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《殲滅の魔女》は虚弱体質 〜魔力無限の最強魔導師ですが、コミュ障なので学園潜入任務はお断りしたいです〜  作者: ことりとりとん


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29.武闘大会



 そうして迎えた武闘大会当日。

 めぼしい新人をスカウトしようと軍の上層部の人達が来ているので、それに見つからないよう、キアラはコソコソと動く。

 極秘任務なので潜入していることがバレてはいけないが、向こうはきっとキアラの顔を知っているからだ。


 4試合同時に行うので、魔力供給が必要なのは結界4面分。キアラにとっては全く問題なく余裕で維持できる魔力量だが、これが余裕だと言うことがバレるのはさすがにまずい。


 といいことで、一面を担当に割り振ってもらい、魔力供給をしながらのんびり観戦することにした。

 起動石の真横が座席なので、最前列で見れるのは役得だな、とキアラは密かに喜ぶ。


 そうして準備が終わると校長の挨拶があり、その後ルチアの司会で試合が始まった。


 最初は1年生の準々決勝、1~4組だ。

 出場は全員Aクラスなので、クラスメイト同士の戦いはキアラとしても楽しみだ。


 と、キアラは呑気に観戦しているが、結界維持が自分の仕事だという自覚はあるので周りの様子もきちんと見る。


 隣のコートは3人で動かしているが、少し魔力が足りなさそうだったのでこっそり足しておいた。

 こういう時、魔力操作を練習しておいて良かったな、と思うキアラだった。


 次は準々決勝5~8組で、ついにエルデの登場だ。

 天才として入学前から有名で、今回も優勝候補筆頭だというエルデは人気者で、応援もかなりの熱量だ。


「エルデく〜ん! 頑張ってぇ〜!」

「うぉっしゃあ! エルデ、いけー!」


『……□□□□□□□……弾けろ、炎っ!』


 声援が飛び交う中、実習の予選の時と同じく、特大の火魔法一撃で勝敗が決まった。


 (やっぱり、エルデ君は凄いなぁ)


 感服するキアラだが、特大とはいえ密度はそこまで高くないので、人間相手なら一撃だが、魔獣相手なら3~4発必要だ。

 一撃で魔境の魔獣を屠れるキアラはもはや異常だと言える。


 そして試合は進み、1年生の決勝はコンラート・エルデvs学年3位のノーマン・ブライト。

 キアラの後ろの席の少年だ。


 キアラは2人とも知っているので、試合の行方が楽しみで仕方ない。


 ここまで火魔法の一撃しか使っていないエルデに対して、ブライトは手数の多さと素早さで勝ち上がってきた。しかも、得意属性は水魔法だ。


 (どうなるのかなぁ……。エルデ君より、ブライト君の方が初撃は速そうだけど。

 エルデ君、まだ1回もダメージ食らってないけど、ブライト君は対抗出来るのかな)


 ここまでの3試合と予選、その全てで一撃も受けていないのはエルデだけだ。

 その戦いは圧倒的で、天才と持て囃されるのも頷ける。


 (もしかして、エルデ君が勇者だったりするのかなぁ……)


 キアラですらそう思うほどの相手に、ブライトがどう戦いを挑むのか。期待が高まるのだった。


『試合、始めっ!』


 審判の教師の掛け声で、試合が始まる。


 毎回エルデは開始と共に詠唱を始め、相手の魔法が構築されるよりも速く編み上げて撃つのが定石だったが、今回は違った。


 ブライトの方が魔法構築が速い上、エルデの大火力はとにかく詠唱に時間がかかる。


 だからこそその間が勝負だとブライトは意気込んでいたのだが、エルデは今までと違う動きを見せた。


 火魔法を纏わせた剣での突撃。

 特に決闘部が好きな戦術だが、速さと正確性はかなり高い戦法だ。

 欠点としては、ダメージをくらいやすい事。


 そして、虚をつかれたブライトはバックステップで何とかかわすものの立て直すのに時間がかかる。

 その隙に細かな魔法を使い着実にダメージを重ね、剣戟の合間に詠唱をした大型火魔法で決着がついた。


 (うわぁあ! やっぱりエルデ君は凄いなあ!)


 見ていたキアラは感動している。

 毎回特大魔法を放つことで、今回もそうだと思い込ませたのも、それを覆してからの剣戟と魔法の使い方の巧みさも。

 キアラには絶対真似出来ない芸当だった。


 (詠唱しながら剣を振るなんて、すごいっ!)


 そもそも剣を扱うことすら出来ないキアラにとって、大爆撃以外の戦法が使えるというだけで憧れだ。


 しかも、周りでもみんなが口々に褒めたたえているので、友だちが褒められて、なんだか自分まで嬉しくなるキアラだった。



 そうして1年生の優勝は前評判どおりコンラート・エルデに決まり、次は団体戦の準決勝だ。


 一対一だったそれまでの試合と違って、4団体でひと試合をするので合計16人も同時に結界内に入る。

 当然同じ大きさでは狭いので、団体戦用に空間を広げる魔法があるのでそれを起動する。


 試合用の結界は異空間にあるので、構築が大変な上、使用に魔力を使うけれど、それさえ出来ればかなり自由度が高いのだ。

 他のコートは維持の人を入れ替えて、更に他の人も入れて空間を広げる魔法を展開している。


 ひとりでやって、目立っちゃったかな、と今更気づいたキアラだが、誰にも言われなかったのでまあいいだろう、と自分に甘めのセーフ判定を出した。


 団体予選には、キアラの知り合いでは決闘部のイヴ、バトルクラブのウェブが出場している。

 カリナはバトルクラブに入ったものの、部内予選で落ちたのだ。


 バトルクラブは部内予選で最強4人組を作って出場するが、落ちた人同士での出場も一応可能だ。

 だが、カリナ曰く『実際問題、ボロ負けしてんのよ? 勝てるワケないのに出てどうすんの』との事で、敗者同士の出場は少ない。


 エントリー自体は自由参加だったので、放課後に実施した事前予選の段階では、お気楽な団体もそこそこ居た。

 だが、そういった友人同士の記念出場的な人々は、予選を勝ち上がっては来られない。


 結果的に、今日の武闘大会に出場しているのは、どこの軍隊だと思うほど統率のとれた団体ばかりだ。


 (確かに、これならスカウトに来る意味も分かるなぁ)


 来賓席にはキアラの見知った顔も居る。

 決してヒマではない彼らがわざわざ来るほどの意味のある大会なのだと改めて思った。



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