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ゲーム内でチートと言われてきた能力をガン積みされて若返り異世界転移したおっさんですけど、性別が女の子でした  作者: echo


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42 ボコします②

 「よろしいですよね、陛下」


 私が国王陛下にそう確認すると、


 「ああ、構わんよ」


 という返事だったので、


 「では、始めましょうか」


 と、王太子殿下にそう言った。


 「お前の相手をしたら、強くなれるのか?」


 「ええ」


 プレイヤースキル的に。


 「なら、痛い思いも、やむなしだな」


 そう言って、王太子殿下は剣を構える。

 しっかりとした、隙のない構えだ。同レベル同士の戦いであれば、これで全くと言って良いほど問題無い。

 だが。

 格上が相手であれば、通用しない構えでもある。

 そもそも。

 実力差を見越して間合いを取っているようだが、そこからして間違っている。

 先程のやり取りを見ているのなら、私の攻撃範囲がもっと広いと予測しておかなければならない。

 そこを。

 突く。


 「ぐっ・・・・・」


 二歩で詰めた間合いから鳩尾に入れた一撃は、皮鎧を通して、結構なダメージになったようだ。王太子殿下が膝をつく。

 そのまま、私は王太子殿下の頭部へと棍を振り下ろした。

 ピタリと、当たる寸前で止める。


 「間合いを見誤っている事にお気付きですか?」


 そう言って、メイジ・プルに王太子殿下の回復をお願いする。

 回復した王太子殿下は、


 「あれでも、近いのか・・・・」


 そう言って、再び剣を構えた。

 今度は三歩分、きっちりと間合いを取っている。

 そう。

 それで良い。

 まず第一歩は、一撃を食らわない間合いを知る所からだ。

 強い王になると王太子殿下は行ったけれど、王たる者、まずは死んではいけない。仮に襲われて、一対一の戦いを強いられる事になっても、まずは死なない事を優先して考えなければならない。

 それが大将というものだ。

 まぁ、それが適用されない、どうしようもない場合というのも存在するのだが。

 私は三歩の間合いを詰めて、王太子殿下の喉元に突きを放った。

 次は見えていたのか、辛うじて避ける。

 が。

 しかし、だ。

 王太子殿下は、当然繰り出す二突きめの攻撃には反応が出来ずに、額に棍の一撃を食らった。

 再びメイジ・プルに治療をお願いする。

 思いっきり、モロに入ったな。

 これでは、反応出来ない弱者をいたぶっているに過ぎない。

 少し、スピードを落とすか。

 再び起き上がった王太子殿下が剣を構えるのに合わせて、私も槍を構えた。


 「今までの攻撃は、私の全力のスピードを以って行ったものですが、いかがでしたか?」


 「正直言って、ついていく事も出来ない」


 「でも、距離を取っておいたら、一撃目は避ける事が出来ましたね」


 「避けるだけなら、な」


 あんな一撃に、カウンターや避けた後の攻撃など、とてもじゃないが無理だと王太子殿下はそう言った。


 「生きていれば良いんですよ」


 旗印とは、そういうものだ。

 欲を言うなら、一撃目を避けた後、距離を取る方向でいってほしかったというのがあるが。

 まぁ、良い。

 王太子殿下にもプライドはあるだろうから、というか、王太子であるからこそプライドがあるのだろうから、逃げるという選択肢は無かったのだろう。


 「次からは、王太子殿下に合わせて攻撃の速度を変えていきますので、受けてみてくださいな」


 「ああ」


 私は、レベル600程度の速さに落して、王太子殿下への一撃を繰り出した。

 これは、普段から騎士団長様や近衛騎士隊長様と手合わせをしているからなのか、普通に避けてくれる。

 まぁ。

 次からは蹴りも入れるんですけどね。

 一撃の後に棍を支点にして蹴りを入れると、あっさりと顔面にヒットした。二、三歩後退したところに、心臓への一撃を入れる。


 「ぐっ・・・・」


 王太子殿下が呻いた。


 「はい、死にましたね」


 「もう一本だ・・・・・・」


 おや。

 意外と肝が据わっておられる。

 鼻血を流しながらも、王太子殿下は剣を構えた。


 「治療は?」


 「この程度なら、いらん」


 「そうですか」


 なら。

 続けさせて頂きますか。

 王太子殿下と間合いを取って、私は棍を構えた。


 「良いですか?」


 「ああ」


 私は王太子殿下の返事を待って、次の一撃を繰り出した。

 単純に突きを入れるだけなのだが、トリックのある一撃だ。左手をそのままに、身体を動かさず、右手一本で王太子殿下の眉間目掛けて突きを入れるのだ。

 何気に、受けるに難しい攻撃だが、果たして王太子殿下は私の攻撃を慌てて避ける。

 当然、体幹もぶれる訳で。

 私はそこに、簡単に穂先で王太子殿下の首に一撃を入れた。


 「意外と、速度を落としても、技術だけで何とかなるものでしょう?」


 「そうだな」


 「メイジ・プル、治療を」


 「はい」


 王太子殿下に治療を施してもらった後、私は王太子殿下にこう言った。


 「このパターンで、色々と攻撃を繰り出していきますので、反撃できる様、工夫してみてください」


 ※


 昼過ぎ。

 ボロボロになった王太子殿下を見下ろしながら、私は言った。


 「上は見えましたか?」


 「ああ、今の私では手の届かない所にあるという事だけは解った」


 「それだけでも十分ですよ」


 私は治療に当たるメイジ・プルの背中の方へ回り、事の成り行きを見守ってくれていた国王陛下始め、騎士団長様や近衛騎士隊長様、近衛騎士副隊長様に向かって、


 「終わりました」


 と、そう言った。


 「ご苦労だったな」


 国王陛下がそう労ってくださる。

 そんな国王陛下に、私は、


 「陛下、一つお伺いしてもよろしいでしょうか?」


 一つの質問を投げかけた。


 「なんだね?」


 「王太子殿下と、リーズディシア嬢と、ミリーネ嬢の関係についてです」


 国王陛下なら、全ての事情は知っているだろう。

 リーズディシア嬢が言う通り、婚約破棄を王太子殿下が言い渡すのであれば、国王陛下がその事を知っていないとおかしい。

 王太子殿下は、ミリーネ嬢の事をどう思っているのか。

 王太子殿下は、リーズディシア嬢との事をどう思っているのか。

 西と東が分かれた内紛が起きかねない婚約破棄問題だ。

 さて、国王陛下はどう答える?


 「それを聞いて、どうするつもりだね?」


 「リーズディシア嬢に伝えます」


 私は国王陛下の質問に対してそう答えた。


 「リーズディシア嬢は、王太子殿下から婚約破棄を宣言されるとお考えです。それが事実であるのなら、西側諸侯は国に対し剣を向ける可能性もありますので、そこをどうお考えになられているのか、確認しておきたいのです」


お読みいただきありがとうございます

面白ければ、ブクマ、評価の程よろしくお願いいたします

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