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悪童懺悔

別視点


 俺はヤクザの父と悪徳宗教の教祖の母親の間に産まれた。

 

 お互い相手の金と地位を求めての結婚だったらしく二人の間に愛は無かった。

 

 熱を出した俺を根性が足りないとかほざきながら顔面に罅が入るまで殴ってきた父、俺を神の子と言い回り奉りながらも宗教拡大の道具としてしか扱って来なかった母。両名と俺の間にも愛情なんて無かった。

 

 おまけに俺もカスのサラブレッドなだけあって立派なカスだ

 

 小3くらいまでは産まれの割にはまあまともに育っていたんだが10歳辺りから急激にグレ始めて中学入ったあたりで完全に悪党となっていた。

 

 これだけならまだマシだったんだが俺には生まれつき異常な筋力、反射速度、視力、運動センス、第六感があったんだ。

 

 ミオスタチン異常だとか色々な特異体質が複数同時に発現した特異例だとか言われていたがまあ分かりやすく言うとフィジカルギフテッドって奴だ。

 

 このお陰で小4の時点で高校生とも殴り合いが成立したし12歳の時に親父を殴ったときには一発殴っただけでクソ親父の歯が10本以上飛んだ。

 

 他人には根性が足りないとか因縁つけてはイキっていたあのクソが一発殴っただけで俺にペコペコしだすようになったのは背筋が寒くなる程に爽快だったがその快感も俺が怪物になった理由の一つだったんだろうな

 

 クソ親共から受け継いだ悪性と理外の超暴力。それ故に俺はガキながらに警察でも対処に手こずる悪党となっていた

 

 そしてそれはあいつに出会うまで続い……

 

 ああ……ちょっと待ってくれ……自分の悪性を口に出すのはちょっと勇気が必要なんだ。加害者の分際で何言っているんだと思われるかもしれないが……頼む……

 

 ……よし、いくぞ

 

 あいつと会ったのは中学に進学してからだ。

 あいつは俺達の代で一番勉強ができる奴だった、しかし勉強以外の頭の回転はあまり速く無かった。

 そしてぼんやりとした奴だった。トドメに友人も家族もいなかった。これだけ条件が揃っている奴を俺達がどう扱うかくらい分かるだろ。

 

 虐めて、イジメて、いじめ抜いた。

 

 俺等にとっての日常、あいつを筆頭にした被害者達にとっては地獄の日々が始まった。奪い、嘲り、何度もぶん殴った。

 

 半年程たった辺りで俺達の間ではポ◯モンバトルというおぞましい行為が流行っていた。

 

 弱そうな奴を二人捕まえてきて脅し殴り合いをさせ、負けた側を更に甚振ると言うものだ。

 

 元が多少心優しいやつでも徹底的に追い込みをかければ必死でなんの罪もない相手を殴りつけるようになる。そういう奴らを偽善者だと嘲り嗤うのがたまらなく楽しかったんだ、あの頃は。

 

 しかしあいつだけは違った。ただひたすらに無抵抗のまま相手に殴られ続けたのだ。眼の前の相手を殴らなければ殺すと警告しても何度も何度も。

 

 後から聞いた話だがいじめの辛さを何よりも分かっているおれがいじめに加担するのはお笑い草だ、だから抵抗したと言っていた。

 

 自分と同じく虐げられている奴に痛い思いをさせるのなんて絶対に嫌だとも。

 

 今思えばあれが奴の善意の最高到達点だったのだろう。

 あいつは善人ではあるが聖人という程でもない。道を渡るのに苦労しているババアがいればためらいなく手をとって歩き出せるし虐げられている人間がいれば2回に一回くらいは盾になる様なすごく良い奴ではあるがそれ以上の事はしない、すごく良いやつ止まりの奴だ。

 

 しかし聖人では無い人間が良心と勇気を総動員して行ったのがあの抵抗だったのだ。

 

 俺は無抵抗に床にうずくまるあいつを殴ろうとしたが腕が動かなかった。

 

