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俺の親友が異世界へ行くらしい  作者: 音無響一


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001.異世界転移

「おお?ソウちゃん無事か?ここは⋯どこだ?」


「日本⋯⋯⋯じゃなさそうだよな。タダシ君も無事そうだな」


「2人とも無事で一安心だな。日本では明らかに見たことない植物とかあるな」


「これ⋯⋯⋯マジで異世界きた?」



足元には鬱蒼と繁る雑草⋯雑草だよな?


ギザギザじゃんこれ。


こんなん皮膚切れちゃわね?


しかも俺たち裸足だぞ。



「タダシ君、異世界きたなこれ」


「来たね。ついに俺の時代が⋯異世界と言ったら⋯⋯⋯⋯」



何ブツブツ言ってんだタダシ君は。


そんなに異世界に来たかったのか?


ここは森なのか?ジャングル?


着の身着のままで来てるから、街とか村じゃないとやばそうなんだが⋯⋯⋯








ドアの前で手を合わせた瞬間、俺達は漆黒の穴に吸い込まれた。


ジェットコースターで落ちてる時に似たような浮遊感を感じた。


俺の苦手な感覚だ。


不快感を感じたと思ったら目の前に広がる見たこともない植物。


キョロキョロと辺りを二人で見渡している。



「ソウちゃんソウちゃん!とりあえずどーする?!」


「はぁ?どーするって、どーすんだよ!タダシ君が行く気満々だから、なんとかできるのかと思ってんだけど?」


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


「何黙ってんだよ」


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


「何とか言えや」


「よし、1回準備しに戻ろーぜ!」


「え?どうやって?」


「ん?そりゃさっきの穴から」


「ゑゑゑゑゑゑゑゑ!」


「おいおいソウちゃん、えがゑになってんぞ。オシャレか」



引っぱたきてぇゑゑゑゑゑゑゑゑ!


まじか。


こいつまじで言ってんのか?



「ないじゃん、もう穴ないじゃん!」


「あっれ~、あはは、じゃあしゃーないな」


「何笑ってんだおめえわよ!」


「まぁまぁソウちゃん、異世界転移と言ったらサバイバルは定番だろ?こっからこっから!」



なんて能天気なんだコイツは⋯⋯⋯


コイツを野放しにしたら即死してしまうんじゃなかろうか。


俺がしっかりしないとなのか。


サバイバル経験なんて皆無なのにどうすんだよ。



「おっ、ソウちゃん木の根元にキノコがあんぞ!ラッキー、食料ゲッツ」



おいおい、裸足で普通に歩き回りやがった。


いつからタダシ君は野生児になったんだ?


しかもキノコて。


絶対毒あるパターンだろ。



「落ち着けタダシ君!食べんなよ!」


「ははは、食べるわけないだろ!俺がキノコ系全般嫌いなの忘れたか?」



引っぱたきてぇゑゑゑゑゑゑゑゑ!



「嫌いなら手に持つなよ!触るのも危険なものもあるかもだろ!ここは異世界だぞ?迂闊に触ったらまずいかもしれんぞ」


「ははは、ソウちゃんに食べさそうと思って。だめ?」



引っぱたきてぇゑゑゑゑゑゑゑゑ!



「ダメに決まってんだろ!毒あったらどーすんだよ!」


「ははは、気合いでなんとかなるっしょ」


「そうか、気合いか。最終的にはなんでも根性論だもん⋯⋯⋯なわけねーだろ!」


「おっ、異世界に来てもツッコミが冴えてんね。こんなとこでもノリツッコミとは⋯さすがソウちゃん!」



引っぱたきてぇゑゑゑゑゑゑゑゑ!


やばい、殺意すら芽生えて来そうだ。



「まぁ落ち着けよソウちゃん。ここは異世界だぜ?いつものテンションじゃ死ぬ可能性すらあるかもしれんぞ」


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」



よしコ〇ス。







ソウシの殺意がMAXになり殺気すら放ちそうになっていると、タダシが急に真顔になり声を低くする。



「ソウちゃん⋯⋯⋯やばそうだ」


「な、なんだ?何が起こるんだ?」



タダシ君が真面目な顔してるぞ。


これは只事ではないのか?


小学1年生からずっと一緒だが、タダシ君のこんな顔は見たことない。


こいつ異世界に来たから気配察知とかできるようになってんのか?


まさかチート?


ずるくね?俺にはなんかないのか。



「やばいぞソウちゃん」


「お、おぉ。だからどうしたんだ?」



勿体つけるほどの事態が起きるのか?


まさか⋯⋯⋯⋯⋯魔物?


異世界と言ったら魔物がいる可能性あるよな。


それにこんなジャングルみたいなとこだ。


猛獣だっているかもしれん。


俺とタダシ君は真夏の日本から来てるから、2人とも半袖短パンだ。


武器の類なんてあるわけがない。



「トイレ行きたくなったらどうする?」


「⋯⋯⋯ん?え、今それ聞く?」


「大事なことだろ!」


「大事なことだけども、今じゃねーだろ!」



まじでトイレの心配だけでこんな見たこともない顔してんの?


こいつまじか。


アホだアホだと思ってたけど、ここまでアホとは思ってもいなかったぜ⋯



「今だわ!重大事項だわ!2人しかいないんだぞ?ソウちゃんと離れて用を足すとしよう。俺は無防備なまま用を足すんだぞ。一人きりで。魔物がいるかもしんねーだろ。そしたらどーすんだよ。下半身丸出しなまま俺は魔物に食われればいいのか?そうならない為に俺はソウちゃんの目の前で下半身をモロ出しにしてスッキリすりゃいいのか?小ならその恥ずかしい行為も我慢出来よう。だが大の時はどうすりゃいいんだ。ソウちゃんの顔を見ながらすりゃいいのか?なんでソウちゃんの顔見ながらやらなきゃいけねーんだよ!」


「丸出しでもモロ出しでもどっちでもええんじゃ!うるせぇ!なに急にたくさんしゃべってんだよ!しろ、もうしろ!俺の顔見てすりゃええんじゃ!」



なんなのこいつ!




相変わらず不毛な言い争いをする2人。


2人の死角から迫って来るモノがいるかもしれないのに。




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