解離5-夜-
掲載日:2026/10/16
私が
そうしていいと言ったから。
寝ているときならいいと言ったから。
窓の外は暗く、街灯の明かりで木のシルエットが浮かび上がっている。
風に揺れて動くその影と、窓の手前にある衣装ケース。
もしくは
部屋の入口や天井付近からの景色。
自分の視点ではありえないのに実際に見たように思い出せる。
冷たいシーツ
毛布の重さ
気配と
確かな感覚
息遣い
お酒を飲んで寝た日は、朝になって何も覚えていないことが多かった。
今考えると、覚えていない日がだんだん増えていたと思う。
どうでもいいことのようにも感じられた。
どうせ許可したのは私だ。
でもある朝、何も飲まずに寝たのに記憶がなかった。
私は何を許可したのか。
何を
どうでもいいと
手放したのか
それでもまだ、解離に気がつくのはずっとあと




