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ゲーム内でチートと言われてきた能力をガン積みされて若返り異世界転移したおっさんですけど、性別が女の子でした  作者: echo


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71 久しぶりのギルドです

 「あ・・・・」


 ギルドへと向かう途中、私はとある事を思い出した。


 「どしたん?」


 「おっちゃんたちの名前、聞きそびれた」


 「なにそれ」


 私は、ゴブリン騒動の時に世話になったパーティの事を、ロスティに説明した。


 「どこの地区のギルドに所属しているかも、聞いてないの?」


 「うん」


 前に会ったのは、中央区のギルドだけど、どこに所属しているかまでは聞いていない。


 「だめじゃん、それ」


 本当に、私はだめだ。

 どうしようか、と考えていると、ロスティが馬車を探しながら、


 「まぁ、中央区に行けば良いんじゃないかな。冒険者って拠点をコロコロと変えたりしないって聞くし、中央区のギルドで会ったのなら、またそこで会えるんじゃないの?」


 と、そう言った。

 そうするしかないか。

 手がかりは、そこしか無いし。


 「じゃぁ、あの馬車だね」


 ロスティに手を引かれ、私たちは中央区行きの馬車に乗った。

 カッポカッポと、振動の少ない馬車に揺られて石畳の馬車道を進む。こういう所かね、リーズディシア嬢が勲章を頂く所って。民間の、こういう所にまで、サスペンションの仕組みが取り込まれている。

 国王陛下も、公爵家令嬢とはいえ、一学生の意見を、偏見を持たずに取り入れてくる辺り、かなりのやり手なんだろう。

 で。

 馬車だが。

 これが安い。

 銅貨数枚でこの馬車に乗れるのなら、そりゃ、街の人は乗るわな。

 物も流れて金も流れる、人も流れて、良い事尽くめだ。

 そんな事を考えながら、ロスティと会話をして、ギルドへと向かった。

 十数分で馬車は目的地に到着する。

 久しぶりに来た。

 このお役所感満載のギルド。

 もう、庁舎と言っても良いんじゃないだろうか。

 私たちはギルドへと入り、用件を伝えた。

 といっても、


 「スキンヘッドの戦士をリーダーとするAランク冒険者、ですか」


 「はい」


 「それだけでは、特定は難しいかと」


 この答えだ。

 スキンヘッドの戦士って、意外と多いのだろうか。

 Aランクの冒険者って、意外と多いのだろうか。


 「いえ、Aランクの冒険者は少ないのですが、そのほとんどが、スキンヘッドの戦士をリーダーとするパーティですので」


 「日焼けしていて」


 「皆様日焼けしておられます」


 「歯が白くて」


 「それでも、特定するには条件が・・・・」


 むぅ。

 これでも条件が被る冒険者が居るのか。

 じゃぁ。


 「二十七歳という若さの割に、意外と老けてる」


 「あぁ」


 ビンゴ?


 「それならアクスルさんの所ではないでしょうか。ここだけの話、二十七歳でAランクになられているパーティは幾つかありますが、老けて見られるという方は、王都広しといえどもあの方の所だけですから」


 ビンゴか。

 っていうか、Aランクの冒険者って意外と歳がいってるのね。ごめんよ、おっちゃん。引退勧告したりして。

 で。

 そのおっちゃんは、今王都に居るのかな?


 「王都に滞在されていますよ。今も、訓練所で、地方からやって来た冒険者と手合わせをしています」


 へぇ。

 あのおっちゃん、結構な強さだと思っていたんだけど、地方から出て来た冒険者の腕を見極めるためにおっちゃんが出張ってるって事は、その地方冒険者とやらは強いのかな。

 ちょっと、興味が沸いてきた。


 「強いのですか?」


 「かなり。アイリ様同様、最近登録したばかりの若い冒険者なのですが、皆が言うには、若くして頭角を現すタイプの冒険者なのだそうです」


 「へぇ」


 手合わせ、してみたいな。

 レベルを確認、してみたいな。


 「アクスルさんも、そう仰っていました」


 「で、確認をしていると」


 「そうですね」


 受付嬢は、地下へと向かうであろう階段を指差しながら、


 「行かれますか?」


 と、窺うように聞いてきた。

 そりゃ、興味ありますし、おっちゃんにも会っておきたいし、行く一択なんだけど。

 何か、不都合な事でもあるのか?


 「特にありませんよ。皆さん、アスクルさんと新人さんの戦いには興味がおありのようで、訓練場の方に集まっていますし」


 「そうですか」


 いや。

 深読みしすぎたようだ。


 「あまり、新人さんを苛めないでやってくださいね」


 私が、その新人さんを苛めるかどうか、そこが心配だっただけのようだ。

 では、行くか。

 ロスティを見ると頷いてきたので、私はロスティを伴って、地下の訓練場へと足を向けた。

 意外にも、そこに広がっていた光景は。


 「次、いませんか?」


 次々と新人にのされた、お通夜状態の、高ランク冒険者の姿だった。

 それと、中央に立つ、金髪ロン毛の盾持ちの剣士。

 おやおや。

 この剣士、かなり強いと見た。

 レベルは・・・・・・。

 925か。

 今まで見た中で、ダントツで強い。

 装備も、私ほどではないが、かなり良い物を使っている。

 これは・・・・・・。

 戦りがいがありそうだ。


 「アイリ、戦いたいの?」


 ロスティがそう言ってくる。

 いつの間にか、私は薄らと笑っていたようだ。


 「ええ」


 そう言って、私は棍を取って、訓練場の中央へと歩を進めた。


 「アイリか」


 「アイリだな」


 そんな囁きが聞こえてくる。

 そんな私を見て、


 「あんた、強そうだな」


 新人剣士さんは、短くそう呟いた。

 ええ。

 強いですよ。

 貴方と同じ程度には。


 「名前は?」


 「アイリ」


 「カントだ」


 おや、偽名ですか。

 まぁ、偽名だろうと、何だって良い。

 私だって、本名を全て明かした訳じゃないんだし。

 それよりも。

 今は、目の前の強者と戦う事を考えていたい。


 「よろしくお願いします」


 久しぶりの、骨のありそうな相手との勝負だ。

 楽しませてくれよ。


 「いざ、参る」


お読みいただき、ありがとうございます

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