 恥ずかしい、情けない、醜い、汚らわしい、悍ましい。以前ならうずくまる弱者に向けていた感情を俺自身に抱いてしまったからだ

 

 カスの俺にほんの僅かな良心というモノが芽生えてしまった瞬間だった

 ■■■■

 その日、奴を殴れず俺は取り巻きを解散させて倒れ込むあいつを放置して家に帰った。家に帰ってもあいつの事が気になって仕方なかった。

 

 明らかに利己性から離れたあの行動、強者に逆らい弱者を守るという非合理的で愚かな行動の意味も分からなかったし自分に理解できない事をやったあいつも妖怪の様に見えていた。しかし、不思議と不快な感覚は無かった。

 

 次の日、教室の隅っこの方でカバーをかけられた小説を読んでいたあいつを見かけた。喉の奥から湧き上がる謎の感情と共に突き進んだ。

 

 そうするとあいつは明らかにビビった様に萎縮し始めた。そうすると俺の胸の奥がギリギリ傷んだ。

 違うんだ、辞めてくれ、もうそんな顔をしないでくれ。

 

 ビビるあいつを前に俺はつまらないプライドで謝る事もできずお前の事をもっと知りたいという本心も言えずに無言であいつの読んでいた本を取り上げた。

 

 チラッとあらすじを読むとなんかおっさんが美少女になってイケメンの王子に求婚されるという話だった。は? なにこれ? 「なんだよ、お前ホモか?」という喉元から出かかった言葉を喉の奥で全力で潰した。

 

 ここでそんな事を言ったら台無しだ、以前と同じだ。頭の中を飛び回る? マークを必死で殺し話しかけた。

 

「面白そうじゃん、どう言う話か教えてくれよ」

 

 そう俺が言うとあいつはパアッと辺りを明るく照らす太陽の様な笑顔を浮かべたかと思うとものすごい早口で語りだした。萎縮した態度からの豹変が怖すぎて正直漏らすかと思った。ともかくこれが俺とあいつの初めてのまともな会話だった

 ■■■

 それから一月程経った頃。

 

 俺は悪行を辞めた。辞めたと言うのはカスの主観なので実俺以外から見ればそうでは無かったのかもしれないが。

 

 先生方も俺のことを改心しただの良い奴になっただの絶賛し始めた。悪い事やらないから良い奴なんじゃなくて良い事をするから良い奴なんだろうが、俺なんかを善人扱いする暇があるなら良い事をやるあいつを褒めろよ、クソが。

 

 そして……俺はあいつの家にたまに遊びに行く様になっていた。

 

 お互いゲームが好きだったのでその点で話があった。

 

 戦国バ◯ラXでオクラ使ったあいつに俺の奥州筆頭が嬲り殺しにされたり風来のシ◯ンで武器弾き飛ばして来るやつに丸一日かけて鍛えた武器をロストさせられ二人一緒に発狂したりL◯Lでベトナム人と徹夜でレスバしたりF◯14でネカマやってるあいつにドン引きしたりと色々あった。

 

 徹夜でガチのポ◯モンバトルをしているとき、あいつが俺の黒◯ドをコ◯イドンで消し飛ばしてるときあいつがポツリと言った

 

「おれ、ずっと家族も友達もいなかったから友達と徹夜で遊べるなんて夢みたい、昔はさびしくてさびしくて死にそうだったんだ、死にそうだったんだ」

 

 ギョッとした。こんな俺を友人だと思ってくれているのか

 俺がぎょっとしているのを見ると

 

「あ……ごめんおれなんかがお前とともだちになったと勘違いしちまったよ、ごめんな、不快な思いさせて」

 

 違うんだ、そうじゃない、俺にはお前の友人になる資格なんて無い。そう言おうとしたが今にも泣きだしそうなあいつの顔を見てると心にもない言葉が飛び出した

 

「何いってんだ、もう俺達親友だろ」

 

 悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい悍ましい俺なんかがこいつの親友になるなんて許されないだろ。その本心を隠しながら。俺まだ謝ること事すら出来てないのに。

 

 

 次の日の朝。手をぶんぶんと振るったあいつに送られた。

 

 やめてくれ、そんな無邪気な笑顔を浮かべないで、俺はまだお前に謝ってすら無いんだ。

 

 俺の悪行はこのままなあなあで済ませてよいはずがない。

 

 いじめられたやつはその日から時間が止まる、精神の成長が止まるというけれどあいつ筆頭に俺の被害者達もきっとそうなるんだろう。

 

 ここで逃げたら何人もの人生を壊しておいて後々「あの時は俺も悪い奴だったなw」くらいにしか思わないクズになってしまう、そんなのダメだ、許されない。

 

 次の日帰りのホームルームで俺は手を上げた「先生、ちょっと」そう言って俺は教壇にたって他の奴らの方を向いた。

 最近マシになっただけの恐怖の帝王が教壇に立ったのをみて緊張が走った。

 

「長く話しても言い訳しかでてこないだろうから一言だけ言う。全員、すまなかった」

 

 そしておれ自身の左目に指をいれ思い切り抜き取り踏み潰した。いきなりの惨劇にシンとした教室の中俺はスタスタとあいつの席まで歩いて向かう

 それから右手に持った彫刻刀をギコギコと動かし左手の指を全部切り落とした。

 

「いじめて悪かった、■■、これが俺のケジメだ。これっぽっちじゃ許せないと言うのならもう片方の目も潰す、それでも許されないなら足を切る、それでもダメなら」

 

 教室の外を見た

 

「命もお前に捧げる。本当に、本当にすまなかった」

 

 放心状態だったあいつが立ち直ったのはきっかりその3秒後だった。

 

「ぎゃああああああああ何してんだおまえ!! きゅーきゅーしゃ! きゅーきゅーしゃ!」

 

 パニックになってなんの役にもたたずに右往左往して「おおおおおおおおおお落ち着けおれ! ここここここここういうときはははははは」とかほざいているのはどうかと思ったが俺はあいつに許された、命を救われた、救われたく無かったのに。

 ■■■

 あいつに許してもらって更に2ヶ月が経過した。

 

 秋の夕方の心地よい風に吹かれながらぶらぶらとうろついていると恐喝の現場を見ちまった。

 

 ちょっと前まで俺もしていた事だ。正義の味方ぶって首を突っ込む資格など無いと思って通り過ぎようとした、しかし加害者のボスらしき奴を見た時足が止まった

 

 あれ? 脅してる奴どっかで……ああ、隣の中学のドラゴか。クズさも家族構成も俺と同レベルのカスだ。

 

 しかも制服から考えて恐喝されているのウチの学校の生徒じゃねえか。

 

 その直後頭を熱湯入りのやかんで殴られた様な衝撃が俺を襲った。

 

 !! あいつじゃねえか、何してんだこんなところで!! 

 

 とりあえず理外の身体能力と脳が破裂する程の怒りに任せて全員ぶちのめした。

 

 そして倒れ込んだドラゴの頭を踏みつけにした。

 

 そうするとドラゴはあいつを凄まじい憎しみのこもった血走った目で見つめてこういった。

 

「お前……漢どうしの話で援軍呼ぶとか汚え真似しやがって、ぜってー殺してやるからな!」

 

「おいおい殴ったのは俺様だろうが、何で勝てそうなやつに責任転嫁するかなあ、な──ーあ!」

 

 蹴り飛ばした。殴った。踏み潰した。以前の自分と同じ事をするカスを怒りのままに。もうドラゴを殴りたいのか自分を殴りたいのかわからない程に

 ■■■

 ボコボコのあいつを背負って帰る途中ものすごいモヤモヤが俺の頭の中に渦巻いていた。

 

 話を聞くとなんでも他の奴が恐喝されているのを助けようとした結果じゃあお前払うかという話になりターゲットが移り変わってボコられたらしい。

 

