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ゲーム内でチートと言われてきた能力をガン積みされて若返り異世界転移したおっさんですけど、性別が女の子でした  作者: echo


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24 サロンです

 「さて」


 と、フィリップ君が退場した後、私はシャラ・スーとロスティに声をかけた。


 「食事を摂ったら、サロンに来るようにリーズディシア嬢に言われてるんだけど、二人も来ない?」


 「いや・・・・・」


 「それは・・・・・」


 あれ?

 来たがらない理由でもあるのか?


 「サロンは伯爵家以上の家の人が集まる場所だから、あたし等には、ちょーっと敷居が高いかなって、思ったり、思わなかったり?」


 ふーん。

 そんなしきたりがあるんだ。

 でも。


 「王太子殿下は、とある女性を連れて来ているんですよね」


 「あー、うん、まぁ」


 「そういう噂が立ってるね」


 「じゃぁ、辺境伯家の私の紹介であれば、入れるのではないでしょうか」


 「可能、なのかなぁ・・・・」


 「では、行きましょう」


 という事で、私は二人を伴ってサロンへと向かった。

 この二人、能力的にも、リーズディシア嬢に紹介しておきたいんだよな。王太子陣営には入れたくない。

 という事で。

 二人にサロンの場所を聞いて、入口に到着した。

 入ろうとして、


 「待て」


 と、入口に居た生徒に止められる。


 「何でしょうか?」


 私は澄まして、そう答えた。


 「そちらの二人は、シャラ・スー・ミラボーとロスティーニ・シルク・メアリー・ハンストンだな。子爵家と男爵家の娘が何の用だ?学園の生徒であれば、この場所は限られた者にしか入れないという事は知っているはずだ。それと」


 と、私の顔を見て、


 「君の顔と名前は知らないが、所属と名前と用件を言いたまえ」


 入口の生徒は、噛まずに長い台詞をサラッと言ってのけた。

 ふむ。

 真面目を絵に描いた様な生徒だ。

 なら、私の名前を出せば、問題なく通してくれるだろう。


 「騎士課程の、アイリ・ジル・アイリーン・ストーンと申します。本日付で、この学園に編入してまいりました。リーズディシア・エル・アンリ・フェンデルトン嬢に呼ばれております」


 「ふむ・・・・君が辺境伯家から来たという、噂の編入生か」


 「はい」


 どんな噂かは知らないが、一応名前は通っているらしい。

 辺境伯家の養女であることも理解いただけたようだ。


 「では、私の紹介であれば、二人のサロンへの入場は、問題ありませんね」


 私はそう言って、二人を伴ってサロンへと入っていった。

 後ろで真面目君が何か言っているが、気にしない。シャラ・スーとロスティも何か言っているが、気にしない。

 私は二人を伴って、サロンの中央部へと進んでいった。

 目的の人物はすぐに見つかる。

 リーズディシア嬢は、貴族令嬢に囲まれて、何か話をしていた。

 そこに、


 「お待たせしました、リズ」


 そういって、私は輪の中に入っていった。


 「なんですの?貴女」


 貴族令嬢が眉を顰める。

 そして、シャラ・スーとロスティを見るなり、


 「貴女、何故そこの二人を伴って入ってきたのですか!?」


 そう指摘してきた。

 リーズディシア嬢も、後ろの二人に目を向けて、それから私を見て、


 「アイリ、やってくれたわね」


 呆れたような顔で私を見た。


 「はて。何の事でしょう?」


 「シャラ・スー・ミラボー嬢と、ロスティーニ・シルク・メアリー・ハンストン嬢の事よ。何故連れて来たの?二人ならサロンに入る事が出来ないって知っているでしょうし、そう貴女に教えたのではなくて?」


 「聞きましたが、私の紹介があっても、入れないのですか?」


 「入れないわね」


 「何故?」


 「それが、ここのルールだからよ」


 「では、王族自ら、ここのルールを破っているという事になりますね」


 私はリーズディシア嬢の詰問に対し、澄ましてそう答えた。


 「王太子殿下は、とある令嬢を常に伴っているとリズは言いましたよね。その令嬢は、下級貴族、もしくは平民の出なのではないですか?それは、このサロンでの出来事だったのではないですか?王太子殿下は騎士過程の生徒、そして、例の女性は光属性を持っていると仰せでしたので、その他の課程、恐らく魔術に関する課程の生徒ではないでしょうか。その二人が常に一緒に居るという事は、このサロンでの出来事だと思って、王太子殿下が為されている事であれば私にも出来ると踏んで、わざと二人を連れて来たのですが、私は何か間違った事をしていますか?」


