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1話

 ☆☆☆冒険者ギルド


 令嬢を筆頭に、村の長老と数人の村人老若男女が、冒険者パーティに懇願していた。

 もう、数個のパーティがクエスト失敗、全滅し、切迫した状態だ。


 ・・・大変です。元傭兵団長のホークを首領とした。盗賊団が、我が領地の街道に跋扈して、商人を襲っています。


 商人を襲うのが嫌ならと、法外な金銭を要求しています。

 正直、我が領は貧しく、商人が来なければ、物は売りに行けず。必要な物資が入って来ません。


 お父様とお兄様は、先の人魔大戦で出征し・・・戦死しました。



「グスン、グスン、どうか、討伐をお願いします」


 冒険者パーティの壮年の男は快く受諾する。



「任せな。お嬢さん。俺ら、軍事チート「戦闘狂5人衆」に任せな」

「そうぅス。クエスト連続達成の俺たちにまかせてよ」



 黒髪、黒目の転生者がいた。おっさんから、20代までの5名である。

 各自の服装は、警察の特殊部隊が着るジャケット、デジタル迷彩から、第二次世界大戦時の日本兵まで、様々だ。


 ・・・俺は田山、サバゲの途中に、転移してきたサラリーマンだ。

 ゲーム中に霧が出て気が付いたら、異世界に転生した。それから、冒険者になって、連戦連勝だ。

 簡単だ。

 俺らは武器を召喚出来る。

 銃だ。サバゲで使える銃限定だが、レベルが上がればもっと召喚出来るはずだ。


 敵は、盗賊団?対人戦闘は初めてだが、いつもゲームでやっている。

 大型魔物のキメラを討伐した俺らだ。

 人間なんて余裕。

 覚悟を決めれば、人を殺すなんて、どうってことない。


「おい、東梅さん、山形さん、鈴木さん、坂部君、東山君、行こうぜ」

「「「おう」」」

「「はい」」


 俺たちは無敵、銃は、この世界の魔法よりも早く遠くから攻撃出来るぜ。


 俺たちは、馬車に乗せられて、盗賊出没地帯まで来た。


「後は宜しくお願いします。ここは、危険ですので・・・その」


「ああ、素人は危険だ。下がって、戦勝を聞きな。プロである俺らが盗賊をやっつけてやるよ」

「はい」


 ガチャ、ガチャ


「森の中?ゆるやかな傾斜がある。山未満、丘だな。この獣道を進めばいいんだな。準備良かったら行こうぜ」


「あの、作戦は良いのですか?」

「作戦って、この国の武器みたか?相手はジャック・チャーチルじゃないんだ。見つけたら、撃って進めばいい」


 ※ジャック・チャーチル

 第二次世界大戦時に弓矢で敵兵を屠ったとされるイギリス軍の将校


「綺麗なお姫様だったよな」

「このクエストが終わったら、貴族お抱えになるんじゃねえ?」

「でも、男爵家でしょう?もう少し、上の階級がいいな」

「ハハハハハハハ、言えてる」


「でも、敵は何人だっけ?聞いた?」

「いや、でも100人、いや、1000人でも余裕っしょ」


 談笑を交えながら、

 ガサ、ガサ、ガサと草をかき分け。1時間ほど獣道を進んだが、敵は見えない。


「おい、日が暮れる前に帰りたいぜ」

「野営道具は?」

「いえ。持って来ていません。僕は二食持って来ています」

「俺は一食、夕飯は街で食おうぜ」



 俺らはサラリーマンと大学生のチームだった。フィールドには車で行ってたからな。

 野営までするマニアじゃないが、このクエストでは必要ないだろう。


 俺は、M4,東梅さんは、M16,山形さんはMP5K,で、鈴木さんはAKで、板東君はM4,東山君は、38式歩兵銃。

 皆、ロマンあるよな。

 全て、実銃だぜ。日本で使っていたときの銃を使えることが出来る。


 レベチが上がったら、ミニミとか出せないかな。


 シュン~


 矢が一本飛んできた。


 その矢は、板東の肩に当たった。


「イタい!」

「どこから、撃ってやがる!」

「おい、ポーションは?」


「持って来ていませんよ。だって、いつも圧勝でしょう!」


「とにかく、撃ってきた方向に撃て!」


 バン!バン!バン!バン!


 ☆☆☆数十メートル先、森の中


 弓を放った者は、大木の後ろに隠れ、銃撃を避けて、ほくそ笑む。


 ・・・・ヒヒヒヒ、俺らは、お前たちが、お姫様と別れたときから、既に補足していたのよ。

 木の上に、猟師のように擬態して、見張っていたのよ。

 やつら、回復術士はいない?ポーションは?

 持ってねえ。


 こりゃ。リーダーが言っていた化け物じゃない。



「田山さん一端、帰ろう。板東君を治療しよう」


「いや、姿さえ見せれば瞬殺だ。それまで我慢しろ!」


【お~い。姿、見せたぜ!俺がホークだ】


 一人の壮年の男が無防備で立っていた。

 彼らから、200メートルは離れた草むらから出て来た。

 ホークの隣には、魔道師がいる。


「魔道師の魔法は、ここからは届かない。皆、撃て!」


 バン!バン!バン!

