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永円の旅  作者: かずキチ
第1章 始まりの朝
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§ 003 ~国王オリヴァー・ウィリアム~

 私は城に到着したのだが外はもう夜だったために、国王へのあいさつは明日することにしたのだった。

 

 さっそく私は城内にある六賢者の間へと向かうのであった。六賢者の間は、名前の通り六賢者と国王のみが入室を許可されており、六賢者の作戦会議や近況報告の時などによく使われている。といっても、私は年に一度しか参加しないのだが。六賢者の間に入ると中には誰もいなかった。「あれ?今年はシオンさんはまだ来てないんだ。」シオンというのは六賢者が一人【雷の賢者 シオン・サラマンダー】のことである。この人は基本だれとでも仲が良く、何でも一番乗りになりたがる人なので、私の方が早く来ることはめったにないのだが、今年は違ったようだった。誰もいない六賢者の間を出た私は、城内にある闇の賢者の部屋、つまり私の部屋へとさっそく向かうのだった。六賢者にはそれぞれ個人の部屋が城内に存在し、城に来ているときはそこに寝泊まりをすることが基本となっている。


 部屋に到着した私はさっそく荷物を整理しながら、コーヒーを一人で入れて静かな部屋で黙々と荷解きの作業を行っていた。


 夕食の時間になると城内のメイドたちが勝手に部屋の前までもってきてくれるので部屋の整理が終わったディアナは、メイドが夕食を持ってくるのを待っている間に、紙とペンを取り出して最近考えた始めた魔法の追尾システムの理論化をする作業を始めた。魔法の追尾システムとは、自分が放った魔法を相手がよけたとしても相手に当たるまで追尾し続けるシステムのことであり、今までの魔法学会の論文では追尾システムは魔法につけることができないと証明されているのだが、私はそれがどうも納得できなくて自分自身で魔法追尾システムを作り出して学会に論文を提出してやろうと思っているのだ。過去に私は、不可能だといわれた短縮詠唱魔法も可能にという功績を持っている。なので今回もそんな感じのノリでできるのではないかと思っている。


 そんなことを考えていると軽く2時間ほどが経過してしまった。集中していると部屋のドアがノックされた音がしたので考えるのをやめた。

「ディアナ・ワイアット様。夕食をお持ちしました。」

「あ、ありがとう、ございますぅ。」

ドアを開けるとそこには、メイド服を着た20代前半くらいの美人な人が立っていた。彼女は女である私から見ても胸が結構発達していてすこし羨ましく思ってしまうほどだった。しかし、人見知りの私からするとメイドが勝手に部屋まで夕食を運んでくるというのはありがた迷惑というやつであり、極力人と会いたくない私はドアを開けて最小限の会話で夕食を受け取り1時間後にまた食器を下げにやってくるといいメイドは部屋を出ていった。今日の夕食はパンととても熱そうなローストビーフに新鮮なサラダや魚などかなりの量があり、食べきれるのか不安なところがあったのだが、どれも宿で食べたりするのとは違い、城に専属で働いているプロが作ったものなので高級感があり、とてもおいしかった。うん。おいしかったとしか言えないくらいにおいしかったのだ。なので、初めは山盛りに会った料理が気が付けばもうなくなっていて食べる手が止まらなかったのだ。基本小食である私がこんなに料理を口にするのはここに戻ってきたときだけなので実に一年ぶりなのだ。夕食を食べ終わった私は、直接メイドに会うと体力をほとんど持っていかれるので、私は小さい紙きれに

【夕食ありがとうございました。とてもおいしかったです。】

と書いて部屋の前に食器と一緒に置くことにしたのだった。


 数分した後メイドが部屋に来たのか食器がカタカタと音がしたので部屋を開けるとそこにはもう食器がなくなっていてた。


 その後、私はしばらく研究を続けてから部屋に設置されているお風呂に入った後、夜遅くまで研究に没頭するのだった。勉強の途中に部屋の窓から外を見てみると城下町では建国祭の前々日であるということで今日もかなりにぎわっている様子がうかがえた。城と城下町は少し離れているので、さすがにここまで城下町にいる人たち声が聞こえてくることはなかった。なので特に気になることはなく研究に集中することができたのだった。


 月が一番空高く上ったころに急に睡魔がやってきた私は、部屋のベッドがとても気持ちよさそうに見えて、私はそれに誘われるように体がベッドへ吸い込まれて行き、気が付くと寝てしまっていた。

 

 太陽の光がカーテンの隙間から入ってきたために私は目が覚めた。ベッドがあまりにも気持ち良すぎて、寝起きもいつも止まっている宿と比べると全然違っていた。城のベッドの方が断然寝起きが良かった。それでも頭を覚醒させるために、いつも通りコーヒーを作っていると

コンコン「おはようございますディアナ様。朝食のご準備が整いましたのがすぐに朝食になられますか?それともまだ、寝ておられますか?」

とメイドが部屋の前までやってきたので

「お、おはようございます。朝食、タベテモイイデスカ。」

「わたりました。あと、私みたいなメイドに緊張なさらないでください」

ドアがあるため顔は見えないのだが、おそらく笑いながらそう言ってメイドは早速私の朝食を取りに厨房へ戻っていった。


 コーヒーを淹れ終わるとコンコン

「朝食をお持ちいたしましたので入らせてもらいます。」

「ど、どうぞー」

というとドアがゆっくり開いて、朝食をメイドが持ってきてくれた。驚いたことにそのメイドはとても小さく子供のようだったが、人見知りのディアナが歳など聞くことができるはずがなく、特に会話はないまま小さいメイドは

