猟奇的男と幼女的サキュバス
人里離れた森の中、人の近付かぬ地にポツンとある一軒家。木材で作られた建物は、一人の男が一夜で作った建物だった。
男の名はリュウシュン。力自慢の屈強な男だった。元々は魔石を収集する冒険者だったが今ではこの小屋でのんびりと過ごしている。魔石の収集も程々に。リュウシュンはこの小屋での暮らしが一番心地良い時間なのだ。そう、この小屋には愛しの、サキュバスと呼ばれる悪魔が、彼と一緒に過ごしているからだ。
サキュバスは腰まで届く、黒い滑らかな髪に、全てを飲み込むような漆黒の瞳を持っていた。体は華奢で手足は細く、とても小さかった。人間で言う、八歳くらいの幼女の姿をしていたのだ。胸も平らで体は寸胴。鋭い犬歯は人間のそれよりはるかに発達している。背中には蝙蝠のような翼を生やし、そして鼠のような細長い、先の膨らんだ尻尾を持っていた。名前はリュウイン。リュウシュンがそう名前を付けた。
リュウインは乳首だけが隠れるような小さな黒いブラジャーと、陰部がギリギリ隠れるだけの小さな黒い紐パンだけを衣服として身に纏う。実質裸同然の格好をしていた。大人の女性が身に纏うならともかく、彼女のような小さな幼女が身に纏うのは似合わないような感じがするが、リュウインは幼い見た目でも腐ってもサキュバス。人間の男の精力を食事とする彼女は男の性欲を溢れ出させようとしているのだ。
リュウインはサキュバスらしくとても性には積極的だ。リュウシュンが小屋に戻るや否や、すぐに飛びついてその小さな乳房を押し付けて、腕を抱き上げる。顔を紅潮させて息をわざと荒くして、リュウシュンに体を求めてくる。リュウシュンは喜んでそれに応じるのだ。リュウインの体は自分のものだ。好きなように弄っていい。リュウインもまた、その性欲を食事として接種する。二人は利害の一致した関係なのだ。
「おかえりリュウシュン。今日も魔石を取ってきたようだね。それじゃあ、ボクとベッドに入ろうか?」
人とは思えない細長い舌を伸ばしてリュウシュンの腕を舐め回す。舐められた腕がヨダレで汚れてしまう。リュウシュンは何も言わずにリュウインの頭を手で押さえつけると、腰を曲げて姿勢を低くして、リュウインの赤い唇に己の唇を押し当てた。お互いに舌を伸ばして絡め合う。まるで舌で愛で合うように、お互いの舌を絡め取る。数秒に渡る口付けの末に、リュウシュンはリュウインの体に抱きついて優しく押し倒した。そして右手でリュウインの股を下着の上から押し付ける。クチュクチュと。リュウインの股は既に濡れていた。その股を下着の上から揉みほぐす。粘性の愛液が滲んでいるから音がよくなる。リュウインは顔を真っ赤にしながら、されるがままに受け入れる。
そして両者の口が離れた。
「リュウイン、俺のリュウイン。お前はなんて愛らしいんだ。その体をめちゃめちゃにしてやりたい。ここに帰るまで、お前の体を欲してとても苦しかったんだ。どうして隣にお前がいないのかってね」
「こういうのはベッドの上でやろうぜ? 木の床は固いからよぉ」
リュウシュンはリュウインの体を抱き上げると寝室に移動した。寝室では二人が寝るベッドがある。ふかふかの毛布が敷かれたベッドだ。リュウシュンはリュウインの体をベッドに寝かせる。すると己の身に纏う服を脱ぎ始めて下着一枚となった。
「酒飲むか?」
机の上には一リットルのウイスキーの入った瓶が二つ置かれていた。
「いただきます」
リュウシュンは瓶の片方をリュウインに渡す。すると二人は瓶の蓋を開けて、いっぱいに入っているウイスキーをなんと豪快に飲み始めた。二人共全身が熱くなるのを感じた。四十七度のアルコールが喉を焼き、胃袋に入り込む。まるでマグマが胃袋に鎮座しているような感覚。二人は酒に強いのか、そんな高濃度のウイスキーをまるで水のように飲み続けた。
そして瓶を口から離して大きく息を吐いた。二人はもう酔っていた。気分がこの上なく高揚している。リュウインは起き上がるとベッドから出てリュウシュンの前に立った。そしてリュウシュンのぶ厚い筋肉にやさしく手を押し当てる。
「こういうのは過程が大事だとボクは思う。クライマックスは後にして、……今はもっと楽しもう」
「俺は毎度不思議だ。昔と違って俺は随分デカくなった。それなのにお前のその小さな体でどうして俺を受け止められるのかと」
「ボクを舐めてもらっちゃ困る。ボクはサキュバス、悪魔だ。人間じゃない。君がどんなに大きくなろうとも、その全てを受ける力と覚悟がある。さぁ、おいで?」
「行かせてもらう」
リュウシュンはリュウインの体に抱きついた。力強く抱きしめた。そして舌を出して体を舐め回していく。頬を、喉を、肩を、腕を、そして腹を。そして全身に口付けをしていく。リュウインもお返しとばかりにリュウシュンの体を舐めて口付けをする。二人の体は酒による酔いと欲によって赤く熱くなっていた。息を荒くしながら、今度は口と口を合わせる。先程のように舌を絡め取る。時折、口を離して息継ぎをしてからまた舌を絡め合う。
リュウシュンはリュウインの尻を手で揉み始めた。そして股の方へと膝を伸ばす。リュウインの股がリュウシュンの膝に乗った。リュウシュンは膝を上げてリュウインの股を強めに押し付ける。
「んんっ……ふぁ……」
