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ゲーム内でチートと言われてきた能力をガン積みされて若返り異世界転移したおっさんですけど、性別が女の子でした  作者: echo


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9 貧民街の事情を知りました

 「なんで判ったんだい、お嬢ちゃん」


 「思いの外綺麗な建物、襤褸を纏っていない住人、その辺りから、貧民街とはいえ、この街の住人は必要最低限の生活を送れているのだと想像していました」


 「それで?」


 「最初はストーン辺境伯がやり手なのかと思っていましたが」


 と、私はここで一拍間を置いて、


 「先ほどのハンスさんの、値は張るぞ、という言葉から、自助組織があるのではないかと想像したわけです。メアリー・プル達にあれだけの装備を作っている腕があるのなら、それこそストーン辺境伯に献上するような値の張る一品を贈っていてもおかしくないし、辺境伯家からお金を頂いて、それで稼いでいるのではないかと。で、実際にそのお金を貧民街の住人に回していたら、ここの住人が悪くない生活を送っていてもおかしくはない」


 そう私なりに感じた事を答えた。


 「回りくどいとは思いますが」


 「そうだな」


 私の言葉を聞いて、ハンスさんは私の前まで来て、見上げてきながら、


 「確かに、回りくどい」


 と、そう言った。

 だが、そうやっている事にも理由があるらしい。

 ハンスさんが言うには。

 差別、がこの町にもあるらしい。


 「差別、って程のものじゃないか。どちらかと言うと、区別と言った方が良い」


 種族の差のようなものだそうだ。

 このストーニアという街は半数が亜人で構成されているのでそれ程ではないが、人族の国家であるシンフォース王国では、やはり、人間を優先して政策を推し進める所がある。自然と人族は富み、亜人は貧しくなる。

 そういう国家なのだそうだ。

 人族も亜人も、差別は無いが、そう言う所で棲み分けが為されている。

 だから、ハンスさんの様な稼げる人間が、国からのお墨付きをもらって貧民街にお金を落としているという事らしい。


 「そんな面倒な事をしなくても、普通に人族も亜人も平等に扱えば良いだけの話なのではないのですか?」


 「それがこの国の奇妙な所でな。大半居る人族を優先して扱わないと支持率を落とすから、王国としての表向きの国策は、人族を優先したものになっちまうんだよ。予算は人の為に、ってな」


 「それでも、亜人はこの国に留まるのですか?」


 「他国に行ったら、差別の対象だからな」


 「亜人の国などは無いのですか」


 「あるけどな、ここからは遠い大陸の南方の方になるから、旅をして行くよりもここに留まってある程度の生活で満足している場合が大半なんだよ」


 なるほどね。

 まぁ、うちのホムンクルス達にしっかりと人権があり、差別もされていないっていうのなら、私としても文句はない。

 私も作られた人間だから、バレたら最悪そっち側に行くのだろうが、特に差別をされないというのならありがたい。


 「まぁ、当然っちゃぁ当然だが、働かない奴は人族だろうが亜人だろうが貧しい生活をしないといけないっていうのは変わらないからな」


 そりゃそうだ。


 「という事で、働かせてくれや」


 「そうですね。仕事の話をしましょうか」


 私は午前中に受け取ったワイバーンの皮を取り出し、


 「これで、メアリー・プル達の装備一式を作って欲しいんです」


 「おうよ」


 とハンスさんは言い、


 「サイズは変わってねぇよな?」


 メアリー・プルにそう確認する。


 「はい」


 「なら、一か月後だな。それ位で武器も出来上がるから、取りに来てくれ」


 「了解しました」


 メアリー・プルはそう言って、ハンスさんに一礼をした。

 しかし。

 どれくらいのお金がかかるのかね。

 武器に鎧に、無限の矢筒。

 しめて、いかほどに?


 「300万、出せるか?」


 「問題ありません」


 「あいつの遺産か?」


 「まぁ、そんな所です」


 「ふんっ、まぁ、あいつの忘れ形見が使うんだから俺の知ったことじゃないが、金は大事に使えよ」


 「ホムンクルス達の装備の充実が、今のところ一番必要な事ですので」


 「なんでまた、そんなにメアリー・プル達の強化にこだわるんだ?」


 「先日、ワイズさんという方にお会いしまして」


 あのワイズという冒険者上がりの職員はレベル700超えの猛者だった。あんなのがゴロゴロと居る世界なら、メアリー・プル達は中堅どころの上程度の強さしかない事になる。

 あんな人を見ると改めて思う。

 あれだけの力を持った人が前線を退くような世界だ。

 魔物だって、ブルーオーガよりも強い奴は居るだろう。

 生存率を上げるためには、装備の強化が必要だ。


 「あー、あいつな」


 ハンスさんは顎をカウンターに付いた左手に乗せながら、


 「あいつは化け物だ。あんな奴はこの街に五人と居ねぇよ」


 そう言って、


 「あのくらいの強さを持った奴が出張る様な魔物なんて、ドラゴン位だ。ほぼほぼ相手にする事ぁねぇさ」


 右手をひらひらとさせた。

 ドラゴン相手でレベル700か。

 レベル700帯のレイドボスである古代竜が出てきたら・・・・・・。

 それを考えたら。

 私の力は人外ではあっても、必ずしもチートレベルではないようだ。

 気を付けておく事にしよう。

 私単体では倒せない相手が居るという事を。

 この世界は、思った以上に魔物が強いという事を。

 やはり。

 ホムンクルス達の強化は必須だな。

 となると、


 「エンチャントをしてくれる魔術師、知ってませんか?」


 良いエンチャントをしてくれる付与術師が欲しいな。


 「メアリー・プル達に渡した武器に施した術師で良いなら、紹介できるぞ」


 ふむ。


 「腕は確かなんですよね?」


 「そこは保証する」


 「なら、その方をご紹介いただけたら助かります」


 何度でも重ね掛けさせたら、良いエンチャントも付くだろ。


 「その方も、貧民街の顔役なんですよね」


 「ああ」


 「貧民街にお金が流れるんですよね」


 「ああ」


 それなら、代金はしっかりと払うとしよう。

 ふふ・・・・・。

 思わず笑いがこみあげてくる。

 レベル100の差を埋める事が出来る位の装備が出来るまで、根気強くエンチャントを掛けてもらおうかね。


 「で」


 「で?」


 「その方の住まいとお名前は?」



面白ければ、ブクマ、評価の程よろしくお願いいたします

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