表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《殲滅の魔女》は虚弱体質 〜魔力無限の最強魔導師ですが、コミュ障なので学園潜入任務はお断りしたいです〜  作者: ことりとりとん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/46

40.補習



 そんな、みんなの憧れ《殲滅の魔女》キアラ・レンツァーは、補習に追われていた。実技と魔力量は学年2位なのに。


 補習は学年ごとにひとクラスに集められ、該当科目のプリントを解いてからテストをして、そのテストが満点になれば帰れる、というシステムだ。

 ひと科目3日なので、終わった人は来なくなる。


 初日には25人ほど居て、一割弱が赤点取ったのなら自分も仕方ないか、と思ったのに、一科目が終わった4日目にはガクッと人が減っていて、暗い気持ちになった。


 そして、補習開始から一週間以上が経った今日は、たった5人しか居ない。

 キアラは5科目中3科目が終わるところだからまだ折り返したばかりだというのに。


「やったー!おわり!」


 合格を貰って喜んでいる女の子を見て、キアラは羨ましくなる。ついに女子は自分だけになってしまった。


 しかも、話を聞いているとほかにも3人は今日で終わるらしい。

 いいなぁ、と思いながらそちらを見ていると。


「なぁ、お前あと何科目あるんだ?」


 今日で終わらない、と言っていた男子に話しかけられた。


「……ぇっと、あと、2科目ある……」


「えっ? 学年2位だよな? 生徒会だし、途中来れなかったとかそういうやつ?」


 学年2位なのはあくまで実技だけ、とキアラは思っているが、普通座学の理論を知らずに魔法を使うことは不可能なので、実技が出来る=座学も出来る、はずなのだ。


「……ずっと、来てる……全部で、5科目……」


「えーっ! やば〜い! グレイより下じゃん!」


 合格を貰って喜んでいた女子にまでそう言われてしまった。


「俺はグレイ・スカー、赤点は4個。グレイって呼んでくれよ。よろしくな!」


 自己紹介内容が赤点数、というのも物悲しいが、本人は至って元気そうだ。

 というかこういう気にしない性格だからこそ、赤点を取りまくっているのかもしれない。


「……ぇっと、、キアラ、です……赤点は、5個……よろしく……」


 なんだか仲間な気がしたので、たどたどしいながらも自己紹介を返したら。


「黙って補習をするように! 成績が悪いなんて理由で仲間意識を持つなど、言語道断だ! 次は絶対に赤点を取らず、補習を受けないようにしろ!」


 前で監督をしていた先生に怒られてしまった。


「特に、スカー! お前は授業中の態度も含め、悪すぎる! 反省しろ!」


 名指しで怒られても尚、キアラに向かってペロリと舌を出すような奴だからこそ、補習になっているのだろう。

 故郷の村の初等学校にもこういう男子が居たな、と懐かしくなる。


 そして次の日には、グレイと二人だけになってしまった。

 昨日とは別の教師は怒るのを通り越して、最早呆れ顔だ。


「お前ら、補習何教科あるんだ? 早く終わらしてくれよ」


「俺は4科目だけどな〜」


 意味深に笑うグレイが、ちらりとキアラを見る。


「……5科目、です……」


「はあっ!? キアラ、お前はどうやって魔法を使っているんだ??」


 心底不思議そうに教師が訊くが、キアラにも分からないので黙り込む。


 補習は罰の意味もあるので1日にプリント1枚ずつ進め、最低でも3日間拘束されるが、それではキアラはまだまだ終わらない。


「あとの日程は俺の担当なんだが、キアラ一人のために来るのはめんどくせぇ。

 今日から1日2枚渡すから、3日で終わらせろ」


「……はぃ、す、すみません……」


 自分のために手間をかけさせて、申し訳なくて縮こまるキアラに、


「じゃあ一緒に終われるな! 良かったじゃん!」


 そう言って自分の事のように喜ぶグレイは、やっぱり故郷の村の男子のようだと思った。


「……ぁの、グレイは、どこのクラス……?」


 今日の分のテストが終わり、とっとと先生は居なくなったので、勇気を出してグレイに聞いてみる。


「俺はDクラスだぜ。というか成績順でクラス分けされてるから、補習に来ているのはほぼDクラスだな。

 ちょっとだけCクラスの奴もいたけど、Aはキアラだけじゃね?」


「……ぅん。座学、分からなくて。でも、がんばる」


「おう! 一緒に頑張ろうな!」


 ぐっ、と握りこぶしを差し出されたから、それに自分の拳をぶつける。

 魔法兵団で見かけたことはあったけれど、自分がやるのは初めてで、グレイと仲間になれた気がした。


 他のクラスの友だちが出来たのなら、補習も悪くなかったかも、と純粋に喜ぶキアラだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