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ゲーム内でチートと言われてきた能力をガン積みされて若返り異世界転移したおっさんですけど、性別が女の子でした  作者: echo


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11 森の家に帰ってきました

 ストーニアを発って二日。

 メアリー・プルと私は、森の邸宅へと帰ってきた。


 「お帰りなさいませ」


 残留していた四人が入口まで出て来て、揃って頭を下げる。

 メアリー・プルから念話で連絡が行っていたんだろう。

 私ごときにこんな大層な出迎えなんて必要ないのに。


 「仕える者として、当然の事をしているだけです」


 「あ、そう」


 メイジ・プルの言葉に、私はそう答えた。

 そういう考え方をしているのなら仕方ないね。

 私としては、友人感覚で良いのに。


 「そういう訳には参りません。私達は、アイリ様にお仕えするために産まれたホムンクルスです。アイリ様のお世話は、私達の生きがいです。どうか、生きがいを奪うような真似をされないように、切にお願いいたします」


 そこまでか。

 それなら。


 「まぁ、良いよ。貴女達の好きなようにすると良い」


 そう言うと、五人娘の顔が、無表情に輝いた。

 一か月以上一緒に居て思うんだけど、意外と感情が豊かだよな、この娘達。

 良い事だ。

 顔も声も一緒なので見分けがつき辛いが、性格もほとんど変わらないが、それでも髪型が若干違うので見分けがつきやすい。

 一か月も付き合っていると、見分けがつくようになってくる。

 良い事だ。


 「では、引き続きアイリ様のお世話をさせていただきます」


 「お願いしますね」


 「畏まりました」


 ※


 「という事で、魔石を分配したいと思います」


 邸宅のリビングに移動した私達は、ギルドで解体してもらった魔石をテーブルの上に広げた。

 ブルーオーガが二匹分。

 コカトリスが一匹分。

 ワイバーンは群れを狩ったので六匹分。

 さて。

 この九匹分をどう分配するか。


 「その辺りは決まっていますね」


 と言って、メアリー・プルがコカトリスの魔石を手に取った。


 「魔術師には、これが一番効果あります」


 メイニー・プルとメルト・プルがブルーオーガの魔石を手に取る。


 「物理職にはこれです」


 そして。

 メルニー・プルとメイジ・プルはワイバーンの魔石を一つずつ取った。

 聞くに、ワイバーンの魔石は外皮の固さを上げるという効果があるらしい。コカトリスは魔術の威力が増し、ブルーオーガは力や速さが上がるのだそうだ。

 なるほど。

 それで、ブルーオーガとコカトリスとワイバーンだった訳か。

 残りのワイバーンの四つは、


 「接敵機会の多いメルト・プルに二つ、あとはメルニー・プルとメイジ・プルで良いのではないかと」


 「それで、皆は納得がいくの?」


 「はい」


 皆が揃って頷いたので、私は、


 「じゃぁ、その配分で」


 言葉を挟む事も無いので、皆の意見を採用した。


 「ここ一番という時に、大切に使わせていただきます」


 メイジ・プルがそう言うので、


 「命が一番大切ですよ」


 私は釘を刺しておいた。

 ここ一番なんていう時が、命を掛けなければならない時にならないとは限らない。ここ一番で力を発揮して命を落とすなんていう事があってはならない。

 この一か月で思ったのだが、この娘達は私を活かす為なら自らの死を覚悟しかねないのだ。

 ほんと。

 大丈夫か?


 「・・・・・・・・・・・・・」


 「黙るな」


 「・・・・・・・・・・・・・」


 「全員目を逸らすな」


 「いざという時には、我々の命よりもアイリ様の命を・・・・・」


 「それはダメ」


 私は断固として言い切った。


 「命は大事に。これ大事。解った?」


 「・・・・・・承知いたしました」


 渋々ながら、全員が頷いた。


 「渋々だね」


 「我々が生を受けた意味の、半分が消えてしまいましたので」


 半分て。

 また大きく出たな。

 まさか、私のために生きる事が残りの半分とでも言いだすんじゃないだろうな。


 「あとの半分、アイリ様の為に生きる事はお許しいただけますよね」


 あー。

 言っちゃったよ。

 でもそれは、


 「ダメ、ですか?」


 無表情でも、その目は無いだろ。

 ダメとは言えないじゃないか。


 「ダメではないのですが」


 「そうですか。ありがとうございます」


 皆の瞳に喜色が現れた。

 慣れてしまえば、意外と感情豊かだよな、この娘達。

 ま、それだけ、この娘達と一緒に過ごしている時間が濃いって事か。なんだかんだで私も、彼女達に全幅の信頼を置いている訳だし。

 やっぱ、あれかな。

 全てを委ねてきてくれるから、こっちとしても信頼を置けるんだろう。


 「なぁ、皆」


 「はい」


 「ありがとう」


 「はい」


 本来なら天涯孤独の身であったはずの私に寄り添ってくれて、ありがとう。

 あの神にも、私を作ったという魔術師にも、感謝しておくべき事なのかもしれないな。ホムンクルス達は、思ったよりも私の心の支えになってくれている。

 失いたくないな。

 この娘達を。

 私は改めてそう思った。


面白ければ、ブクマ、評価の程よろしくお願いいたします

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