 ズドーン!

 ババババババババン!


 各銃器がそれぞれの音を奏でながら、弾を撃つが、


 それと、同時に魔道師が、魔法を展開する。


「ウォーターボール!」


 魔道師と、ホークの前面に、バスケットボールぐらいの大きさの水の球が無数に浮かぶ。


「ヒュー、軍事チートさんはすごいね」

「さすがに、じゅうは迫力あります。盾を出しときましょうか?」

「うんにゃ、当たるときは当たる」


 弾が、水球に当たると、途端に勢いがなくなり。

 ホークの足下で落下するものがほとんどだ。


「何故だ!」とリーダーの田山が叫ぶが、

 水の密度は、空気の800倍、水中では、弾丸の勢いは急激に落ちるとされている。


「そしてな。弓矢は、音無しで撃てるのよ。攻撃の旗をあげろ。射て!ってな」


 森の茂みから、弓矢が、真横や斜めから、飛んでくる。

 十字砲火に等しい効果だ。


 ヒュン~ヒュン~


「ヒィ、弾は?マガジンの中にもうない」

「今から、弾を詰めたら・・・」


 皆、弾倉を一個か二個しか持っていない。それで足りていた。

 弾は召喚した箱に入っている。


「今から、召喚しないと・・」

「「「「ウワーーーー」」」」


「戦闘狂5人衆」のリーダー田山以外は戦死した。



 ・・・・・


 ☆冒険者ギルド応接室


「・・・以上が、向こうから来た矢文で分った状況です。

 グスン、グスン、また、請求金額が上がりましたわ。タヤマ様の命を合わせて、大金貨300枚(3億円)」


「そう・・」


「それで、貴方様に頼みたいですわ。失礼ですけども、黒目、黒髪の貴方様に、貴方も異世界から来られたのですか?」


「違う・・」


 冒険者ギルドに呼ばれたのは、15歳の少女、黒髪、黒目で、銃は、木と鉄で出来ている64式7.62ミリ小銃である。


 また、軍事チートであるが、


 ・・・大人5人の軍事チートでもダメだったのに、

 執事はいぶかしげに思う。


 少女の質問は続く


「敵は何人?」

「・・・分りません。しかし、我が領の農民兵100名で討伐し、半数が倒され、断念しました。」


「そう・・・その時は捕虜を取らなかったと・・」

 ・・・一人の首領が、何の組織の力を借りずに無理なく統率できるのは中隊規模(150人)まで、150人で金貨300枚を分けるとしても、一人2枚(200万円)、大戦が終わって、これで盗賊稼業の終わりとしたら不十分だ。30名で、一人大金貨10枚(1000万円)で・・・

 捕虜を取らない。監視するほどの人数がいない・・・か、身の代金が目的じゃない。


「あの、座らないのですか?」

「今、考え中、盗賊は30~40名と考えるのが無難・・一個小隊規模、戦闘員は30名・・」


「そして、敵の戦法は、森の中での待ち伏せ。街道には同時並行攻撃を行う。つまり、ゲリラ戦」


「ええ、森の中から四方から矢が飛んできたと言ってましたわ・・」


「何故、銃弾を防いだ・・・土嚢?それとも・・・待ち伏せで一方的な殺戮?」


「ところで、何故?貴方が依頼する?失礼ですけど、お父様やお母様は?」


「母は病気でなくなり。父と兄は、人魔大戦で出征し、戦死をしました。今、現在、当家にいるのは、義母とその連れ子の義妹・・執事と、老齢の使用人しかいません」


「そう・・」


 依頼主の家族状況を聞きながら、


 少女はしばらく考えた後、

 クエストを受諾する。


「成功報酬大金貨10枚・・・それと、一人つけて欲しい。猟師の子息か斥候職、投擲が出来るものが望ましい」


「死ぬかも知れないから、斥候にそれ相応の報酬を、前渡しで、お願いしたい」


「ええ、分りましたわ。大金貨300枚を用意すると考えれば、安いものですわ」


「しばらく、訓練をしてから、討伐に出ます。5日後を目安に討伐します」


「ええ、宜しくお願いします。猟師の娘がいましたから、すぐに、声を掛けます。森を占拠されて、狩りにいけなくて、困っていますから・・」


 1時間以内に来た。


「よろ~、あたし、猟師の娘、フラン、健脚のフランだよ」


「狩りに出たことは?」

「6歳から10年間、ほぼ毎日かな?」


「投擲の経験は?」

「石投げなら、余裕、100メートルは行くよ」


「魔物がいるかもしれない時の対処法は?」

「身をかがめてゆっくり動くよ」


「合格、なら、今から行くわ」

「えっ、5日後に行くんじゃないの?」


「5日後は目安よ。まさか、昨日の今日、来るとは思わないでしょう」

「野営は?」

「野宿よ。だから、それも含めて二人」


 領主には5日後が目安と言ったが、少女は、即日、出発した。





最後までお読み頂き有難うございました。

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