 クソが、クソが、何でこいつの様な善人がこんな目に合うんだ。今回は運良く助かったが下手したら死んでいたぞ。

 

 …何言ってんだ、偽善者が、ほんの少し前まで俺も同じ事をこいつにやっていたじゃねえか。クソが、穢らわしい、醜い、偽善者が自分を棚に上げて今更正義のヒーロー気取りか?笑えるな、喜劇だよ

 

 そして思う、なんというか……世界は俺達の様な悪人にとって都合が良すぎるんだ。

 

 

 悪党が悪事を辞めただけで褒め称えられる、悪事で稼いだ金は基本没収されない、法に触れねが倫理に反した方法で裕福になった人間なんて掃いて捨てるほどいる。悪行なんて半分くらいは精算されず、頭を使わず振りまいた善意は踏みにじられ、何もやってないクズどもは善人に偽善者のレッテルを貼り付ける。

 

 何より善良に生きて不幸な終わりを迎えるのと悪行の限りを尽くして不幸な終わりを迎えるのでは納得の度合いが違うだろ、後者はまだ自業自得ということで諦めがつくが前者は納得なんてできない。

 

 利益を求めるなら善人でいる意味など無い。常に悪は善の成果を吸い上げ踏みにじるのだ

 

 それでも……それでも……とある本の一節に「善はかたつむりの速度で進むんだ」というものがある。

 

 俺はこの言葉が好きだった。

 

 悪に何度打ちのめされても、止まっているように見えても、何度踏みにじられても、正義と善意の歩みは決して止まることが無い。悪意と悪が後退しようが止まろうが善はその場に残り少しずつ未来へと進んでいく

 

 最後には絶対に善と正義が勝つという意味のこの言葉が俺は大好きだった。自己解釈なので本当は違うかもしれないが。

 

 こいつもそうだ、何度うずくまっても決して後退せずに顧みずに引かずに周りの人間を救っていく。

 

 背中のあいつがうめき声を上げた。一旦立ち止まり薬局でかったセットで応急手当てをする。

 

 お前はあの時虐げられるものを一人救ったが救われたのは俺もなんだ。

 ■■■■

 15歳になった後もあいつの家でゲームを共にプレイする習慣は変わらなかった。

 

 あいつは地域トップの高校へ進学が決まり俺は勉強もせずダラダラほうけていた為この習慣もいずれ終わってしまう。だからこそこの時間を大切にしようと思っていた。

 

 今日やるゲームは俺の大好きな、ダンジョン探索レトロゲーだ

 

「何で先制攻撃で即死攻撃持ちが殴ってくるんだよ! どんな上手くても対処できねえじゃねえか!」

「一レベル上げるのに2時間くらいかかるのに何で攻撃一回食らっただけでレベルが4も下がるんだよくそがあああああああ!!!」

「おい、SP解放しますかという質問にはいと答えたら最強装備消えたんだが!」

「単体で強い奴が集団で向かってくるんじゃねえ殺すぞ!」

「クソゲーじゃねえかねぎいいいいいい!」

 

 俺のおすすめゲームはクソゲーだと断言されたが。

 

 しかし俺もまたあいつの勧めてきたTS? 作品とやらの良さがよくわからなかった。

 

 100歩譲って男が女になって女と恋愛するのは良い、全然わからないが、まだ分かる。

 

 だが男が女になって男と恋愛するのはどういう事だ? 