リュウインは大きく息を吐く。甘えるようにしてリュウシュンの背中に両手を伸ばす。そして両足でリュウシュンの膝を挟んで腰を揺らす。股を押し付けているのだ。
「まだまだ……もっとだ。もっとボクを弄ってくれよ」
「まだまだこれからだ」
リュウシュンはリュウインの腹を撫で回した。そして背中を左手で押し付けて、右手でリュウインの股を揉み始めた。リュウインの股から粘性の液体が下着越しに垂れ始める。リュウシュンは手慣れた手付きで指先を器用に動かし、股を撫でる。
リュウインの体は小さな子供、まるで幼女だった。その小さな体をリュウシュンは容赦無く、愛の鞭で絡め取る。己の力をぶつけるのだ。その体を壊してしまいそうなくらいに。もちろんまだクライマックスではない。こんなの序の口だ。
リュウインもそのことは理解していた。リュウインもまた、手を伸ばしてリュウシュンの股に手を当てた。太く、大きく膨らんだリュウシュンのそれを、下着の上から握る。そして何度も擦り始める。
リュウシュンは更に興奮したのか力を強めてしまい、リュウインを押し倒してしまった。尻もちをついたリュウインは驚くものの、退く事なく、股を開いた。そして自分の股に手を当てる。股は濡れていた。
「おいで、ほら」
リュウシュンは言われた通りにリュウインの股に顔を近付けた。舌を伸ばしてペロペロと撫で始める。そして指を使って撫で始めた。
「んんっ……」
リュウインは荒い呼吸のまま、リュウシュンの姿を見ていた。疲れてしまったのか上体を下ろし仰向けに倒れる。そしてされるがままになった。
するとリュウシュンはリュウインの体の上に覆い被さった。そしてブラジャーの上から小さく貧相な胸を撫で回す。リュウインはその手を掴んだ。
「ん? どうした?」
「続けて」
リュウシュンはその後も胸を撫で回す。小さな胸が揺れている。乳首がピンと立っていた。リュウシュンはその乳首を指ではさみ、クリクリと動かす。リュウインは喘いだ。リュウシュンはやめようとしない。リュウインの尻尾を掴み、そして握る。するとリュウインはあっ! と叫んだ。性的興奮を感じている時、彼女の尻尾はとても敏感なのだ。リュウシュンは力強く、リュウインの尻尾を撫で回した。リュウインの顔がますます真っ赤になって目に涙が溜まっていく。声が漏れてしまいそうなのを必死に抑えていた。リュウシュンは更にリュウインの股を指で撫で始めた。リュウインは遂に我慢出来ずに弱々しい声で喘いだ。
「ふーふー。ちょっと休憩」
リュウインの提案にリュウシュンは従った。立ち上がると机に置いてあった酒を飲み始める。一瓶をリュウインに手渡した。リュウインもまた酒を飲み始める。喉が乾いていたようで二人は酒を飲み干してしまった。するとリュウインはもっと酒が欲しいという。リュウシュンは部屋を出て棚から一リットルのウイスキーを一瓶持ってきた。リュウシュンはもう良いという。しかしリュウインはそれを豪快に飲み始めた。どんどん飲んでいったリュウインは思わずゲップしてしまう。顔を真っ赤にして顔を下に向けた。
「酒飲むなぁお前」
「……い、良いじゃん別に」
その後もリュウインは酒を飲み続けた。リュウシュンはあるものを持ってくると行って部屋を出た。しばらくしてリュウシュンは部屋に戻る。その手には錠剤があった。これを飲むと性欲とそこから得られる快楽が数倍になるという、いわば媚薬だった。リュウシュンはそれを飲むとリュウインにも手渡した。リュウインも酒でこれを飲んだ。酒は無くなってしまった。
「二リットルも酒飲むなんて。腹タプタプじゃないのか?」
「ボクは悪魔だ。人間とは作りが違う。さぁ、再開しようか」
リュウシュンとリュウインが出会ったのは十年前。リュウシュンが十歳の頃だった。魔石探しの旅を続けていたリュウシュンはとある森で後にリュウインと呼ばれる幼女と出会った。
それは突然の出会いだったのだ。リュウシュンが夜中、寝ている時に、夢の中に彼女は現れたのだ。
「少年よ、お前が気に入った。ボクのつがいにしてやる」
リュウインはリュウシュンに、自分の胸を触らせて、股を触らせた。リュウシュンの反応はというと……即落ちだった。元々小柄な女の子が好きだったリュウシュン。魔石探しの旅中では女の子と出会う機会はほとんどない。そんな時に、リュウインから性的に誘われたりすれば簡単に落ちるのは道理だった。リュウシュンの性欲を吸うリュウイン。リュウインの体で性的欲求を満たすリュウシュン。二人は当時からお互いを求めあった。それは十年経った今でも変わらない。いや、変わった事があるとすれば最初は性的欲求を満たすだけだったのが夫婦として生涯付き添うパートナーとお互いが認識するようになったくらいだったか。それくらい二人は相性が良かった。
現代、リュウシュンとリュウインはベッドの上で横になっていた。お互い、体を撫でながら目をつむっていた。リュウインはリュウシュンの性欲を吸って腹を満たしていた。
実を言うと性欲を吸うとその分、寿命が縮まるのだ。リュウシュンの寿命は十年減っている。そのことはリュウシュンも承知だった。死ぬ瞬間までリュウインと共にいたい。それがリュウシュンの願いだった。
「リュウシュン。愛しのボクの夫よ。死ぬまでその欲望を吸い付くしてやる」
「リュウイン。愛しの妻よ。死ぬ瞬間まで共に添い遂げよう」
二人の熱烈な愛はその生涯が閉じるまで続いたという。