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《殲滅の魔女》は虚弱体質 〜魔力無限の最強魔導師ですが、コミュ障なので学園潜入任務はお断りしたいです〜  作者: ことりとりとん


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38.魔法陣作成依頼



 翌日、アズーラ中尉との勉強中に届いた魔法陣は、キアラのローブの背中全面に固定化している魔法陣よりもまだ一回り以上大きいものだった。


「……ぇっと、大きすぎませんか……?」


 図案さえ作ってもらえたら自分で刺繍をしようと思っていたが、とてもじゃないが無理そうだ。


「ええ、それだけの威力のある魔法ですからね。更に、魔力維持用の魔法陣もあります」


「ぇっ」


「そして、維持の補助魔法陣はメインの魔法陣1枚に対して4枚必要で、全部で5枚セットですね」


 気軽に言うが、とんでもない作業量だ。


「……むり、です」


「しかも、刺繍で固定化したあとにかかる魔力は途方もない量だそうです。これを作った本人も、運用は現実的ではないな、と笑っていましたよ」


 キアラでも思いつく程度のことをやっていないのには、それだけの理由がある、ということか。


「ぇっと、これ、紙じゃダメですか……?」


 今図案として扱われているこれも、魔法陣ではあるので魔法を込めることが出来るはずだ。


「紙の魔法陣を運用するのは非常に難しいです。掠れや汚れがあれば、魔法は起動しなくなりますから、極めて丁寧かつ繊細に取り扱わなければなりません。

 そして、発動しないだけでなく、暴発する危険性もありますから、レンツァー師のような強力な魔法を紙に込めるなど、恐ろしくて出来ませんね」


 紙にインクで書くならまだ出来るか、と思ったけれとそうもいかないらしい。


「現状、魔境への対応で魔法兵団は大忙しです。装備部でも、これだけの裁縫をしている時間はないそうですよ」


 そりゃあそうだろう、とキアラも思う。

 軍人なのだから、裁縫をするヒマがあれば戦闘訓練をしてほしい。


「……ちなみに、ひとつだけでも、欲しいですか?」


「レンツァー師、本当に作る気ですか? もちろんあれば嬉しいですが、正気の沙汰ではありませんよ?」


 途方もない時間と労力がかかる作業量に、アズーラ中尉は懐疑的だ。


「……ぇっと、魔法学園の、手芸部の先輩たちなら、してくれそうだな、って。

 今、文化祭に発表するものを、考えてるんです。

 これ、一個作ってくれないなかぁ、って。

 文化祭の間は手芸部に返すから、いらない時は、私に、貸してほしい」


「なるほど!」


 キアラとしてはやってくれそうな相手を考えただけだが、アズーラ中尉にとっては意外な提案だったので、目を輝かせている。


「……アズーラ中尉が、イヴ先輩に、頼んでくれませんか? 手芸部は、予算を付ければ、やってくれると、思います。

 おかねは、私が出すので」


 予算にうるさいルチアなら、報酬の額によっては全力でやってくれるだろう。

 活動に使う額もある程度知っているので、金額の塩梅を考えられる、とか色々考えたのだが。


「いえ、学園の生徒へ依頼を出すのは、非常に良い案だと思います。

 民間への委託は、情報漏洩の観点から推奨されませんし、何より魔法陣への理解のなさから些細なミスに繋がりやすい。

 しかし、学園の生徒なら、魔法陣のことは当然ながら知っていますし、卒業後も国家機関で働く人がほとんどなので情報漏洩が問題になりにくい。

 また、自分が定期的に監視に行くことでクオリティを維持させられますし、万が一の時に自分が学園に入る建前も出来ます。

 なんと素晴らしいアイデアでしょうか!!」


 滔々と語るアズーラ中尉は目を爛々と輝かせており、少し気味が悪いほどだ。


「ぇっと、でも、やってくれるか、分かりません……。報酬があれば、ルチア先輩が、やってくれるかも……」


 不安になったキアラがそう言うと。


「いえ、魔導六師《殲滅の魔女》キアラ・レンツァー師直々の指名依頼を、断ることなど絶対にありませんよ!!

 お任せください、イヴを通さずとも、魔法兵団から学園に依頼します。

 前例の無いことですが、早急に会議を通します!!」


 やる気に漲るアズーラ中尉は、キアラとの勉強を放ったらかして、部屋を出て行った。

 その背中をただ見送ることしか出来ないのであった。



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