 

 ホモかよ、元男の女なんて俺は絶対に好きになることは無いと言い放ったらあいつは元男の女が好きじゃないとかお前ホモかよとか訳が分からん事言っていたな。

 

 その日家帰ってインターネットサーフィンをしているとハー◯ルンとかいう二次創作展示場の皮を被った性転換作品だらけの実質ホモサイトを見つけた。なんだこれ、凄まじい数のホモ達が集まってるじゃねえか

 

 でもこのサイト教えりゃあいつも喜ぶぞ、明日教えてやろうと思いウキウキで寝た。

 

 この時の俺は知る由もなかったんだ

 あいつがドラゴの親父を含めたクソヤクザ共に襲われ……足が潰され顔を塩酸で焼かれ目も見えなくなってしまっているだなんて。一応右目だけは視力が戻る可能性があるそうだがそんなの関係ない

 

 指示したドラゴ曰く相方……俺の事だな……がメクラ指なしなんだからお前はメクラ足なしにしてやるとのことだ。あえて生かす事でより苦痛を与えるつもりだったようだ。

 

 俺に対して復讐できないからとあいつを怒りのはけ口にしたらしい。あの時ドラゴをあそこまで追い込んでいなかったらこんな事には……

 

 ドラゴと下手人、そして俺があいつの未来を奪ってしまったんだ。

 

「おれは大丈夫だから」

 病院で弱々しく爛れた顔で笑うあいつを見て俺の中の黒い欲求が鎌首をもたげた。

「ありがとよ、こんな俺と今まで仲良くしてくれて。お前は俺の太陽だったよ。あばよ、■■」

 

 何かを言おうとしたあいつを尻目に俺は病室をさった。

 

 怒りが足を伝って地面に叩きつけられる。憤怒という感情が歩くたびに爆発を起こし足並みが加速していく。

 

 自分の口から信じられない程低い声で何かが飛び出した。

「クソ共全員ぶっ殺す」

 

 俺達の様な悪人ばかりが得してあいつの様な善人が損するのは許されない。俺も、クズどもも、悪党全員あいつより理不尽な目に合わなくてはダメだろう。

 

 その後ドラゴの眼球と腱を破壊して下手人の事を聞き出した。

 

 その足で下手人の事務所に向かった。

 

 巻き込んだ俺も下手人のクズどもも、そして何よりも信賞必罰という言葉に唾を吐きかける様な世界も、全てが壊れてしまえば良いと思って殴り込み、叫び、殴って、殴って、殴った。

 

 

 統制するクズ、逃げ出そうとしたクズ、銃を持ち出したクズ全員殴って殴って殴って殴って目をくり出して腱を切った

 

 しかし俺は理外の怪物だったが銃もまた理外の超暴力だ。俺の身体の中に銃弾が12発打ち込まれたためおいそれと動けなくなってしまった。明らかに生命力が失われていく感覚がある。まあ良いか、全員目と足は潰した。しかも俺の身体には生命保険がかかっている。ちゃんと保険金の受取り人もあいつにした。保険金が降りるよう保険会社と警察にいくらか金を掴ませておく必要があったから全額はいかないだろうがそれでもかなりの金になる。

 

 ドラゴ、下手人、そして俺。クソ共を全員殺せてハッピーハッピーだ。

 

 俺なんざがあいつのこれからの人生にいてはいけない。

 あいつは優しいやつだから俺如きが死んでもきっと悲しんでくれる。

 それでも所詮死ぬのはカスの俺だ、3日たてば忘れて前を向いてくれるだろう。

 

 

 キツイだろうが盲目で足が動かないというハンデもある程度乗り越えてくれるだろう

 

 

 俺の中にはあいつしかいない、俺の大切な人はあいつしかいない。俺の家族も取り巻きもカス共だ、いらない。だがあいつの中にはこれからどんどん人が増えていく、あいつにとって大切な人はこれからもどんどん増える。

 

 今まで俺以外はあいつの良さに気付けなかったがきっかけさえあればあいつはきっとこれから沢山の人に愛されるだろう。

 

 友人扱いしてくれてありがとよ、■■、お前がいてくれたから楽しかった。我が生涯に一片の悔い無しって奴だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただ一つ強引に心残りを作るとすれば……

 

 もう一度一緒にやりたかったな、クソゲーウィ◯ードリィ

 

 

 そして、俺は死んだ。

 

 ここから俺が銀髪の聖騎士フレッドになるまでの物語は後日語ることにする。

 


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