった2頭にたまちゃんが飛び乗り準備完了だ。しばし歩くと扉の前でサドスがノブに手をかけて待っていた「皆様おはようございます」と言ってドアを開ける。中ではタニアがテーブルに準備をしながら
「おはようございます。席についてお待ちください。すぐに用意します」
と、手際よく食器を並べ始める。
「ぐぅー」
小さな音がした。みんながイザベラを見たが、隣りの少女が顔を真っ赤にして下を向いた。犯人はわかった。だが,そこは大人クオリティ。無かったことにして席につく。くろちゃんとぷなちゃんは、魔力で構成されているので食事は不要だ。たまちゃんは床のボウルでミルクだ。
「ぐぅー」
イザベラの音だった。たまちゃんはミルクを飲むのをやめると、そっと前足でボウルをイザベラの方に動かす。
「いいのよたまちゃんイザベラはまだおっぱいなのよ」
そう言ってボウルをたまちゃんの方に戻すと、ダイロスの膝の上にいたイザベラをゆっくり抱き上げ退室していく。ほのぼのとした食事は、
「ダンダンダン」
けたたましいノックの音で終わりを告げた