異世界ご近所トラブル 後藤家vs後藤家
この地区には、二つに分かれた後藤家が住んでいる。一つは代々魔法を生業とする「魔法使いの後藤家」。もう一つは、ドラゴンと心を通わせる「ドラゴン使いの後藤家」だ。
ある朝、魔法使いの後藤家の庭に、大きなドラゴンの足跡が残されていた。庭の花壇はめちゃくちゃ、空飛ぶホウキも折れてしまっている。
「またドラゴンが暴れたのね!」と、魔法使いの後藤家のお母さんが怒る。
一方、ドラゴン使いの後藤家の玄関先には、見慣れぬカエルが数匹。「昨夜、隣の家から魔法の光が見えたぞ」と、ドラゴン使いの後藤家のお父さんも不機嫌だ。
「お互い様でしょ!」
「そっちのドラゴンがうちのカボチャを踏み潰すから!」
「あなたたちの魔法のせいで、うちの子ドラゴンがカエルになったんですよ!」
子どもたちはそんな大人たちのケンカをよそに、実は仲良し。「うちのドラゴン、魔法で小さくできないかな?」
「できるかも。でも、うちのホウキも乗せてくれる?」
二人はひそかに協力し、魔法とドラゴンの力を合わせて、二つの後藤家の庭を元通りにした。それを見た大人たちはびっくり。
「結局、仲良くすれば何でも解決するのね…」
以来、魔法使いの後藤家とドラゴン使いの後藤家は、互いに協力し合うご近所さんになったのでした。
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