「失礼しました。また、食器を取りに伺います」

といって部屋から出て行ってしまった。


 朝食はパンとサラダとスープとたくさんのフルーツだった。飲み物はちょうどコーヒーが淹れ終わったところだったので、それを飲みながら私は朝食をとっていくのだった。朝食を食べ終わった私は食器を昨日と同様に部屋の前に置きそれと一緒に手紙に【朝食ありがとうございました。とてもおいしかったです。小さいのにメイド仕事頑張っているのですね】と書いた。内容は全く同じなのだが、小さいメイドがすごく気になったので、その子あてに励ましの文章を書いたのだった。朝食もすまし完全に頭が覚醒した私は昨日調達したローブを着て、さっそく玉座へいって国王様に挨拶に行く事にした。


 王様のもとへ挨拶を行く途中に六賢者の間も寄っていこうと思い六賢者の間へと進んでいった。

「は、はいりまーす」

と言いながら入ると

「あ!自信のなさげなこのかわいらしい声は、ディアナちゃんか!?」

と言って入ったとたんに抱き着いてきたのは、金髪で肩くらいまでの髪の長さがあり、背が高くてとても目立つ黄色のローブを着た少女は、六賢者が一人【雷の賢者 シオン・サラマンダー】である。

「一年ぶりだね!元気してたの?」

「はい、おかげさまで」

「そっかそっか、私は今から部屋に戻るけれども一緒に来てカードゲームしない?」

と誘われたのだが

「いえ、今から国王様のところへいかなければならないので今回は本気で、ほ・ん・き・で!お断りさせていただきます」

と私はかなり丁寧かつ強く理由をつけながら誘いを断った。すると

「そっかー国王様の所に行くんだね。それが終わってからでもいいからよっていってよ!」

「気が向いたらで」

そういって私は六賢者の間を出ていった。彼女の誘いは理由をつけながら丁寧にかつ強く断らなければ強制的に部屋へ連れて行かれるからだ。過去に何度も彼女の誘いを断ったのにもかかわらず彼女の雷魔法で拘束されてそのまま彼女の部屋に監禁されたことは何度あったことか。それでも城内に一人でも知り合いがいることに安心できた私は、さっそく国王のいる玉座へと向かっていくのだった。


 玉座へ向かう途中も何度が知らない人に会ったりしてびくびくしながら歩いていたら。

「そこのガキ止まるんだ!」

と言われたが、歩き続けると

「おい!そこの黒いローブのガキ俺様の声が聞こえないとでもいうのか」

『えっ?えっ?完全に私のことじゃんよ!どうしよ、何かしたっけ?この声に聞き覚えないし。どうしよ逃げようかな』

そう考えていると私より体が大きく金色の鎧を着ているとても強そうな人にローブをつかまれてしまい逃げることができない状態になってしまった。

「あ、あ、あの、はなし てぇ」

と泣きそうな声で言うと

「どこから城内に入ってきたんだ。ここは貴様のような庶民の子供が勝手に入ってもいいような場所じゃないんだぞ!」

「は、はい!すみませんでした!」

『あー謝ってしまったよ。めちゃくちゃ関係者なのに』

なにもかもうまくいかなこの状況に完全に泣きだしてしまった私だったが次の瞬間

「なにをしているアーサー・ガルシア!彼女のローブを今すぐ離すのじゃ!」

『この声は国王様!』

ディアナが変な男に絡まれていると、60代後半であるだけあって昨年よりもかなり老けて見える老人は王都セレスティアの国王なのである。

「ウィリアム国王陛下!ですが、このガキが勝手に城に侵入していたので捕まえただけです。」

「何を言っている!彼女はガキではあるが関係者じゃぞ」

「が、ガキじゃないよ」

「っ、、、」

「彼女は六賢者が一人闇の賢者のディアナ・ワイアットじゃぞ。」

「失礼しました。」

そう言って(アーサー・ガルシア)はどこかへ行ってしまった。

「すまんなディアナよ。彼は最近騎士団の団長になって少々魔導士に対して変な偏見を持っているようでその姿を見た瞬間にガキの魔導士だと思い喧嘩を売ってしまったのじゃろう。ここはわしに免じて彼を許してやってくれ」

「だ、大丈夫ですよ。かなり怖かったけれども」

「そうか、すまぬな。それにしても久しいなディアナよ。」

「お久しぶりですね国王様。」

「ここで立ち話をするのもしんどいだろう。玉座へ来るがよい」

「分かりました」

そういって国王様は私よりも先に玉座へ歩いて行った。私も国王様を待たせるのは悪いと思ったので急いで玉座へと向かうことにしたのだった。


ブックマークや星などの評価をつけていただけると嬉しいです!

まだまだ、文章がおかしなところがあるので、たくさん鍛えながらこの作品を仕上げていきたと思っていますので、意見などありましたらどんどん言ってほしいです!

次回も来週のこの時間に投稿しますのでよろしくお願いします。


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