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ゲーム内でチートと言われてきた能力をガン積みされて若返り異世界転移したおっさんですけど、性別が女の子でした  作者: echo


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25 帰りの馬車にてお話です

 「ねぇ、アイリ」


 「ん-?」


 「シャラ・スー嬢とロスティ―に嬢の事なんだけど」


 「あー、あれね」


 「教えてくれるかしら?」


 「実は、私は人や物のステータスが見れるんですよ」


 「ステータス?」


 「ええ、レベルが幾つだとか、力の値が幾つだとか、そう言ったその人の力量を数値にしたものです」


 「ロールプレイングゲームみたいな?」


 「ええ、まさにRPGの世界同様のステータスが見れます」


 「私は、どう見えているの?」


 「レベルは高いけれど、知識に極振りした魔術師ですね。ただし、どんな魔術を使うかまでは判りません」


 「確かに、私は力もない回復術師だけど」


 「他にも一人居ましたね。リズの取り巻きの中に、レベルでリズを上回る魔術特化型の魔術師が」


 「藍髪の?」


 「そう、その娘」


 「参ったわね。戦力として欲しがったアイリが、まさか、こんな稀有な能力を持っていたなんて、思いもしなかったわ」


 「鑑定が出来る人は殆ど居ないと聞きました」


 「そうね」


 「隠しておこうと思っていたのですが、リズが人材を欲しがっているようでしたので、この際だから活用しようかと思ったんです」


 「それは、ありがたいわ」


 「とりあえず、今リズがやっておかないといけない事は人材集めなんですよね?」


 「そうね」


 「集めた人材は?」


 「アイリの他には、少ないながら、有望になるであろう武将を二人、人脈として役に立ちそうな令嬢をたくさん、って所かしら」


 「じゃぁ、その人達から見ていきますか」


 「お願い」


 「それはそうと、リズ」


 「なに?」


 「王太子殿下の事は諦めたのですか?」


 「路は閉ざされているわ」


 「そうじゃなくて、もう好きでも何でもないのかって事を聞きたいんですよ」


 「それは・・・・・・・」


 「それは?」


 「子供の頃からの付き合いだし、情も確かにあるわ」


 「つまり、好きなんですね」


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ええ」


 「それを聞いておきたかったんですよ」


 「何故?」


 「いや、私の目から見ると、王太子殿下って、意外とできる公平な人間性を持っているんじゃないかって思ったんですよね。その王太子殿下が、公的に婚約者となっているリズを放っておいて、他の女といちゃつくなんて、あり得るのかなって」


 「それは、アイリがあの女を見てないからよ」


 「あの女とは、王太子殿下が熱を上げているという、例の、あの?」


 「そう。とても可愛らしい娘だわ。私とは正反対。自由奔放で、可愛らしくて、無邪気に笑う、凡そは貴族と言い難い娘」


 「それでも、何か理由があって、リズを遠ざけているような気がするんですが」


 「その理由って、何よ」


 「それは分かりません」


 「そこが分からないのなら、黙ってて」


 「そうイラつかないの。まぁ、それだけ腹に据えかねるものを持っているという事なんでしょうけど、私、この件に関しては納得がいかないんですよね」


 「じゃぁ、どうするのよ」


 「ちょっと、直接話してみて、確認を取ってみようと思います」


 「無駄だと思うけど」


 「無駄かどうかは、やってみないと分からないですよ」


 「好きにして」


 「あ、むくれた」


 「アイリが要らない事を言うからでしょ」


 「要らない事でもないと思うんだけどなぁ」


 「無駄よ。あの方の心は、もう私には無いから」


 「そういう弱い所を見せると、男はコロッと、この娘を守らなきゃって思うものだと思うのですが」


 「そうもいかないわよ」


 「そんなものですか」


 「私はフェンデルトン家を代表して学園に通ってるの。弱い所なんて見せたら、他の貴族令嬢から何て言われるか分かったものじゃないわ」


 「貴族令嬢ってのも、大変な生き物なんですねぇ」


 「いや、アイリも、ストーン辺境伯家を代表して学園に通ってるのよ?」


 「それはそうなんでしょうが」


 「まぁ、物理的な強さは見せたみたいだから、お姉様にしてみれば辺境伯家の名前を高めたといった所だろうけど」


 「義母様には、暴れてこいとしか言われてませんからね」


 「お姉様を簡単に倒せる貴女から見て、学園でライバルになる様な生徒は居るのかしら」


 「そんな相手が居たら、まず最初にリズに相談しますよ」


 「そうして頂戴。今日みたいに、味方に出来るようであれば、今後のフェンデルトン騎士団の底上げになるから」


 「とりあえずは、ゴブリンを相手に戦える位の剣士しか見当たりませんでしたが」


 「屋外研修で、ゴブリン退治をしに行くわよ」


 「おや、危険ではないので?」


 「騎士課程と魔術師課程と、合同で行うし、国から騎士様もいらっしゃるから、それ程危険はないわ」


 「この辺のゴブリンは弱いんですかね」


 「ゴブリンにも強さってあるの?」


 「そりゃ、ありますよ。レベルの違いだって、成長度の違いだって、生き物ですからしっかりと違いはあります」


 「でも、屋外研修をする意味は、あるのよね。研修をやった生徒とやらなかった生徒では、明らかに強さに違いが見られるの」


 「そりゃ、同レベルの魔物を大量に狩れば、レベルも上がりますからね」


 「なるほど。そういう世界でもあるのね」


 「私はずっとRPGの世界だと思っていましたから、シミュレーションの世界で、私の武力が幾つだ、とか言われた方が戸惑いますよ」


 「そんなものなのね」


 「それにしても、この馬車、静かですね」


 「でしょ?足回りにサスペンション機構を組み込んでいるのよ」


 「まさか、とは思いますが、リズがこの世界にもたらした発明品だったりするのですか?」


 「そうよ」


 「よく、女子高生がサスペンションの構造とか知ってましたね」


 「田舎の高校生でね。カブに乗ってたから、バイクの構造とかは何となく知ってたのよ」


 「なるほど」


 「さぁ、そろそろ辺境伯家の屋敷に着くわよ。また猫を被らなくちゃ」


 「大変ですね、貴族令嬢っていうのも」


 「そうでもないわ。慣れちゃったもの」


 「その慣れ、良いものなんですかね」


 「貴女も猫を被らないといけない日が来るわよ」


 「いつ来るんですか」


 「結婚の話が出る位かしら。貴女、見た目は良いし、家柄も問題無いから、良い話はたくさん来ると思うわよ」


 「そういう話は断ってもらっているから大丈夫です。何が悲しくて、おっさんが、子供くらいの男に抱かれなきゃいけないんですか」


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