 「それは・・・・・・」


 リーズディシア嬢も、その取り巻きらしき令嬢も、私の言葉で沈黙してしまった。

 恐らく、私の予測が正解なのだろう。

 という事で、


 「リズ」


 私は、


 「シャラ・スーとロスティです。有望な騎士ですよ」


 二人を彼女達に紹介する事にした。


 「ここに連れて来てまで紹介したかった程、有望なの?」


 まぁ、私に初めてできたお友達という事もあるが、


 「ここの騎士課程の生徒の中でも抜きん出て強くなるのは、私が保証します」


 それは保証できる。

 シャラ・スーも、ロスティも、力という点では劣るかもしれないが、敏捷値が異常に高いのだ。力を増加させるエンチャントの付いた装備を用意すれば、レベル300程の冒険者と同等の戦いが出来ると踏んでいる。

 バランスの取れた成長をするより、特化型の方が強くなれる。

 鍛えれば、うちのホムンクルスと同等にもなるだろう。

 動体視力などは、私が鍛えてやれば良いだけの話だ。

 恐らく、この二人は化ける。


 「そう」


 リーズディシア嬢は椅子に座り直すと、


 「それだけの実力をお持ちの騎士様をお迎えするのに、お茶も出さないのは、失礼に値するわね」


 そう言って、私とシャラ・スーとロスティに席を勧めてきた。


 「リーズディシア様」


 取り巻きの令嬢が抗議の声を上げるが、


 「ごめんなさいね。今日は貴女達をアイリに紹介する予定だったのだけれど、どうやら先約が入ったみたい。申し訳ないのだけれど、アイリとの面合わせは、次回に持ち越しにさせて頂けないかしら?」


 そう言って、取り巻きの令嬢たちを下がらせた。

 一人、気になる娘が居たな。取り立てて抗議の声を上げる訳でもなかった、実力を隠して喋らず、引き下がったレベルが400を超えている魔術師が。

 腹心か?

 次回、彼女がどういう存在なのか、紹介してもらう事にしよう。

 まぁ、今はシャラ・スーとロスティの紹介だ。

 とはいえ、お互いに名前は知っているようだが。


 「シャラ・スー嬢、ロスティーニ嬢。私はあなた達の事は良く知らないのだけれど、成績としては上の下位だったと認識しているわ。それで間違いないかしら?」


 「そうですね」


 「私らに、アイリが言うような特別な実力がある訳ではありません。アイリが盛り過ぎているんだと思います」


 「アイリ」


 「ん?」


 「何故、彼女達が特別だと思ったの?」


 と、そこまで認識を一致させたようなので、答え合わせをする事にした。


 「うちの義母様は、リズが一番知ってるでしょ?」


 「ええ」


 「あれって、敏捷特化型で強いんですよね。力、敏捷、戦士はどちらかに傾くかバランスの取れたステータスになってくるんだけど、この二人は、敏捷に特化していて、形が義母様と同じなんですよ」


 装備次第で伸びます、と言ったら、リーズディシア嬢は不思議なものを見るような目で私を見てきた。

 何故、シャラ・スーたちのステータスが偏っているのか解るのか、といった所だろう。


 「後で話します」


 「よろしく」


 という会話をした後、


 「という事は、彼女たちを公爵家の騎士として迎えるべきだ、と貴女は言いたいのね?」


 「リズに異論がなければ」


 と言った所で、リーズディシア嬢は顎に指を当てて考えだした。

 私には貴族の柵とか分からないからな。

 あとは彼女の判断に任せるが吉だろう。

 やがて、リーズディシア嬢は、指を顎から離してこう言った。


 「貴女たち、東側の陣営の寄り子の家に産まれておいて、西側の陣営の家に仕える事になるけど、その辺は覚悟あって?」


 それに対し、シャラ・スーは、


 「あたしは三女だからね。家の事は関係なしに、どこかの騎士として仕える事が出来たら良いな、位に思っていたから、フェンデルトン公爵家なんて、夢みたいな士官口さ。忠誠は行動をもってみせるよ」


 ロスティは、


 「私は親が決めた旦那が嫌で騎士になろうと思ったからさ。雇ってもらえるなら、西だろうが東だろうが関係ないよ」


 口々にフェンデルトン家に仕える事を良しとして応えてきた。

 それならば、と


 「卒業までに騎士として使えるだけの力量を磨いてください」


 リーズディシア嬢は、そう言って二人を迎えると言ってくれた。

 東側の人間を使う事が、西側の人間にとってどれだけのデメリットを孕むのかは知らないけれど、リーズディシア嬢は人を欲しがっている。

 それを如実に表す出来事だった。


面白かったらブクマ、評価の程よろしくお願いいたします

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